塩の歴史と利用方法

海岸線が入りくみ、内陸部の広くない日本でも、海への出口をもたない内陸の戦国大名は塩の入手に苦しんだ。上杉謙信が武田信玄に塩を送ろうとしたが、信玄は、わが方には「塩山」があるので、その必要はないといったエピソードは有名である。以来「敵に塩を送る」は日本の武士道の誉れとされてきた。

塩はまた食物の腐敗を防ぐ力ももっている。そのため人類は古来から塩を清浄のシンボルと考え神聖視してきた。日本でも塩は災いを祓い、不浄を清めるものとされてきたことは、葬式から帰った時、家に入る前に塩で清める習慣や、大相撲の力士が土に塩を撒くことで知られている。

【塩は貨幣】