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『めまい』


映画の分析って正直文章にするの苦手なんだよなぁ。頑張ります。


"Vertigo"

今回主に観点として観たのは以下の3点。
1. ドリーズーム(めまいショット)
2. 表象としての「塔」
3. まとめ
あと最後に言い訳みたいなの…。

1、2の要素を足し算して3の分析に繋げます…。


1. ドリーズーム(めまいショット)

ドリーズームと呼ばれる僕の一番好きなカメラ技法。
https://youtu.be/u5JBlwlnJX0 (解説の動画)
日本では通称「めまいショット」と呼ばれてるらしいけどなんとなく英語の "Vertigo effect" の方がどういう効果を作品にもたらすか実感が持ちやすくて好き。初めて『めまい』を観てやっと長年観たかったシーンが見れた笑。

ぶっちゃけカメラ技法の観点からテクストの内部に分析を掘りすすめるやり方を僕はまだ全然知らないのでここでは変に知ったかぶって言わない方がいいと思うので短いけどこの辺で…笑
ドリーズームを取り入れてる動画広告や映画はたくさんあるけど、やっぱり「ここぞ!」という時のインパクトのために使うものであって多用するショットじゃないね。


2. 表象としての「塔」

映画には当たり前だけど様々な表象があって、ちゃんと一つ一つを観ていくと面白いものが見えてくる。
例えば、映画『LEON』で殺し屋レオンが飲む牛乳は子供らしさの表象と解釈できるし、様々な作品に登場する「ドラゴン(権力)にさらわれた姫(母)を助ける勇者」は父を殺して母と一体となるというようなエディプスコンプレックスの文脈で解釈できる。(『シュレック』に登場するドラゴンがメスなのはディズニーという強力な母体から抜け出たドリームワークスという企業が独立したという一つの象徴として見れないだろうか。)

そんな中僕が映画を観る時よく注意して見るのは「タロット」の表象。『めまい』では2度も女性が死ぬことになった教会の「塔」を一つの対象として今日の記事では見ていきたい。

タロットカードにおける「塔」のカードはとてもユニークなカードだ。タロットカードには正位置・逆位置と呼ばれるカードの向きによってポジティブな結果かネガティブな結果かを占ったり願掛けしたりするのが一つの大きな特徴だ。しかし、22枚ある中で唯一「塔」のカードだけはどちらの向きになってもネガティブな意味しか持たないカードなのだ。(解釈による例外はある)

正位置では主に「トラウマ」や「悲劇」、「精神的崩壊」など、
逆位置では主に「突然の不幸」や「誤解」などの意味が挙げられる。

確かに言われてみれば『めまい』におけるあの「塔」のイメージに沿っている気がする。


3. まとめ

「塔」の内部、特に「螺旋」する階段を映像しっかりと映像で写した上で、ドリーズームを用いてタイトル通り「めまい」を思わせるような視覚的効果をもたらしたとしてやっぱりヒッチコックってすごいんだなぁ〜、と最初浅い感想を持ったのでさすがにちょっと掘り下げます…。

まず「螺旋」について。
1度目の女性の死(マデリン)と2度目の女性の死(ジュディ)が描かれ、「塔」の表象である「悲劇」が繰り返される象徴として先述しためまいショットでも強調される「螺旋」階段があるのではないだろうか。

『めまい』における先行研究(といっても論文をがっつり読んだとかじゃないけど)をチラッと見ると「女性差別的な映画」という評価が思いの外多くて驚いた。僕は逆にフィルムノワール的な「男性が女性に最後まで翻弄される映画」だと解釈したからだ。主人公スコティは女性に騙される存在であり、愛していた女性の幻想に取り憑かれ、最後はその幻想さえも目の前で失ってしまうことになるのだから、公開当初「女性蔑視だ」という批判があったような時代だったのならむしろ時代の流れを十分に汲んだ作品だと僕は思った。当時の時代のことは僕も勉強不足だから適当なことは言えないけど。

「塔」に話を戻したうえで軽くまとめると、
ファムファタール(魔性の女)に繰り返し翻弄され、主人公がトラウマを植えつけられる場の表象として塔を内部から描いたのはすごく興味深いと思った。



最後に

いやぁ、本当はもっと「トラウマ」を用いて精神分析で分析できると思ってたけど腕がゲロゲロにクソクソなまってるので断念です。時間もない。
というか映画の分析を観た直後にちゃんと言えるやつってなんなの、俺普通にコメントまとめるのに時間かけないといけないんだけど…。

やりたかったこととしては、スコティが失ったのは「演じられたマデリン」であって本当のマデリンではないことと、「ジュディにマデリンの幻想を求めたけどマデリンの幻想はスコティの中にしかない」的なことをちゃんと分析したかった。最後にスコティが失ったのは「誰」だったのか。

あと高所恐怖症と人命(マデリン)を救えなかった、という2つのトラウマの背景には一貫して「自分が救えなかった」というスコティの自責の念があるように見えるけど、マデリンを救えなかったのは高所恐怖症だったからであって同僚の死の時とはシチュエーションが変わっていること、遡及的に「自分のせいだ」という考えのもとあらかじめ同僚の死と結び付けられていたかのような錯覚が起きている、という観点の分析もしたかった。

ヒッチコックなんかの作品を1日で1人で分析できるわけないんだわ……。




次からはブログを書く時間を分析する時間含めてちゃんと設定しよう。
長くても30分以内!てちゃんと制限時間設けてやろう。



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