「拝み勾配」「突っ込み勾配」とは?
トンネルの勾配には、「拝み勾配」「突っ込み勾配」の2種類があります。
多くのトンネルでは地下水が浸水したり、雨水が流入するため、水を排出する必要があります。水は高い場所から低い場所へと流れるため、もっとも簡単な方法は勾配を利用して自然排出する方法です。
トンネルが峠の高い場所にある場合は、トンネルの中心部を最高点として、入口から出口の両方に水を排出することができます。この勾配は、手と手を合わせた時の形に似ていることから、「拝み勾配」とよばれています。
その逆にトンネルの中央に向かって両側から下る勾配を「突っ込み勾配」と呼び、地下水がトンネルの中央に溜まってしまうため、ポンプで排水をしたり、浸水に備えて水門を設置するなど、万全の対策が施されます。「突っ込み勾配」が採用されるのは、他のトンネルや構造物などが交差する、海底トンネルなどの、立地条件上やむを得ない場合に使用されます。