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登山者のための足の臭い対策完全ガイド

山で会ったらこんにちは!低山ハイカー英武ゆうです!

今回は避けては通れない、でもなかなか話題にしづらい「足の臭い」について、科学的な観点から対策を考えていきたいと思います。これは私個人の問題ではなく、多くの登山愛好家が直面している課題だと考えています。

なぜ自分の足の臭いに気付きにくいのか

実は、自分の足の臭いに気付きにくい理由が科学的に説明できます。人間の鼻の奥にある細胞が臭いの分子を捉え、その情報を脳に伝えることでにおいを感じるのですが、加齢とともにこの細胞が衰えていきます。男性は60代、女性は70代頃から特に低下が顕著になると言われています。

興味深い研究結果として、マンダムの調査では、足の臭いの主成分である「イソ吉草酸」に対する感受性に、年齢と性別で大きな差があることが分かっています。特に20代の女性は、40代の男性と比べて著しく敏感だそうです。つまり、自分では気付かなくても、若い女性には強く感じられている可能性があるということです。

足が臭くなる仕組み

足の臭いの原因は、大きく分けて足自体の問題と靴の問題があります。

足の問題の中心となるのは、汗と雑菌の関係です。実は汗自体には臭いがありません。足に常在する菌が汗を分解することで、例の「イソ吉草酸」という臭い成分が生成されるのです。また、足の角質も菌の栄養源となり、水虫の原因となる菌が繁殖する温床にもなります。

靴の問題としては、靴自体が汚れて雑菌が繁殖し、それが足に移ることで悪循環が生まれます。特に登山靴は、一般的な靴と比べて以下の理由で臭いが発生しやすい環境にあります:

  • 厚手の靴下を使用する

  • 防水性の高い素材で通気性が制限される

  • 長時間の使用で蒸れやすい

角質の役割を理解する

角質は臭いの原因の一つとして語られがちですが、単純に除去すれば良いというわけではありません。角質層には重要な役割があります。皮膚の断面を見ると、最上層の角質層の下にはいくつもの層があり、これらは保湿やバリア機能に関わっています。

さらに、皮膚には「良い菌」も存在します。グリセリンを生成して皮膚を保護する菌も角質層に住んでいるため、過度な角質除去は皮膚の防御機能を弱めてしまう可能性があります。

効果的な対策方法

実際の対策として、特に注目したいのがミョウバンです。ミョウバンには以下の三つの重要な作用があります:

  1. 収斂作用:タンパク質を変性させて肌を引き締め、バリア機能を高める

  2. 殺菌作用:酸性環境を作り出し、有害な菌の繁殖を抑制

  3. 消臭作用:金属イオンによる化学反応で臭いを中和

市販品では「グランズレメディ」という商品が有名で、ミョウバンを主成分とした粉末を靴に振りかけて使用します。7日間の使用で約半年効果が持続すると言われています。

価格が気になる方向けに、自作レシピも紹介されています。ミョウバンとタルクを4:1の割合で混ぜる、あるいはベビーパウダー(タルク入り)とミョウバンを混ぜるなど、様々な工夫がされています。


より詳しい消臭対策については、YouTube「低山ハイカー英武ゆう」チャンネルでご紹介していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。みなさんと山でお会いできる日を楽しみにしています!


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