江沢 洋(えざわ ひろし、1932年6月2日 - 2023年9月10日)物理学者 / 著書から かってに選書 /追悼
§1
江沢 洋 さん
(えざわ ひろし、1932年6月2日 - 2023年9月10日)
物理学者。
§2
江沢 洋さんの著作から
かってに選書。
(面識はありませんが、”さん”付けで書きます。)
・『だれが原子をみたか』岩波科学の本 1976年 のち岩波現代文庫
-- 象徴的な書名。(だれが「みた」のでしょうか。原子って見えるのでしょうか? )元々の、岩波科学の本(シリーズ名)の本が見やすい。なぜなら判型が大きく、図版、グラフや写真が色々あるので。
パスカルの真空の実験を行い、その写真が載っていたり実験中の色々なども書いてある。ゆっくりと読むには良いと思う。後半は高校生には難しいのでは。多数の図版があるので、読めなくても見てたら楽しいかも。なお実験の様子の写真(の一枚)には著者も映っている。
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・『フーリエ解析』朝倉書店
-- 物理学者 江沢洋さん が書いた数学の本。(講談社のシリーズ 理工学者が書いた数学の本 が元。)ラプラス変換も扱う。付録では無限和と積分の順序交換について述べるなど数学でも丁寧な叙述。
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・『物理学の視点』培風館 1983年
-- 後半には、ブラウン運動と確率微分方程式の章がある。この本、最初は力学を扱っているのに!! この著者だからこそ書ける本。
様々な内容が詰まっている本。確率微分方程式の文章で「保江邦夫」の名があるが、wikipediaでの記事があるその人だろう。
前半には力学を扱う「高校物理に微積分の思想を」を副題とする各文章が収められていて、これがお勧め。 (江沢洋選集の複数の巻に分けられて収載されている。)
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・『よくわかる力学』東京図書 1991年
-- 分厚い本。静力学から始まっている。読み手のかじりついていく力、忍耐(? 根性?)が必要。受験参考書とは違う趣の書。なので、高校生の最初の本としては疑問だが、ゆっくりと読むには良いと思う。大学生向き?(と言えば良いのか?)。分厚いので冗長と受け取られるかも。(『初等力学』碓井恒丸, 小沼通二, 江沢洋 共著 弘文堂 1959年 、の加筆版)
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・『物理は自由だ 1 (力学)』日本評論社 1992年
・『物理は自由だ 2 (静電磁場の物理)』日本評論社 2004年
-- 『物理は自由だ』シリーズ続刊が出なかったのは残念。
§3
江沢 洋さんの本は、わからせようとする姿勢に満ちている。開くと図解の多さなどからもこれが感じ取れる。数式を使う記述だが、読者を置いてけぼりにしない姿勢は、強く印象に残る。
§4
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