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恥じらいながらもひとりで参鶏湯を頬張る!
「意外、あの人は英語ペラペラだなんて…」
「えぇ、そんな趣味があったなんてビックリ!」
このように、人は第一印象から自分勝手に相手を判断していることがあると思う。考えれば失礼な話である。
しかし、そこはお互い様ということで。
よく人は見た目では判断できないと言われるが、それは食べ物も同じだと思い知った。
例えば、外食に言って運ばれて来た料理を見て、その見た目から総合的に美味しいのか判断していくだろう。
はたまた、料理名しか記載されていないメニューを見て、頭をフル回転して少ない情報からイメージするしかない。
都合の良いイメージを持つと運ばれてきた時に生じるギャップも大きくなる。特に気を付けたいのが、初めて食べる物。
イメージや外見に惑わされてはいけない。
最近、自分は参鶏湯を食べることがあったのだが…。
それまで名前は聞いていたけど、実際に食べたことがない。
そのため、思い込みが凄かった。
たまには、異国の文化も味わうのも悪くないと思い、何気なく立ち寄った韓国料理屋でフッと目に留まった参鶏湯を食べることに。
恥ずかしながら、勝手なイメージで参鶏湯を、豚骨ラーメンのようなものだと思って待ち構えていると。その姿に衝撃が走る!
鍋料理だったのか…。
残念なことにメニューには名前しか載ってなく、思いっきり自分のイメージを頼りに注文してしまった。
値段がラーメンの相場くらいだったのも惑わされた要因の1つだ。
運ばれて来たのは一人前と思われる小ぶりで黒い陶器の鍋。
すでに蓋は外されており、白濁としたスープの上にニンジンやシイタケ、チンゲン菜などの野菜が彩りよく並んでいるのが確認できる。
いや…もしかしたら下に麺が隠れているのではいかと、野菜をかき分けて箸先を沈ませてみた。
何か柔らかい塊には出会うのだが、探している麵と思われる感触が得られない。この時点で、完璧に鍋料理だと理解したのであった。
ファーストコンタクトでは出鼻をくじかれたけど、気持ちを切り替えて味を楽しもうではいか。
白濁としたスープは豚骨を思わせるような色合いに感じる。
香りは木の幹を潰したような、漢方のような独特の匂い。
日本料理にはない香りに少しひるむ。
まずはその濃厚そうな見た目をしているスープを飲んでみようとレンゲですくって口に運ぶ。
ズーズーと熱さと格闘しながら、飲んでみると、その見た目とは裏腹にサッパリしているではないか!
またしても、イメージや固定概念が邪魔なものなのか思い知らされた。
あっさりとしたヘルシーな味付け、鶏をベースに作られているからだろう。
野菜もバランスよく食べられる。
精進料理を進化させたようなものだと思いながら、箸を進める。
スッキリした口当たりなので、サクサク食べ進めてしまい、やや物足りなさを感じた。
いちおう締めのうどんを入れて食べたのだが。
スープがさっぱり系のため、こってり系が好きな私には役不足だったかな。
ほんと、料理は食べるまで、その味がわからない底力がある。