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下北沢 - 代々木上原散策

昨日は親友からランチの誘いがあり電車に揺られて1時間、下北沢の駅に降り立った。

以前、代々木上原に通勤していた頃は毎朝この駅で降りて一駅分歩き、帰りも毎夕この駅まで歩いて戻った。時間にして20分。ちょうど良い距離なのだ。

今日も待ち合わせは代々木上原だがもちろん歩くことにした。

駅の近くにひしめく飲食店や古着屋を抜けると住宅街に突入。

怪優柄本明の自宅兼劇団稽古場の前を通るのが私の通常ルート。いつも本人がひょっこり顔を出さないかなぁと期待しながら前を通る。

ここが柄本さんの家である事を発見したのは亡くなった奥様で女優の角替和枝さんの病状がいよいよ危ないというので毎日何人かのカメラマンが家の近くを張っていたからだ。

有名人だからといって妻の死を今か今かと待ち構えられるのはたまったもんじゃ無かっただろう。張っているカメラマン側も例え仕事とはいえ「こんな事する為にカメラの勉強した訳じゃねぇ!」と内心舌打ちしている者もいただろう。

柄本さんの家の前を抜けて更にディープな住宅街に突入。昭和の頃からあったと思われる古い住居やアパートもあれば今風の洗礼されたデザインのスモールハウスが所狭しと立ち並ぶ。

毎朝ここを歩いていた頃よくすれ違う親子がいた。まだ若い父親と3,4歳と思われる男の子。父親が仕事に行きがてら子供を保育園に送っている途中だったのだろう。この男の子はいつ見ても機嫌良くキラキラした目で自分の周囲に興味を示し父親にその感想を伝えていた。対する父親は鬱陶しがらずに優しく相槌を打ちながらそんな我が子を見守っていた。いつすれ違ってもその2人の間に流れる優しい空気は保たれていて、見ているこちらにも穏やかな気持ちが伝染した。

少し行くと昔ながらの銭湯があり、その横にお約束のコインランドリーがある。冬場に前を通ると「本日ゆず湯」なんて看板が出ている事がある。

緩やかな坂を登りきってしばらく行くと東京都道420号に出る。この通りがこんな名前だとは今ググって初めて知った。

この通りを渡るといきなり立ち並ぶ住宅やマンションのグレードが上がる。以前この辺を歩いていた時ランボルギーニが通って珍しがっていたら向かい側からもランボルギーニが走ってきた。そんな事があっても不思議ではない程度にこの辺はリッチな立地なのだ。(失礼)

瀟洒だが面白みに欠ける住宅街を抜けると突然東京ジャーミイ・トルコ文化センターという日本一の規模を誇るモスクが現れる。この周りにはいつも巡礼に訪れたであろうムスリムの人たちが記念撮影などして賑わっている。

ここまで来れば井の頭通りを直進して小田急線の線路をくぐり抜けると代々木上原駅はすぐそこ。

親友と待ち合わせたとんかつ屋には時間ぴったりに到着。腹拵えにちょうど良い散歩だった。


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