【娘におくる手紙】1歳9か月、おおきいとちいさいを知る
▼1歳8か月、親になる
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こんにちは。お母さんから、今月のお手紙です。
いま、我が家にはオランウータンのぬいぐるみがいます。
身長50cmくらい。
あなたが生まれる少し前に、「赤ちゃんとおんなじくらいかな」と言いながら買って、抱っこ紐の練習に付き合ってもらったりしました。
生まれた当初はあなたのほうが小さかったけれど、いつのまにか追いついて追い越して、今ではすっかりあなたの子分みたいになっています。
オランウータンのぬいぐるみなので名前はそのまま「オランくん」。
食事のときには相棒のように隣に座らせて、「どーじょ!」と食事を分けてあげています。
スプーンをぎゅうぎゅう押し付けるものだから、口の周りがソースやポタージュスープのあとだらけになって、何回も洗濯されだいぶくたびれています。
あなたがすっかり気に入っているので、後日小さなサイズのオランウータンも加わり、それぞれ「大きいオランくん」と「ちいさいオランくん」と呼ばれるようになりました。
(あなたはまだ呼べないので、呼んでいるのはお父さんとお母さんですが)
この間の週末、お父さんがおでかけしていたので突如思い立って、ふたりで水族館に行くことにしました。
雨だったし、近所の室内型の水族館がちょうどいいかなと。
あなたは動物が大好きだから魚にも興味を持つかもと、少し期待して出かけました。
でも魚はほとんど見ようとせず、水槽に近づくとイヤイヤと顔をそむけ、抱っこから逃げ出していくあなた。
お母さんはせっかく来たのだからと、「おさかな、おおきいねー」「こっちはちいさいのがたくさんいるねー」と何度も水槽の前に連れていったけれど、あなたの興味を引くことは全くできませんでした。
代わりに好きだったのは、水族館のなかの階段とスロープ。
飽きずに昇り降りを繰り返し、エスカレーターも何度も乗りました。
満足いくまで水族館(階段)を堪能した話を夜お父さんにすると、あなたらしいと笑っていました。
水族館はまだ早かったかー、と思っていたところ、帰ってきてしばらくするとあなたに変化がありました。
なにか大きなものをみると、手をぐるぐる回しながら「おおきい、おおきい」と言うように。
お母さんが水槽の前でしていたのと同じ仕草です。
お魚は全然見てくれていないと思っていたけど、案外しっかり見ていたのかもしれない。
そして魚の ” 大きさ ” もちゃんと理解したようです。
さらに驚いたのは、オランウータンのぬいぐるみの小さいほうを指差して「ちいさい」と言い出したこと。
「おおきいのは?」と聞くと、大きいほうを指さします。
ほどなくして、大きいほうは「オランくん」、小さいほうを「ちいさい」と呼ぶように。
はからずも水族館に行ったことが、あなたの中で大小の意味をはっきり理解し、それを言葉として表現することにつながった。
どんな経験が何につながるか分からないから、本当に興味深くて面白いです。
歩くのもすっかり頼もしくなったし、もっともっと色んな場所に行きたいなと思います。
ちなみに、キッチンではバナナを手にして不満そうに「おおきい、おおきい」と言います。
そんなに大きくないのに。
それが大きさを伝えているのではなく、「もっと大きいのがほしい」という要求だとわかった時には、子どものことばの応用力とあなたの食い意地両方に脱帽でした。
それでは、また書きますね。
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