伝吉_TellGlad

人生の始点と現在を繋いでみたら、何てことはない「水勾配」の線が一本引けました。そこそこ…

伝吉_TellGlad

人生の始点と現在を繋いでみたら、何てことはない「水勾配」の線が一本引けました。そこそこ成長した思っていたのは、ひとりよがりな勘違い。七転八倒と五里霧中が得意技。そんな手仕事人 伝吉 の「川の流れに身を任せた備忘録」です。

マガジン

  • 日常

    平穏無事を願う伝吉の平凡な日常

  • 記憶より記録

    今は亡き小学校時代の恩師(認知症を自覚しておられた)が呟いた「記憶より記録だよ」を今更ながら噛み締める伝吉のささやかな足跡録。 (写真:宮城県北部山間と平野を結んだ通称くりでんの車両基地にて)

  • 本という名の大樹

    愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。

  • 目下 製作中!

    伝吉の根付や彫刻作品の過程や道具造りの風景をまとめています。

  • 癒しの漫画

    伝吉の心の隙間を埋めてくれる個性的な漫画たち。感情を揺り動かしてくれる作者の皆さんには尊敬しかありません。

最近の記事

  • 固定された記事

【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 完結編

§ 息子達へ  この二体の仏さまを彫り終えたのは、梅雨の季節には似つかわしい程の酷暑が続いていた6月下旬のことであった。完成して直ぐに、君たちのお袋さんに依頼して縮緬生地の緩衝材を作ってもらい、予てから準備していた桐箱に収めることができたのは、この親父の56歳の誕生日が間近に迫った頃合いになっていた。  それから梅雨の晴れ間を待つこと暫し。  折を見て、家から程近い場所にある田んぼの畦道で仏さまの記念撮影をすることが叶った。君たちは「何故に畦道で?」と疑問に思うだろう。そ

    • 【日常】たまには夫婦で思い出巡り

       先週の木曜日(9月12日)、久しぶりに嫁さんと休みがあったので、気分転換と平素の慰労を兼ねてドライブすることにしました。目的地は、仙台市に隣接する七ヶ浜町という仙台湾に面した町で、私達家族にとっては思い出深い場所になっています。 § 子ども達との思い出が残る港  今回、私達が訪れた七ヶ浜町は、その名が示している通り七つの浜(湊浜・松ヶ浜・菖蒲田浜・花渕浜・吉田浜・代ヶ崎浜・東宮浜)からなる小さな海辺の港町です。  仙台市に近接しており、我が家から車で1時間足らずで行け

      • 【本という名の大樹】大好きな絵本#02

         先だって「仙台にも秋の訪れが〜」などと書き綴ったものの、翌日からは連日の30℃超え。せめてもの救いは「朝夕の涼しさ」とでも言えれば良いのですが、実際には秋風ひとつ吹くことはなく、相も変わらず高温多湿の熱帯夜。どうやら、睡眠の質が改善することは今暫くなさそうです。 § 大好きな絵本#02 それでは早速「大好きな絵本」の二回目となる備忘記事を綴らせて頂きましょう。今回は「山を舞台にした絵本」という括りで三冊の絵本をセレクトしてみました。いずれも心温まる素敵な絵本ですので、お時

        • 【日常】初めての帯状疱疹 / とんだ回り道をした話

           朝夕の涼しさと乾いた空気。ここ仙台にも秋が訪れてきたようです。  本日も東奔西走しておりましたが、頭上に広がる青空は心なしか秋めいてきて・・・って、此度はそんな清々しい話題ではありませんでした。  とにもかくにも、興味のある方はどうかお付き合い下さい。 初めての帯状疱疹 / とんだ回り道をした話 体調が芳しくなかったこの夏。  大きな要因のひとつには「度を越えた連日の酷暑」があるのでしょうけれど、落着いて考えてみると、五十半ばという年齢的な問題に加えて、性質の異なる要因が

        • 固定された記事

        【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 完結編

        マガジン

        • 記憶より記録
          43本
        • 日常
          17本
        • 本という名の大樹
          38本
        • 目下 製作中!
          33本
        • 癒しの漫画
          87本
        • 親父のスクラップブック -息子達へ-
          14本

        記事

          【記憶より記録】図書館頼み 24' 8月

           酷暑に心底泣かされた今夏。  自身の有様を一言で綴るならば「体調が崩れた夏」といった感じです。とにもかくにも、苛烈な酷暑に加えて、目・首・肩に優しくない仕事があいまって、予期せぬ症状に悩まされる日々が続いています。もはや、これまで行ってきた対処・対策では不足してきた感がありますね。  早くも来年の酷暑を想像して萎えてしまっている伝吉小父でした。  その様なわけで、相も変わらず乏しい「図書館頼み」ではありますが、読書時間の質は低下していないのが唯一の救いと捉え、8月の「図書

