らーめん 秋田 ひない軒(秋田県秋田市)★3.81
『ケンちゃんラーメン 秋田店』へ行くためにクルマを走らせていると、ケーキ屋さん?と見間違えるような小綺麗なお店を見つけた。
「これは」と嗅覚が発動し、調べてみると、比内地鶏を使ったラーメン屋さんであることを確認。オフィシャルサイトをチェックすると、一杯のラーメンに対するこだわりがハンパない。
次の日、10時の開店に間に合うよう、来訪。雪が散らつく平日にもかかわらず、駐車場にはクルマがどんどん入ってくる。自分が先頭、後ろには10人ほどが並ぶ。ほら、案の定、人気店だ。
まず食券を購入。醤油らーめんをオーダー。
それにしても、店内は清潔感がある。明るい。ラーメン屋さんにはめずらしい、吹き抜けになっているのだ。
店主のこだわりやお店の設立経緯が書かれたポスターが多数貼られていて、見ているだけでワクワクしてくる。
要点をかんたんにまとめてみよう。
■スープの基本は、グルタミン酸(親鶏、比内地鶏の丸鶏、皮・脂)、イノシン酸(かつを節、煮干、豚肉)、香辛料(ネギの青い部分、ショウガ、玉葱)、甘み(キャベツの芯、リンゴ)。
■鶏ガラ、豚コツは旨み成分が少ないため、原則として使用しない。
■″旨みの強さ″にこだわり、あくまで店主自身の味覚に合ったスープづくりを45年続けている。
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ということで、こだわりの一杯がこちら。
何この息をのむ美しさは…。比内地鶏の脂がゴールドに輝いてるよ。
ビジュアルの美しさとは裏腹に、脂がギトギトなのかな、くどいのかな、と想像した。しかし、スープをひとすすりして驚いた。やさしい。脂がスッと溶けていく。口にまとわりつかない。そして、化学調味料ではない旨みがここまでとは。
少々感じる苦味は煮干だろうか。野菜・果物の甘みもちゃんと感じる。一つひとつの素材の旨みを感じつつも、それぞれが主張するわけではなく、まとまりがある。
麺は中細ストレート。加水率はちょい高めのようにおもう。このスープなら、無限に食べられそう。
メンマの主張は強くない。ごく一般的な味と固さだ。脂の旨みに、アクセントのネギがとてもよくマッチする。
極めつけは、豚バラチャーシューだ。「こんなの食べたことない」というのが率直な感想。豚のあばら部分の肉だろうか、形状も斬新だ。甘みが強く、脂が上質なのがわかる。20年もラーメンをすすってきて、ここにきて″初めてのチャーシュー″に出会うとは…!
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厨房はあまり見えなかったが、中年の奥様とその息子さん?とおもわれる若いスタッフさんが麺を運んでいた。おそらく中には、この素晴らしい一杯を作り続けているご主人がいらっしゃるのだろう。
2023年11月の時点で、食べログは3.49。化学調味料に慣れてしまったラーメンフリークの中には「薄い」と感じる人もいるようだ。がしかし、ぜんっぜんそんなことはないと断言したい。
ここまで感動するラーメンに出会えて、秋田に来た意味があった。ほんとうにありがとうございました。
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