見出し画像

包装材の力で鮮度を保て 

果物や野菜は空気中の化学物質に反応して熟成を早めたり、遅らせたりする仕組みをもっている。リンゴをバナナと一緒に保存すると早く熟成する、野菜とリンゴを一緒に保存すると野菜がくさりやすくなるから一緒にしない、母親からそんなことを教わった。リンゴから出るエチレンガスが、青果物の熟成を進める効果がある。

インド企業である GreenPod Labsは、食品廃棄物を減らすことに取り組んでいる。この企業は、果物や野菜が反応する化学成分を分析し、それらをベースにした揮発性物質を詰めた小袋を開発した。その小袋を青果物と一緒に保管・輸送することで、「植物が元々もっている防御機能」を活性化し、青果物の熟成を遅らせたり、微生物の増加を抑制したりすることができる。

この技術は、冷蔵便が普及していない地域や、冷蔵倉庫など特別な設備を利用できない地域、気温が高い地域において、鮮度を保った状態で食料を配送できるようになるとして期待されている。品質を維持できる期間が長くなることで、輸送中に廃棄になる食料を減らすだけでなく、長距離輸送や賞味期限の延長といったメリットにもつながる。

『参考資料』

いいなと思ったら応援しよう!