イギリスから蠍座新月のお話
友人とこの世界でのお別れの会に向かって車を走らせた。灰色の空は寒々しく、もう少し着込んでくれば良かったかな?などとため息をつきながら会場へ向かった。けれど、しばらくすると、薄く光が差し込み始め、雲が裂けて青い空が見え始めた。思えば友人が旅立ったあの日も最初は雨でその後に金色に染まった不思議な大きな雲が現れて、ゆっくりと空を横切っていく姿を見せてくれた。
会場に着く頃には、空は澄んだ青色に染まり、秋の森に包まれた幻のように美しいセレモニーが待っていた。紅葉した木々が風に揺れ、