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かすみは会社の中では 静かだった。 元々前に出るタイプではなかった。 目の前の仕事を淡…
かすみはいつものように眠剤の前に SNSを開いていた。 シトシト聞こえないくらいの 雨の中…
余りにも眠るかすみを気にして 月が近づいてきて 部屋を覗き込んでいるようだった。 かす…
かすみを見送り 時間がオーバーした事を詫びて 今日の出来事を整理する事なく 余韻に浸っ…
〜見つめ会えない2人〜 かすみは僕の部屋で 自分の部屋との違いに興味を持っていた。 これ…
初めて知り合ってから 十数年 世の中もすっかり変わり 変わってないのは僕たちだけだった…
中々止まない横殴りの雨が 窓を濡らす。 ベランダのとっておきの タバコの吸い場が台無しだ。 ネクタイはしても 必ず第一ボタンは付けなかった。 ワンタッチの大きな黒い傘を差して 湿った地下鉄に乗った。 特に何か思ったわけではないが 大阪から実家へ突然帰った。 新幹線は乗り心地が悪かった。 3人掛けの真ん中で雨降るレールを スーパースピードで駆け抜ける。 午後、突然実家に戻った母は驚いていた。 何があったのかすかさず聞いてきた。
クスリでヒーロー気分の僕は ある事に気付いた。 演じられている自分に酔いしれて 倫理、道徳…
それから会社を幾つか渡り歩き 人の前でプレゼンをする仕事に つき続けた。 プレゼンはか…
人の繊細な心に触れて、 心が動かない人間は ただの動物だ。 かすみが話したことは 無垢…
時代の性に対する広き門が開かれると 人間は野生と興味でお互いの違いを知る。 探究心と言…
〜剥き出しにされた自分〜 得意先で商品を説明するのに営業後、 時間をもらった。 電話が…
〜初めて襲った呪い〜 学生の時、何人かの女性と 付き合う機会があった。 いつも短命な付…
〜アウトサイダーという青臭くて美しいもの〜 高校を卒業した僕は 大学にもろくに行かず、 音楽に惚けていた。 ふと、機会があって 自室の部屋の整理をしていたら 高校のノートが出てきた。 使い込んでキャンパスの端が丸まっているノート。 中を開くと 授業の内容以上に書かれた トライバルの模様のタトゥーの 落書きだらけのノートだった。 大学に入れてもらったものの 心の中は尖っていた。 理由はない。 スーツを着ている人種が 嫌だった。