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イベント・お出かけメモ#38「熊野古道・伊勢路「通り峠」と丸山千枚田」(クラブツーリズム)

丸山千枚田を訪れるツアーであること、そして、クラブツーリズムの団体旅行専用列車「かぎろひ」で最寄り駅から参加できるツアーが好きなので、今回こちらのツアーに参加しました。

丸山千枚田は、とっている新聞で時々紹介されており、特に丸山千枚田オーナー制度には関心を持っていました。子どもは保育園に恵まれていて、田植えと稲刈りの体験をさせてもらったこともあり、コメ作りには多少は関心がありそうなので、オーナーに申し込もうと思ったこともあります。ただし、オーナーになったとして各種イベントに参加できるのか、そこへ行くまでの道はどんな感じなのか、そもそも丸山千枚田とはどのようなものなのか、といったことが気になり、自宅から車で行ってみようかと思いながらもそのままになっていたのでした。

さて、クラブツーリズム東海圏出発のツアーは名古屋駅集合であることが多く、たとえば名古屋駅8時出発だと集合時間は7時40分、最寄り駅の津駅から名古屋に向かうと家を出るのは6時前となるため、興味をもったツアーであってもそこまで早起きしては行かなくてもいいかという理由で見送ることはよくあります。

その点、津駅からの途中参加が可能だと、たとえば名古屋駅出発が7時だとすると津駅出発は8時過ぎになります、帰りも名古屋到着が21時半だとしても、津駅到着は20時前になるので、集合・解散の両方においてとても便利です。日程などが合えばという条件がつきますが、津駅から参加できるツアーがあった時は出来る限り参加して、ニーズがあることをアピールしたいと思っています。

「かぎろひ」を利用するのは今回で3回目。1回目は大和八木駅で上下車してそこからバスで高野山に向かうもの、2回目は樫原神宮駅で上下車して飛鳥路のウォーキングを楽しむものでした。3回目の今回の、少し残念なところは、コース的にわかってはいたのですが、松阪駅で上下車するため「かぎろひ」乗車時間が約20分ということでした。

今回の行程は、
「かぎろひ」で、近鉄名古屋→桑名→近鉄四日市→津→松阪。松阪からバスで①世界遺産・花の窟神社→②熊野古道・伊勢路「通り峠」ハイク→③丸山千枚田→花の窟(→時間調整もあって立ち寄った尾鷲の魚屋さん?)→松阪。ここでまた「かぎろひ」に乗り込み、松阪→津→近鉄四日市→桑名→近鉄名古屋、というものでした。

「かぎろひ」、「丸山千枚田」、「熊野古道」といったキーワードでいいなと思って申し込んだのですが、こちらは分類としてはウォーキングではなく、「ハイク中級」でした。昨年までは「ハイク初級」だったらしいのですが、丸山千枚田を見下ろすことができる展望台までの道などがちょっとハードということで「中級」になったそうです。6kmくらいだし、「登山」と分類されていないから、まあ、大丈夫じゃないかと思いつつも、座職で街歩きは好きだとしても基本的にインドアなので果たして「ハイク中級」は大丈夫なのだろうかと、日が近づくにつれて少し不安になったりもしました。

そして2月上旬の週末は、今季最大の寒波が来ており、雪が珍しい津でも時間によっては吹雪いたり、うっすらと雪が積もったりしていたので、そもそもツアーはキャンセルにならないのか、仮に催行されたとして、雪山ハイクになるのだろうか、その場合はどのような服装が望ましいのだろうか、と心配になってきました。もともと寒さにはめっぽう弱いので、いざという時に備えて、上下が分かれたタイプのレインコートなどの他に、防寒グッズなどを荷物に追加したりしました。

先に言いますと、丸山千枚田がある場所は熊野では寒い方とはいえ、熊野自体が冬でも割と温かい場所だったので、防風対策さえしておけば防寒の方はそれほど心配しなくてもよかったみたいでした。ハイキングツアーに参加しなれている人が多く、典型的なハイキングのファッション(女性の場合、下はジャージもしくはレギンス、スポーツブランドの薄手の服を重ね着している感じでアウターもダウンブルゾンみたいな感じ)でした。ハイキングツアーに今後も参加する場合はそういう服装を準備しようと思いました。

津駅から乗った私たちを含む3名、松阪から参加する1名を含む参加者38名で、添乗員さんは、昨年定年退職後の再雇用先を退職して、年金を受給しながら無理ない範囲でこちらの添乗員として働き始めて7か月目という男性、三重交通のバスの運転手は女性でした。路線バスでも未だに女性運転手は少ない方だと思うのですが、ツアーのバス運転手さんが女性というのは初めてでした。

松阪駅で「かぎろひ」を下車し、バスに乗って熊野の「花の窟神社」へ向かいます。途中、1時間ほどバスを進めた「始神テラス」で休憩時間を取り、お弁当を積み込ます。お弁当はバスの中、あるいは次の「花の窟神社」の道の駅で食べて下さいということでした。熊野のおいしいものをちょこちょこいれてくれたお弁当でした。量も丁度良かった。

お弁当

花の窟神社に到着。
花の窟は、神々の母である伊弉冊尊(イザナミノミコト)が火神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵だそうです。https://hananoiwaya.com/hananoiwaya/iwaya_index.html

