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作りたての団子は、もはや別物

みたらし団子は、食べるタイミングによって別のモノになると私は考えている。

店頭に並んでいる団子は、基本的に冷めている状態の物が多い。
そのため、冷たいみたらし団子を食べることの方が一般的だと思う。

冷たいままでも、黄金色をしたタレからは、焦がした醤油の香りが、しっかりとする。

手に持った時もずっしりと重量感があり、食欲をそそるのは間違いない。
口に入れた瞬間、ひんやりとした冷たい団子の食感が妙に心地良さを与えてくれる。

慌てて食べても火傷しなくて済むのもありがたいね。

なんと言っても、冷めて固まった団子は弾力があり、噛んだ時にプツンと歯切れの良さを感じさせてくれる。

そして、後からドロした固形状になっている醬油タレの甘じょっぱさが口に広がっていく。

完食後、甘さが口の中に残らないのは醬油のおかげなのだろう。

その一方で、出来立てのみたらし団子は、冷めた物とは違った印象を受けるのだ。

香り立ちから、すでに違う。ムワッと鼻全体を覆う醤油の香ばしさが強く感
じられる。

その自己主張の強さに、思わず胃袋が活気つく。出来たてゆえに、みたらし部分はトロトロしていて、艶々したようにイキイキした色合いに見える。

念のため、少し冷めてから口に運ぶ。
出来立てのお餅を歯で押しつぶすとモチモチした食感。

それでいて、焼き目の部分はカリっとした食感を残している。
このモチモチした中に、カリカリした食感が混ざり合い非常に愉快なアクセントになる。

そして、後から、程よい熱を帯びたドロッとしたみたらしのタレが口の中を包み込む。
一瞬にして口の中が甘さで満たされていく。まさに幸せの一時。

このように食べるタイミングによって、香り・食感・味など変わるから団子は奥深い。

だが、より団子を美味しく食べるためにも、乗り越えるべき壁がある。

それは串に刺さった団子の3つ目どうやって食べるかだ。
2つ目までは、上からそのまま食べることができるだろう。

しかし、3つ目になると上からいくのは危険だ。
串の先端が喉に刺さりそうになるため。

統計を取っていないからわからないが、王道の食べ方は横から食べることだと思う。

確かに安全ではあるが、若干食べにくさもある。
それに串に微妙に団子が残ってしまうのも何だかもどかしさを感じる。

どうにかして、スムーズな食べ方はないだろうか、と考えた末に見つけたシンプルな方法がある。

その方法は簡単で、持ち手を逆にするだけ。
つまり、先端が尖った方に持ち変える方法だ。

3つ目の距離も近くなり、スムーズ食べることができる。
我ながら画期的なアイデアだと思うのだが、どうだろう?


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