【ガーランド】:夜は、まばたきほどふくよかになる
こわばる体を引きずって、職場へ向かう。音楽を聴くこともできない。もう遅刻は決まっていて、それでも声も出ず、引き返す気力もなく、時間を確かめないまま仕事場に着く。
案の定、遅刻はしているのだけれど。
職場の人はみんな優しい。
「いてくれるだけで助かるんだよ」
そんなことを何人もの同僚が声をかけてくれる。
それってさ、わたし、これ以上に喜べることなんてないんじゃないの。体が動かなくても声が出なくても、それでも多くのことができる自負はあるけれど、こんな不自由なわたし、邪