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Google ドキュメントの新機能「タブ」を使ってみた - その3 異なるタブ間でページ番号を連続できない?-
この記事はGoogle Workspace 標準機能 Advent Calendar 2024の6日目の記事です。
こんにちは!ゆるふわクラウドおじさん こと、Teeda と申します。『Google アプリの教科書シリーズ』という本を毎年Amazon で販売していたり、YouTube チャンネルやUdemy で学習用動画を公開しています。
「Google Workspace 標準機能 Advent Calendar 2024の4日目の記事」で、Google ドキュメントの「タブ」の機能でどんなことができるかを紹介しました。
「Google Workspace 標準機能 Advent Calendar 2024の5日目の記事」で、タブを複数作成し、タブごとに用紙サイズのページ設定はできるか(できるっ!)を検証してみました。
これまでに引き続き、Google ドキュメントのタブの機能を試していきます。
異なるタブで異なるページ設定ができる
まずは、異なるタブでページ設定を変えてみます。
ページ設定の中で、用紙サイズを異なるものにできるというのは、前の記事(5日目の記事)で解説していますので、気になる方はそちらもぜひご覧くださいね。
ページの向きと、ページ分けの「あり」「なし」の設定が異なるタブが作れます。
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ページの向き:縦
ページ分け:あり
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ページの向き:横
ページ分け:あり
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ページ分け:なし
ページの向き:-(ページ分け なし だと指定できない)
異なるタブで、異なるページ設定ができました。
これを活用すると、ブラウザで表示して編集するためのタブは、ページ分けなしにしておいて、共同編集が完了して印刷する必要があれば、
印刷のためのページ設定をした別のタブに貼りつけて印刷する、という使い分けができるでしょうか。
あるいは、議事録作成は縦書きのタブで編集し、進捗管理ツールを同じ文書の別のタブに「ページ分け なし」のタブで編集する、という使い分けもできるかもしれませんね。
あるいは、同じ文章を「縦向き」と「横向き」あるいは「用紙サイズ」の違いによってどのように見え方が変わるか、ページ数に変化があるか、などを確認する時に便利かもしれません。
ヘッダーは1つのタブ内にしか反映されない
あるタブのヘッダー部分に文章を入力してみると、そのタブ内のすべてのページのヘッダー部分にその内容が表示されます。
ちなみに「ページ分け:なし」のページ設定をすると、ヘッダーやフッターの編集はできません。分かれているページの先頭部分共通がヘッター、末尾部分共通がフッターなので、ページが分かれていないならヘッダーもフッターもない、ということですね。
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2ページ目以降にもヘッダーが表示される。
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他のタブのヘッダーにはタブ1 のヘッダーの内容は反映されない
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「ページ分け:なし」では、そもそもヘッダーもフッターも挿入できない
タブが異なると、ヘッダーとフッターを統一した設定によって編集できないということになります。
そのため「1章」というタブの下の階層に保存している「1-1節」「1-2節」というタブたちに対して、1章全体で共通のヘッダーを一気に指定しよう!ということはできないのです。
逆に言えば「1章」のタブ内のヘッダーのデザインと「2章」「3章」のものではそれぞれ異なるデザインにしたい、ということが実現できそうです。
文書全体のページ番号を通し番号にすることはできない
さて、それぞれのタブでヘッダーの内容を編集できるということがわかったのですが、ヘッダー、フッターの領域にページ番号を挿入できます。
ページ分けをしている同じタブの中ではページ番号をページの順に表示できます。
異なるタブにもまたがって、文書全体でのページ番号を挿入することができるでしょうか?
タブ1 は全部で[10]ページだったから、タブ2は[11]ページから番号を挿入したいといった感じです。
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それぞれのページのヘッダーに「1」「2」が表示されている
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それぞれのページに「1」「2」が表示されている
この文書のファイル内でタブ2 よりも上に保存されているタブのページ数を引き継いだページ番号ではなく、このタブの中のページ番号が表示されています。
まだだ、まだ終わらんよ
挿入したページ番号を右クリック > #ページ番号のオプション
をクリックして、ページ番号の開始の値として他のタブのページ数を指定できれば…
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ページ番号のオプション画面
「開始」の値を手入力はできるが…
「前のセクションから継続」ではない!
「ページ番号」の編集画面で「前のセクションから継続」ではなくて「前のタブから継続」というものがあれば、前のタブの最後のページ番号を引き継いで、その数値に1を足したページ番号から付与されると思うのですが…。
「前のタブから継続」のメニューがいつか作られたらいいのにな。
ただ…無念だ…財前…。
前のタブのページ数の最大値を手入力することで、あたかも文書全体を通したページ番号として使用できそうなのですが…
前のタブを編集して、ページ数が増減したらどうする?
前のタブが削除されたらどうする?
タブを移動して、文書全体の中からそのタブの位置が変わったらどうする?
という問題が起こります。
タブをいくつも作りたいときは、
文書全体を通したページ番号を挿入することはいったん諦めましょう。
するってぇとなにかい?
タブを分割した1つのGoogle ドキュメントのファイルで、
何百ページ、何章か何十節かにまたがる本を書こうと思ったら、ページ番号を使えないってのかい?
と思うのですが、そんなに膨大な本を書こうとするならば、
本文の執筆を終えて、全体の誤字脱字も修正し、もう今後一切修正しないぞ!となってページ番号が変更されなくなってから、それぞれのタブに対して、[前のタブの最後のページ番号 +1]の値を手入力してページ番号を挿入することで無理やり対応できそうです。
そう遠くないうちに、Google ドキュメントの機能が改善して、前のタブのページ番号から継続したページ番号を指定できるようになるかもしれません。
この記事を読んでタブ機能に興味を持ったあなた!
ぜひ、自分の環境でもタブを追加して、ページ番号について検証してみてください。
前のタブから継続したページ番号を挿入できたよっていうかたは、ぜひコメントとかこっそりメッセージとかくださいませ。
まとめ:タブ ごとにページ設定を個別に指定できる
Google Workspace 標準機能 Advent Calendar 2024の6日目の記事でした。
異なるタブに対して異なるページ設定やヘッダー・フッターの設定ができます、というべきか、異なる設定をせざるを得ませんというべきか。
ないものは「ない」ので、そのような機能の制約のもとでどういう運用をするのがよいか考えて使うのがいいですね。
2025年版の本の執筆は、タブ機能を使って1つのファイルでやってみようかなあ、と思える今回の探索でした。
次の記事では、異なるタブでの「見出し」や「タイトル」の「スタイル」の統一について検証してみたいと思います。
タブ機能、沼ります。おもしろい。
新しい機能なのですが、ぜひご自身でも探求してみて、こんな使い方してるよーというのがありましたら、こっそりメッセージやコメントで教えてください。
Google Workspace 標準機能 Advent Calendar 2024のご参加者さん、お待ちしています。