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弦を真っ直ぐ張ると言われても…~竿もの日々雑感 vol.1~

毎日変化していく楽器のコンディション。
「生鳴りが大きくなった!小さくなった!」
「前より弾きにくくなった気がする…」
などなど、日々スタジオのギター・ベースをメンテナンスしながら感じていることを綴っていく記事です。

自分の楽器を持っていれば、日頃メンテナンスを気にかけている方も多いですよね。
日常的に行うメンテナンスと言えば、やっぱり弦交換!
スタジオにあるレンタル楽器の弦交換をしながら、ふと思いつきました。

「弦はネジレの無いように真っ直ぐ張りましょう」って言われてるけど、実際ネジって張ったらどうなるの?

思いついたら試さずにはいられない!早速実験!

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使用するのは誰でも知ってる触ってると言っていいでしょう、定番のフェンジャパストラト。
・設定を変えずに、素の音をライン録音。
・①普段の真っ直ぐを意識して弦を張ったパターン
・②わざと弦を一回転ネジって弦を張ったパターン

これを比べてみましょう!

①まずはそのまんま、チューニングだけして録音してみます。(開放弦だけ弾いてます)

さて、ここから一度弦をはずし、無理矢理1回転させてみます。(これが意外と難しい!)

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ブリッジギリギリのところを動かないようにグッと持って…

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ヘッド側の先端付近を持って1回転させて、それをキープしたまま張り直す…
これを全弦やっていきます。慣れない作業に悪戦苦闘しながらもなんとか完成。

ん?そもそもさっきに比べて弾き心地が全然違う気がします。明らかにテンション感がキツくなって…よく見ると普段ギリギリフローティングしない設定にしているシンクロが、ほんの若干フローティングしている!

②変化に驚きながら、この状態でまたチューニング&録音してみます。

・・・こんなに違うもんですか!

明らかに煌びやかさが失われ、音量すら落ちている。丸くなった、というか。
ちょっとビックリしたので、自分のピッキング再現を疑って少し強めの弾き方で再録してみます。イレギュラーの③です。

・・・これはもうイメージが別物になってますね。HIGHは戻っても硬さも、ミドルの出方も全然違う。

同じ竿でも、微々たる張り方の違いで毎回音が少しずつ違ってきている、ということも言えそうですね。
ライン録音全盛の昨今、「素の音」を意識するのにもとても良い実験が他にもありそうな気がしてきました。


当たり前にただ真っ直ぐ張ることにしていた弦ですが、1回転させるだけでここまで違うのは、なにより弾き心地にすら影響しているのを発見したのは大きな収穫です。
ペグのポストがカーブしているものが大多数を占めていることもあり弦を真っ直ぐ張るのは至難の業だと思っていますが、こうした日々の発見が何かのヒントになればと思い、こんな実験を続けて行こうと思っています。

次回も是非お付き合い下さい!

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