弱さを認める 『おまじない』 - 西加奈子
少女、ファッションモデル、キャバ嬢、レズビアン、妊婦。いろんな女性の悩みを軽くしてくれる。
とてもいろんな人に紹介したくなる本だった。女の子に限らず、生きやすくなるそんな言葉が沢山あった。西加奈子の他の本も買ってみようと思った。特に、サラバ!は読まなければ、、、
[対談]長濱ねる 西加奈子
「世間で良い子ぶってる子は本当に良い子なんだ。」
という西さんの言葉が詳しく知りたくて本を取った。
『孫係』。一番反響あったそう。理由はみんな良い子だから。良い子を見て、「良い子ぶりっ子だよね。実は、裏では、、、」というのでなく、万が一ぶりっ子だとしても、だとしたらそう見られるだけすごいやん。なんなら、ナチュラル良い子より何倍も努力している証拠じゃん。私たちはその態度をただ受け取っておけばええやん。邪推の時間いらんやん。。これ、mmeにも言いたいなあ。
せめて自分だけはその人をわかってあげよう。
あねごは誰かがばかにしたら、その人はばかにしていいんだと周りもそうするってのを見るのが嫌で、なんで嫌なのかが忠実に描かれていた。だから、そんな人こそ、本音を聞いてあげるべきだと思うんだよ。自分、意識しなさいよ。
正直なことと優しいことは別。
孫係が印象的。正直なことと優しいことは別。というおじいさんの言葉。正直が優しいとは限らない。正直にならない方が優しいことがあるってこと。確かに、近年サバサバ女子が良いとされてるが、思ったこと全部言えば良いってわけではない。
それはきっと、思いやりなんだよ。彼女が僕に話さないのは、思いやりなんだと捉えれるようになれたら良いよね。
醜い時間でも必要な時がある。
仲間内での悪口くらい許しくれよw
ムカついて陰で悪口をいう時間が必要な時だってあるんよ。
こういう会話って大事なんよね。孫係の完璧に見える老夫婦は2人の間だけで醜い時間もそうやって共有している。
呪いの言葉
アイドルなって有名税とか代償は我慢させる呪いの言葉でしかない。人が勝手に決めつける自分なんて気にせんでいい。ドラゴン・スープレックスの
がまさに。
すぐには想像してた「母親」にはなれない。
マタニティで取り上げた。40年間「わたし」として生きてきたのに、子供が産まれた途端変えれない。君の母親は全然正しくないし、強くない。ただとにかくめっちゃ愛してるよって。
この本のテーマ「弱さを認める」
弱い自分を認めるのは怖いけど、そうしないと自分を好きになれないし、弱さを隠さない方が信用してもらえる。読み返そう。寄り添ってくれる本。
いちご
世界は広くなくていい。モデルで広める女性といちごだけを好きなおじさんの対比。好きなこと一つあればいい。好かれることばっか(モデルの仕事)考えてキリがないことに気づく。受け身じゃなく能動的に、好かれるじゃなくて好き。一つのものを好きであり続ける大切さを気づかせてくれた。
孫係
「ひとりになりたいなあ。」と話した時、おじいちゃんがいた時ゾワっとしたww。
完璧なおばあちゃまは悪口毒舌家だった。素敵な夫婦を完璧に振る舞って、疲れたら悪態をつく最高のパートナーだった。
娘だから孫だから無条件に可愛いなんてことはない。なぜみんな自動的に家族の愛を信じれるんだろう。生まれた途端母性生まれるわけじゃない。
褒められたら係をきちんとこなしたことを褒められたと思うと、素直に喜べた。帰ったらじいちゃんに悪口。
そんな自分を悪い奴だと思ってたけど、そう思わなくなった。性格が悪い、卑怯、陰口ではなく、相手を傷つけたくないから。期待に応えたいから。すなわち、思いやり。
その人が役割的にそうせざるを得ないんだとわかったら、その人の望む自分でいるべきなんです。良いこのフリではなく、本当に良い子だからできるんです。
お互いの役割を思いやりを持ってこなしている。
あねご
「あなたがいてくれて良かった。」
飲まないと人生戦えない、繊細な人もいるのだ。何もない自分だけど、飲んで自分の居場所を見つけたかったのだ。何もないけど。
が彼らの最後のプライドで、笑われるのは最後の救いだった。人はやはり酒に頼らず武器を持ち承認欲求を満たしたいものだ。
マタニティ
子供ができた喜びより自分の周りからどう思われるかが先行してしまう生々しい話。母親。急に重い。母親はもっと崇高な存在だと思ってた。体に生命が宿る神秘から自動的に女神の表情になれると思ってた。周りのことしか頭に浮かばない下衆な母だ。
思いがけない妊娠で検索すると、子供がかわいそう。と出た。耐えられなく苦しかった。
やってやるんだっていう勇敢さはないが、この体で生きてゆくのだという実感だけはあった。
心配で悩む人にかける言葉。「大丈夫だよ。」とかポジティブじゃなくて、「大変だろうね。辛いだろうね。でも、頑張ろう。」
ドラゴン・スープレックス
人が勝手に決めつける自分なんて気にせんでいい。外人でも私は私と貫けば生きて行けるというおまじないの言葉。