三重県の世界遺産ということで一度来てみたかった「花の窟神社」
見上げる巨石
大谷翔平選手が合宿で2度来て、触っていったらしい岩だそうです

火山がないのに温泉が湧き出る紀伊半島について、添乗員さんのお話によれば、それは太古の火山の影響だそうですが、巨石や切り立った岩を見ると、それを実感します。

花の窟神社のとなりが「道の駅」熊野・花の窟でした。食事処や物品販売所がありました。休憩時間を利用して道路の向こうにある海岸に行きました。砂浜ではなく石浜ですが、小石がそれ以上磨く必要がないくらい丸くなっていました。

七里浜といって良いのでしょうか、花の窟神社前の海岸です
太平洋という感じの良い海です
振り返って見る花の窟神社

「花の窟」の道の駅から30分ほどバスに乗って通り峠のハイキング入口に到着しました。ここで38名は3グループに分かれ、それぞれに現地のガイドさんがついてくれてハイキングを楽しむことになります。この週の寒波、特に前日にはこのあたりも雪が降ったということで、この日の開催が危ぶまれたり、道に雪が残っていていつも以上に滑りやすくなっていたらどうしようかという心配をガイドさんたちはしてくれたみたいです。

グループによって杖を貸し出してくれたり、あるいは滑り止めとして靴に結びつける縄を準備してくれました。「中級」ハイキングの場合は、ハイキング用の滑り止めがしっかりした紐靴(スニーカー)が望ましいのだそうです。

「通り峠」は、那智の大門坂とは全く異なる山道という感じの古道でした。

「通り峠」入口近くの石畳。


このあたりの「神木流紋石」はどういうものなのか教えてもらうのを忘れていました。

「通り峠」は、吉野方面へ向かう北山道なのだそうです
クマよけのベルがところどころに置かれています
子安地蔵

 子安地蔵から展望台までの上り道は確かに「ハイキング中級」という感じでした。子安地蔵までの道がウォーミングアップみたいなもので、この段階でしんどい人はここで待っていて下さい。ガイドもここからいきなり黙りますが、それはハードな道を上るのに集中するためです、といったことを言っていたような気がしますが、確かに、足を上げて上らなければならない道でした。展望台まであと100段、あと75段といった案内がありましたが、「あと75段」ではなく、「まだ75段」という感じでした。ただ、他の人が黙々と上っていくのでここで断念するのもなんだかなぁと思いつつ、がんばって展望台まで登りました。体力には自信がないので、ここにもう一度来るかと問われたら、多分無理です、と答えると思います。

展望台。
展望台から見下ろす「丸山千枚田」
展望台から子安地蔵まで戻ります。

展望台からはひたすら下り道。足を上げる必要がなくなる分、楽にはなるのですが、膝がかくかくしてきます。ようやく舗装された道路に到着し、なだらかな道を進んでいくと、丸山千枚田に到着します。

添乗員さんがバスの中で説明してくれたことによれば、棚田で有名なのは、石川県の能登、長崎県の平戸、愛知県の新城、そしてこちらだそうです。

山を切り開き、石を積み上げてひとつひとつの田んぼを作っていった先人たちの気力と労力に感服するしかないです。

丸山千枚田。

平成には800枚くらいに減っていたそうですが、保存会の活動のかいあって現在では1300枚位だそうです。丸山千枚田保存会のオーナー制度についてガイドさんが説明してくれました。1口3万円で、稲作に関するイベント参加(1口につき10名まで参加可能)、温泉利用権10枚、そしてお米が10キロと、魅力的だという印象を受けました。

パンや麺類よりもお米が好きなので、お米に関する活動には無理のない範囲で関われることができたらとは思っているものの、ここまで車で来て、活動に参加して(泥だらけ、汗だらけになって)、そしてまた帰ることを考えると、やはり近所ではないのでおっくうに感じてしまうものがあります。ただ、イベントに参加できなくても送ってくれるお米が、山川の湧き水、寒暖差、といった点で美味しいらしく、そのお米と棚田の風景を守るための3万円ということを考えると、やはり悪くはない気がします。悩むところです。

ポツンとある「大岩」
前日の寒波の名残で風車に氷が残っていました
日陰の道路には少し雪が残っていました
丸山千枚田の見納め

6キロ弱のハイキングを終えると、帰宅の途につくことになります。行きに立ち寄った「道の駅」熊野・花の窟の小休憩でみたらし団子の振る舞いを受け、日帰りハイキングツアーに関するアンケート協力のお礼として一木木綿のハンカチを受取りました。

「かぎろひ」利用の場合は、バスとは異なって発着時間が確定しています。そして「かぎろひ」に乗り込む松阪駅は、周囲にお弁当などの食事を買い求める場所がほとんどないため、添乗員さんがドライバーさんと相談して、尾鷲のお店(「おわせお魚いちば おとと」だったでしょうか。店の名前をチェックし忘れました。)に立ち寄ってくれました。

「かぎろひ」で帰路につきます。

松阪から「かぎろひ」に乗り込み、津駅下車なので帰りも20分程度の乗車時間でしたが、無事に津駅にたどり着きました。今期最強寒波の到来の影響でツアーが催行になるのか心配になったり(高速道路が通行止めになった影響でこの日とその前日のバスツアーは中止になるものが続出したそうです)、「ハイキング中級」の意味をよく考えずに参加したため体力的に少し心配になったり(さすがに翌日から数日は筋肉痛になりました)しましたが、歩くこと自体は好きなので楽しかったです。

最近は、いろいろ詰め込むツアーよりも、訪問先を絞ってそこでの滞在時間を長めにとるツアーが増えてきたそうです。そういう目的を絞ってじっくり楽しめるツアーや、「かぎろひ」に最寄り駅から乗り込むことができるツアーに今後も参加してみたいと思います。