弟子規研究所は子育てを頑張るパパを全力で支援します!②
前回、子育てプランにおいて大切なのは「德才兼備(先に徳育として自己認識力や人間関係構築力を高め、その次に才能開花)」という順番が大切と書きました。またパパの子育てに重要な人間関係として「五倫(5つの関係性)」をご紹介しました。今回は自己認識を深めることについて書きます。
【復習】徳育の実践と学びの順番を示す『大学』
儒学の基礎学習においては「四書五経」という、今でいうシリーズ本がありますが、その中で一番最初に読むべきとされているのは『大学』です。「明明徳」「親民」「止於至善」の三綱領と「格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下」の八条目などが書かれています。
この『大学』の八条目の最初の4つである「格物、致知、誠意、正心」では自己認識を深め、改善し、そして心を清らかに静かに保つことを目指します。後の4つである「修身、斉家、治国、平天下」は人間関係構築力を高める順番とその因果関係を示しています。
自己認識:「格物、致知、誠意、正心」
誰もが自分が一番かわいい
東洋思想の基本は人と争わない、対立しないことです。対立や争いの根本にあるのは自分という存在が可愛すぎることです。もちろん自分は可愛いのですが、度がすぎると色んなものを独り占めしたいし、相手に自分の思い通り動いて欲しいと思いはじめます。これが大きくなれば、地球は私の為に回っていると勘違いします。今の社会にもこの現象はあり、自国や自社が可愛すぎることで対立は起きています。実際にそれぞれの立場に寄り添うとどちらも”正しい”と思うので、譲り合いがない平行線のまま、我慢できなくなると争いが始まります。なので、自分が一番かわいい!が続く限り、この世から戦争はなくなりません。
世界平和の近道
自分も可愛いけど、相手も同じように可愛いと思えるようになれば、徐々に対立は減っていきます。さきほどの「格物、致知、誠意、正心」で繰り返し出てきた、よくない念と善い念って何よ!?善悪ってどう判断するのよ?と思った方、対立を生まないようにすることが善であります。相手も可愛いければ、遅刻してもいいっか~とは思いませんよね。
余談ですが「仁」という漢字はまさにこれを表しています。にんべん+数字の二を組み合わせて、自分と相手という2人の人間は一体であるという概念です。「仁者」という言葉があります。これは自分がされたくないことを他者に施さない人のことです。
本題に戻ります。自分も相手も♥を具体的に実践するにはどうしたらよいでしょうか?前回は「父子の関係性で対立をなくしていき、夫婦円満で世界平和につなげていきます」と書きました。
◆親子では『弟子規』の「孝」の以下2点をしっかり実践します。
◆夫婦間では、以下2点をしっかり実践します。
でもせっかく善いこと実践しているときに限って、悪魔のささやきが聞こえてくるんですよね。「お父さんいま呼ぶのかい!タイミング悪いな」とか「根に持たないなんて綺麗ごと、むしろ仕返ししてやる!」など笑。それが普通といえば普通ですが、そんなときこそ今のよくない念をどのように善い念に替えられるか、ぜひ少しでも「格物、致知、誠意、正心」の順に考えてみてください。悪魔はつまらなくなって、きっとどこかに移住しますよ。
車文宜・手計仁志
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