          【記憶より記録】図書館頼み 24' 8月

          +3

          【目下 製作中!】秋に焦がれて

          【目下 製作中!】秋に焦がれて

          +2

          残暑見舞い『天然かき氷はいかが?』

           残暑お見舞い申し上げます。  何の因果か、今に至って梅雨に逆戻りをしたような湿気と、熱帯然とした酷暑に白旗を挙げるばかりの私。もはや、風前の灯火です。  と言ったところで、拙 note の稀有で酔狂で賢明なる読者の皆様に、残暑見舞い方々「本物の涼しさ」をご提供させて頂きたく存じ上げます。  どうぞ遠慮なさらずに、ヒヤヒヤ、ドキドキして頂ければ幸いです。   一瞥して「看板に偽りあり!」と声を上げた方。それは本当に正しいご指摘だと思います。けれども、この私奴が「天然氷を使

          残暑見舞い『天然かき氷はいかが?』

          【本という名の大樹】大好きな絵本#01

           いよいよお盆休みが迫ってきました。  そんな時節に頭をよぎるのは、本棚を占拠している蔵書や押入の中を埋め尽くす様々な荷物の整理です。それは云わば「宿題」であり、自ら解決しなければなりません。とかなんとか言いながらも、整理(分別・処分)する気持ちになれないのが、実は思い出深い絵本の数々だったりします。  さりとて、いずれは家族の判断によって処分されるのは必至。そう考えると、絵本に育ててもらった一人の人間として、何某かの思いを遺しておくべきだと考えた次第です。  と言うわけで

          【本という名の大樹】大好きな絵本#01

          【目下製作中!】誰かの後姿 #2

          【目下製作中!】誰かの後姿 #2

          【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

           我がアトリエの坪庭の地面から生まれ出た蝉君たちが一斉に鳴き始めました。いよいよ、本格的な夏が始まるようです・・・と思えば、隣県の山形・秋田では、未曽有の大水害が・・・。今はただ、被災した方々に一日も早い心の平安が訪れることを願うばかりです。  とまれ、こうした自然災害に際しては、国が喧伝してきたお題目「国土強靭化」が空虚に響くと同時に、その言葉を具現化していくことの困難さを痛感させられるばかりです。(ない頭が知恵熱を起こしています。)  さて、夏の近況をば少々綴らせて頂き

          【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

          【思い出ぼろぼろ】真正面から向き合う

           過日 56歳 になりました。  年に一回、年嵩を増すことに今さら不満はありませんが、誕生月が近づいてくると、知らず知らずのうちに「己の来し方と行く末」に思いを巡らす時間が増えてしまい、それに気付いて苦笑いしている自分がいます。 真正面から向き合う1:万を治むる仏さま  誕生日を迎える頃になると、アトリエの本棚の一番上に飾ってある『万治の石仏』の写真を見上げることが増える。  このモノクロ写真は、今から30年程前(1995年頃)に長野市で仕事をしていた私が、余暇を使って旧

          【思い出ぼろぼろ】真正面から向き合う

          【日常】和三盆

          【日常】和三盆

          一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

           先頃、出版デビューを果たした笹目いく子氏の作品「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」を拝読させて頂きました。僭越ではありますが、折角の御縁ゆえ、感想を認めておこうと考えた次第です。 ※本稿は「あらすじ」をなぞる類のレビューではありませんが、登場人物や肝となる事柄に言及しているため、本作品を真っ新な状態で堪能されたい方は読まない方が無難かと存じ上げます。なお、本稿の画像は拙蔵書からスキャンして掲載しております。あしからずご理解下さい。 「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖

          一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

          【日常】母よりも軽い父

          【日常】母よりも軽い父

          【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 中編

          § 息子達へ  この観音様を彫刻している間、穏やかな五月晴れが続いていたことを伝えておこう。君たちの親父は、アトリエの入口から淡く差し込んでくる陽光を浴びながら、心静かに手を動かし続けることができたのである。  こうした製作過程に低音しているであろう無形の存在もまた、完成した観音様から発露することを願うばかりだ。  観音様の荒彫りを終えると、台座の役割も兼ねる木蓋の製作に入った。  勿論、別な部位から木取りして拵えるような無粋なことはしない。予てから、観音様を彫る材料を縦

          【遺す物語】親指小仏観音立像 / 親父の独り語り 中編

          【本という名の大樹】三冊揃い踏み

           此度は、note というフィールドで交流を賜っている筆達者さんたちの作品が手元に届いたというご報告をさせていただきましょう。  こうして三冊揃ったのが一昨日のことでしたから、熟読は未だ先の話になりますが、今から「ドキがムネムネ」しております。  何はともあれ、日々の変わらぬ営みの中で、かような刺激を賜れるのもまた物理的な距離をものともしないネットならではの効能かもしれません。  それでは、僭越ながら簡単なご紹介をば … 。 1:独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖笹目いく子

          【本という名の大樹】三冊揃い踏み