子どもと一緒に『間違い』を振り返る
子どもは間違いやミスを必ずします。
そして「間違いはダメなこと」という意識が強いと、なかなか立ち直ることができません。
特にうちの小学1年生の娘は、この傾向が強いようです。声かけはしていますが、時に過度に間違いを恐れる時期があるようです。
間違いに対して、何かポジティブになる方法はないかと調べていると、海外の教育系Webサイト『Edutopia』に気になる記事がありました。
それは、執筆者や教育者であるアンドリュー・ボリーガさんが書いた「Tapping Into the Metacognition of Mistakes(間違いのメタ認知を活用する)」という記事です。
この記事の中では、間違いには3つの分類があること(『Sloppy mistakes(不注意な間違い』『“Aha!” mistakes(気づきの間違い)』『Stretch mistakes(挑戦による間違い)』)。間違いから学ぶためには、間違いを自分で振り返ることが大切だと書いていました。
どのように『間違い』と付き合えばいいのでしょうか。私の感じたことも含めてまとめていきます。
間違いを分類する
間違ってしまうと「ダメだー!」となってしまい、『間違い=ダメなこと』と思う人が多いです。私もその中の一人なので、気持ちはよく分かります。
しかし、その間違いはどのような間違いでしょうか。同じ間違いという言葉を使っても、間違いはひとまとめにはできません。「ズルをして手抜きをしたことによる間違い」と「自分の持てる力を出し切った結果の間違い」を同じ間違いとは思いませんよね。
そこで、間違ってしまったときに、その間違いを『間違いの3つの分類』に再定義することが重要です。再定義することで、その間違いから学び成長できるからです。
それぞれ説明していきます。
1. Sloppy mistakes(不注意な間違い)
「急いでいた」「集中していなかった」など、いわゆるうっかりミスのことです。間違いの中で最もよくある間違いだといわれます。
ボーっとして物を落としてしまう、余裕をかまして単純な計算ミスをするなど、誰にでも経験があるのではないでしょうか。
2. “Aha!” mistakes(気づきの間違い)
自分の間違いから「なるほど!」という理解につながる間違いです。別の言い方をすれば、間違いから閃くアハ体験という感じです。
大きな話だと、細菌学者のアレクサンダー・フレミングが実験中に間違って細菌を死滅させたことにより、抗生物質のペニシリンを発見したことが有名です。
『気づきの間違い』は意識的ではないですが、新たな気づき・学びにつながります。「何がうまくいかなかったか」「次はどうすればいいか」と論理的に推論する力も身についていきます。
3. Stretch mistakes(挑戦による間違い)
自身がまだ知らないこと、経験したことのないことなどに挑戦したときにおこる間違いです。
たとえば、算数などの勉強では習っていない問題に挑戦して間違えること。私の場合だと、初めて生成AIで画像生成に挑戦したときに、プロンプトがうまく書けず変な画像が生成されたことなどです。
今の自分のレベルを越えようとしているので、失敗する可能性が極めて高くなります。
『挑戦による間違い』は間違えて当然なので、次への挑戦の糧にするのが良いでしょう。
間違いを振り返る
間違いが発生したときに、先ほど説明した『間違いの3つの分類』を使って振り返りを行うことが重要です。
「早とちりりして間違えたから『不注意な間違い』だな。次は問題を2回読んで確認しよう」
「ボールをよく見ていないから当たらないんだ。最後までボールから目を離さなかったらうまくいくかも」
「全然うまくいかなかったけど『挑戦による間違い』だからしょうがない。もっと練習して次につなげよう!」
このように、
どんな間違いをした ⇒ 次はどうする
という風に振り返りを行えば、間違いをネガティブなものから、次へつながるポジティブなものへと変換できます。
どのように振り返ればいいか分からない方は、以下の項目を参考にしてください。
間違いから学ぶとは、このような振り返りをすることになります。
子どもの間違いを大切にする
ここまで『間違いの3分類』と『振り返り』について学んできて、間違いはダメなことではない。むしろ間違いは自分を成長させる良いものということが分かりました。
では、子どもの間違いに対してどうしていくのか。
私の場合では、娘が小学1年生なので、自分ひとりで間違いの振り返りをするのはつらい部分があるなと感じます。
「分かんないー!」と振り返りができない自分に腹が立ち、もっとネガティブになるかもしれません。
なので子どもと一緒に間違いを振り返ります。
そのときに「間違えたけど、新しく気づいたことはなかった?」「次に間違えないようにするにはどうすればいいと思う?」などの声かけをして、最終的に答えを出すのは子どもに任せるという意識が大事です。
なぜかというと、誰かが決めた答えでは次に生かせない、自分で出した答えだからこそ成長できると考えるからです。
当然、はじめのはうまくいきません。振り返りをしたことのない子どもは答えを見つけられず、親がほぼ強制的に答えを導くこともあるでしょう。
それでも子どもが時間をかけて自分がした間違いの分類やパターンを見つけられるようになれば、一人でも間違いの振り返りをできるようになっていきます。そして、子ども自身の行動の責任感が増し、いろんなことに挑戦できるようになっていくと思います。
おわりに
間違いに立ち向かうことは難しいです。
私も先日、仕事でうっかりミスが連続して落ち込み、なかなか立ち直れませんでした。
成長途中の子どもなら、なおさらそうだと思います。
だからこそ、親がゆっくりと「これはこういうことじゃないかな?」と寄り添いながら、子どもと接していくしかないと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。