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小1の息子と「学校が嫌や!」「そんなこと言わんと、もっと楽しいこと考えたら!?」というやり取りをしてしまった自分が反省した理由

最近とにかく息子が不機嫌なんです。小学校1年生になった息子ですが、夏休みが明けて、お腹を壊して1回学校休んでから、朝起きるたびに、「学校にいきたくない。休みたい」と言います。「なんでなん?」と聞くと、「学校で○○先生にめっちゃ怒られるもん!」とか「全然当ててくれへんねん!」とか、「鍵盤ハーモニカ持っていくのおもすぎていやや」とかを怒りながら言います。

そこで、僕たち夫婦はおだてたり、のせたり、たまには叱ったりいろいろ試すのですが、叱ったら必ずさらに怒ってしまい、その様子を見ている妹にあたり散らすという日々です。

そうなると、妹が泣いてしまい、僕たちが息子を怒るという日々が最近繰り返されています。

んーどうしたものかと思い、とりあえず、積ん読していた本を読んでみると結構現状に対して的を得ていたので、書いています。それは以下の本です。#大河原美以

大河原美以さんは臨床心理士で子どもの心理療法や家族療法を研究されている教授です。

この本のはじめの一文がまず印象的でした。

怒りにふるえる子どもたちは、深い哀しみを抱えています。
哀しみをそのままに表現できる子どもは、
やさしくしてもらうことができますが、
怒りという形で表現する子どもは、いつも叱られます。

昨日も叱ってしまい、泣いている息子を思い出し罪悪感です。。。

この本には、ポジティブやネガティブな感情の社会化ができるように養育者が支援をしていく必要があると述べられています。

感情の社会化とは、体を流れる混沌としたエネルギーとしての感情が、「ことば」とつながり、「うれしい」「たのしい」「かなしい」「くやしい」「怒っている」といった「ことば」を使って、自分の身体の中で起こっていることを他者と共有することができるようになること

ここで大事なことは、「うれしい」とか「たのしい」といったポジティブな感情だけでなく、「かなしい」「くやしい」「怒っている」といったネガティブな感情を出すことが悪いことではないことを理解させて、言葉で表すことができるようにしていくことが大切だと述べられています。

この本で問題として上げられているのは大人の言う「思いやりを持ちなさい」という言葉だけの言葉かけによって、子どもたちは思いやりというのがどういう感情のときに出すべきなのかわからない。大人は感情の社会化が完了しているので、暗黙のうちに、子どもも分かっているものとして言葉だけで言葉掛けをしてしまうようです。まさに、自分のことだと思いました。。。

自分が悲しい顔をしているときに、「悲しいんだね」と応じてもらうことができた子どもは、悲しそうな表情をしている友達を見たら、その子が「悲しい」のだということがわかります。そして自分の「悲しい」という経験と照合することができます。そうすると、そこであらたに「かわいそう」といった感情を身体的に経験するということが起こります。そこに「思いやり」が生じるという関係が生まれるのです。

つまり、子どもがしっかりと感情を出せるようにすることが大事であり、その感情にも階層があるようです。

「うれしい」「たのしい」「かなしい」「怒っている」「うらやましい」という個人の基本的感情が獲得されること、それがまず第一段階です。「思いやり」「かわいそう」「助けてあげたい」のような他者に対する感情とは、その上で発達する二段階目の感情なのです。一段階目が獲得されていない子どもは土台がないので、二段階目は構築されていきません。

では、どうやって感情を出せる子どもに育てていくかについてですが、

感情の発達、すなわち社会化のプロセスにおいては、親や重要な養育者との相互作用、コミュニケーションがきわめて重要な役割を果たしていると考えられる。

と述べられており、どういったコミュニケーションをしていくかについては

鯨岡(1997)は乳幼児期の親子の原初的コミュニケーションのありようを2つのパターンに分類している。養育者が子どもの感情のそばに入り込み、子どもに合わせる状態を「成り込み」と言い、逆に養育者が子どもの感情を大人の願う方向に向かって調整することを「巻き込み」といった。

と述べられています。
今で言う「成り込み」は「受容」あるいは、「共感」であり、「巻き込み」は「しつけ」です。
そこで、昨日の自分の息子とのやりとりを思い出すと

息子:「学校が嫌や」
私:「そうなん!?でも、嫌嫌言うだけやったら、なんにも変わらへんし、楽しいこと考えたら?」
息子:「楽しいことなんて一個もなかったし!!」「あーイライラするー」

僕がやっているのは、「巻き込み」だと思われます。息子が嫌だと感じていることに対して、ある意味、無理やりポジティブにさせるように調整しています。

この「巻き込み」ばかりやっていると、子どもは、大人の前で「良い子」を演じるように成り、ネガティブな感情を出すことはだめなことと思ってしまい、ネガティブな感情を自分の心の奥底にしまって、出さなくなってしまいます。それをずーっと溜め込むと、どこかで、破裂してしまい、非行に走ったり、暴力に走ったりするようです。

つまり、最近僕は巻き込みばかりやっていることを気付かされました。基本的に僕はポジティブなので、そういう考え方を息子にも持ってほしいと思って「巻き込み」をしていましたが、まだまだ息子には第1段階目の感情が整っていないため、ネガティブな感情を認めていきたいと思います。

ただ、先日、火垂るの墓を見た時は号泣していたので、「かわいそう」という感情が芽生えつつあるので、少しずつ「成り込み」と「巻き込み」のバランスを考えながらコミュニケーションを取っていきたいと思いました。

以上、自分の息子に対する行為を反省した話でした。こういった悩みを抱えておられる方は多いかもしれません。子どもたちの未来のために、一緒に子育てを楽しんでいきましょう!!


ちなみに、大河原さんは以下の本も出されています。


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