サノス型リーダーシップ ~アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーより~
ふと、下書きを掘り起こしてみると、一番下にこのnoteが眠っていました。
2018年に公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』についてのnoteです。この映画で私が感じた感想とサノスから感じたリーダー像について書いていきたいと思います。
1. 映画の感想
この映画は一言でいうと、圧倒的サノスゲーでした。
圧倒的な強さで自分の正義(暴力)を振りかざすサノス。それに対抗すべくアベンジャーズは立ち上がりますが、その力になすすべもありません。
絶望的な状況にまでアベンジャーズは追い込まれますが、これが最終作の『アベンジャーズ/エンドゲーム』への布石になるんですね。
映画の内容について、もう少し触れていきます。
サノスの考えだと、宇宙に生きる生命体の数が爆発的に増えてしまったことにより、環境破壊や戦争など様々な問題が引き起こされているとのことです。そこで、物凄いパワーを秘めた6つのストーンを集め、それを自身のガントレットに嵌め込み、指パッチンをすることで無作為に生命の数を半分に減らす。
サノス曰く、このソリューションを通して、宇宙は平和になるらしいです。
私は彼の構想を聞いたとき、度肝を抜かれました。
「なんて強力な指パッチンなんだ。」
日常では、何か気づきを得たときや注意を引くときに使う程度だと思うのですが、彼の指パッチンでは、全宇宙の人口が半分になるらしいです。
これには、"ゴールドフィンガー"と謳われる加藤鷹氏も腰を抜かすことでしょう。
そんなサノスは、ストーンを集める過程で様々な惑星に自ら赴き、無作為に半数の人口まで虐殺するという行為を繰り返しました。ここでの無作為は彼にとっての平等なのですが、1度だけガモーラという少女のみ、自身のエゴで作為的に救ってしまったんですね。彼にとってこれは唯一の罪らしいです。(あらゆる生物を無作為に殺すことは、平和に繋がることであるから正義とのこと。)
それでも石を集める過程で、愛するものを犠牲にしなければならないという制約を課されたため、彼は涙ながらにガモーラの命を奪います。
6つのストーンの内、3つくらいはアベンジャーズのメンバーが持っていたのですが、ボコボコにされて奪われてしまいます。最終的に6つのストーンを集めた彼は『指パッチン』で宇宙人口の半分を消滅させ、彼自身の体もボロボロになってしまいました。
2. サノスに見る、リーダーシップについて
私は思いました。
サノスは純粋な悪者というわけではなく、むしろ自身の思う正義に愚直なだけだったのではないだろうかと。彼は生粋のリーダーであり、強い信念をもっていました。
その彼のリーダーシップについて、考えてみようと思います。
a. 映画を通してのサノス
彼の考えは一貫していました。
宇宙の平和のために、人口を半分に減らす。
そして失われる命は平等に選ぶと。(無作為=平等という方程式)
無茶苦茶な論理でしょう。
私もそう思いました。
しかし、綺麗事だけで世の中は回らないこともまた事実です。彼にとっての正しい道が『殺戮の指パッチン』だっただけです。
正解は他者ではなく、自分の中にあり、誰の意見も聞き入れることなく唯一の正解をひたすら求める。ただそんな彼にも情というものはあり、愛するものを失う恐怖に苛まれてもいました。
それでも、自身が信じる正解、そして平等を無下にすることはできない。外から見ればただの暴君でしかありませんが、殺戮に暮れる彼の拳はいつも震えていたことでしょう。(知らんけどね)
b. サノス型リーダーシップ
サノスの生き様を見て、私の考えるサノス型リーダーシップについてまとめていきます。
・達成困難な目標を自分の意志で掲げる
・目標達成のためにはどんな犠牲も厭わない
・スピード感をもって次々にアクションを起こす
・全責任は自分が負う
そうなんです。
抽象化すると、それっぽい感じにまとまるんです。
MARVEL作品は普通に観ているだけでも面白いですが、こういう観点で考えてみると、また違った角度で楽しめるのかもしれません。圧倒的な目標を掲げ、それを達成するためにどんな犠牲を払ってでも成し遂げる気概をもちながら邁進する姿勢。
ビジョンがあれば、それ以外は全て捨てても構わないというのは、彼の圧倒的な強さの源であると考えます。
日本からは中々現れなさそうなタイプだなあと。
こんなヤツが、矢継ぎ早に出てきても困りますがw
熱量のベクトルをどこに向けるのか、ということがとても大切なんだなあという学びを得られる面白い映画です。