見出し画像

秋桜

秋の桜と書いてコスモスと読むようになったのは山口百恵の同名ヒット曲がきっかけだったという事を今ググって初めて知った。

コスモスという花の存在を知るきっかけとなったのもさだまさしが作詞作曲して百恵ちゃんに提供したこの歌がきっかけだったので、てっきり昔から存在する読み方なのだと思っていた。女郎花(おみなえし)や百日紅(さるすべり)のように。

ちょうどこの歌がヒットした頃、10歳の私は父が駐在するアメリカ西海岸で暮らしていた。当時、アメリカの生活にどっぷり浸かっている自分と並行して日本に憧れる自分も存在した。

あの頃憧れていた「日本」はフィクションの中の日本。母が近所の日本食料品店で定期購入してくれていた「週刊マーガレット」や祖父母がビデオ録画して航空便で送ってくれたテレビ番組の中の日本。

淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜まりに揺れている
此頃涙脆くなった母が
庭先で一つ咳をする

秋桜 作詞 さだまさし

この花を見ると思わず口ずさんでしまうこの歌。異国の空の下で思いを馳せていた憧れの「日本」を懐かしく思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?