シン映画日記『呪餐 悪魔の奴隷』
シネプレックス幸手でインドネシアのホラー映画『呪餐 悪魔の奴隷』を見てきた。
1980年のインドネシアのホラー映画『夜霧のジョギジョギモンスター』のリメイクで、1984年のジャカルタにあるアパートを舞台にして、住人であるリニとその家族や友人らが幽霊、ゾンビから逃れるサバイバル。
リニは大学に通うために都会のジャカルタにあるアパートに引っ越してきたが、そこで夜になると不思議な現象が起こる。
まずは1984年のインドネシアの首都ジャカルタの街並み、鉄筋コンクリートのアパート、主人公家族らの生活を見ているだけで珍しく、楽しめる。都会とは言ってもそれほど整備されてなく、日本で言えば昭和30年代、メキシコあたりでも70年代の風景で、こうしたあたりにインドネシアというか東南アジアらしさがある。
また、7割ぐらいが鉄筋コンクリートのアパートが舞台になるが、鉄筋コンクリートの建物だけどモダンさがなく、夜のシーンになると暗めになり、幽霊がいかにも出てきそうな環境としてホラー向きの物件である。
そんな最中に嵐が起こり、より脱出困難になったり、アパートの住人たちがエレベーターを使いすぎるから案の定エレベーターでトラブルが起こったり、主人公周りの人たちを追い込むのが上手い。
さらに前段階として、冒頭で1955年に起きた謎の事件を見せ、1984年の不可解な出来事がいかにも関係性がありそうに繋げる展開は良い。
主人公を女子大生のリニにしながら、高校生ぐらいの弟らな野郎軍団や弟の友達と歳上女性のアパート恋愛もあったり、リニらの集まりに父親が来たり、手話を使う少年が加わったり、限られた空間と登場人物内で群像的にサバイバルを見せる。
中盤若干間延びしたシーンがあったり、序盤に出てきたジャーナリストらしきおじさんの絡みが少なかったり惜しい部分はあるが、
インドネシアらしさを期待通り味わえるアジアンホラーの佳作かな。