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【連載小説】夏の恋☀️1991 シークレット・オブ・マイ・ライフ④

 もともとおれは勉強がきらいで、テストはできたが、内申点つうのかな、あれがわるかった。そういうタイプ。よく怒られたし、注意された。

 カンケ―ねえよ、みたいな。かといってヤンキーではない。ヤンキーはきらい、すごいきらい。

 おれは、目立たない、変なイキフン(雰囲気)の生徒、みたいな。

 中三のとき、担任の先生も、ほかの先生も、S高はむずかしいだろう、といった。内申点のことを言ったのである。

 親も、おまへ、思ったよりもアホだな、みたいな。家で勉強しているところをついぞ見たことがありません、と、三者面談でいっていた。するわけないじゃん、きらいなんだから。

 というわけで、高校受験は私立高校を滑り止めで受けておいて、ちょっと、どちらかというとバカですね、みたいなランクで合格はしていた。

 あとは、勝手にスレバという感じで、おれは見放されたが、いい加減に過ぎるので、おまえ勉強しろ!ふざけんな! みたいに怒られもした、父に。

 受験まで2カ月、その頃、突然おれは覚醒した。うおー、って。

 小さなころから知っていたが、おれは異常に頭の、性能がいい。臥竜みたいなタイプ。

 おれは勉強のやり方が分かったのである。突然。受験勉強のよ。

 受験勉強というのは、バカみたいに簡単である。

 一言すれば、過去問をとけばいい。何度も、何度も。まちがえたら、しめたものである。わかっていない、ということが分かる。だからそれを、覚えればよいだけ。

 同じ問題を解く。何度も何度も。それだけ。

 それで七割は、とれる。普通は。

 おれは、性能がよいので、八割とれる。普通に。よくすれば、九割とれる。

 これぐらいの点数をとれば、県内、どこの高校も、通る。

 かくして、周囲の下馬評をくつがえし、おれはS高に合格した。

 両親、祖父母、おおよろこびであった。

本稿つづく

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