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"フェミニズム"は男性のためでもある。

男女の違いによって生み出された不平等を示す「ジェンダーギャップ指数」。
日本は156カ国中120位、同様に102位と低迷するのがお隣、韓国だ。
その韓国で今、男女の格差を解消しようとする「フェミニズム」が大きな論争を巻き起こしている。状況は穏やかではない。
フェミニズムを巡って、「女性が優遇されている」、「男性はわかっていない」と応酬が続き、男女の間に深い亀裂が生まれているのだ。

フェミニズムとは

フェミニズムは、政治制度や文化慣習などで生まれる性別による格差を解消し、男女が平等な権利を行使できる社会を目指す、思想や運動のことを指す。

一方で、若い20〜30代の男性からは「女性ばかりが優遇されている」という怒りが噴出している。今月の大統領選挙では、若者男性を取り込んだ野党のユン・ソクヨル氏が当選。

フェミニズムに関心のない男子学生

私が学校でフェミニズムを教えようと思ったきっかけは、「江南駅女性殺害事件」でした。それまでは、私の本業はあくまで文学と言語を教えることだと思っていたのです。

ところが、この事件で見えたのは女性たちの恐怖を全く理解せず、理解する考えや意思すらない男性の姿でした。

「全ての男性がそんなわけじゃない」、「男性たちを潜在的加害者であるかのように扱ってはいけない」、「私はそのような人ではない」と言い訳するのに忙しかったのです。私と勉強していた学生たちも同じ反応を見せていました。

彼らはジェンダー権力では男性という比較的強者ですが、年齢権力ではまだ10代で若く、弱者に位置します。そのため、成人男性より差別を認知する感覚がより敏感で、フェミニズムの言語もよりよく受け入れるのです。

初めは珍しかったのか、男女から攻撃されました。女性からは「あなたに何がわかるの」と言われ、男性からは「女性の肩を持っている」と言われました。

それは男性の教員から話をした方が、効果的な場合があるということです。もどかしいことでもありますが、女性の話より男性の話に信頼を寄せる男性が多いからです。

フェミニズムは男性の人生を自由にする

世界を見つめる認識の話でもあります。それは従来までは聞こえなかった声、自分とは無関係だと思っていた苦しい立場の人々の声を聞こうとし、見えなかった部分を見ようとする努力のことです。そうすることで、慣れ親しんだことを別の観点から見る能力が生まれるのです。

フェミニズムは女性だけのための運動ではありません。「男とはかくあるべし」という、狭く硬い殻に閉じ込められた男性の呼吸をも楽にしてくれるものです。

男性はどうして、お酒に酔わないと本音が吐き出せないのでしょうか。大変な状況でも一人で耐え抜くこと、悲しいことがあっても泣かないことがどうして男性の美徳になったのでしょうか。

フェミニズムは、泣く男、しゃべる男、力のない男でも大丈夫だと勇気づけてくれます。

「女だから」「男だから」ではなく「自分が」好きで求めているから、選択できるようになるように、この道を一緒に歩んでほしいと思っています。

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