【技術史】不老不死の薬から火薬を発見
夏の夜をいろどる花火大会にワクワクした経験はあるだろうか。花火に使われている火薬は1200年以上の歴史がある。
中国の秦の始皇帝は、不老長寿の薬をつくらせるために、薬草や鉱物などさまざまな物質の組み合わせが試みられました。その中で、木炭・硫黄・硝石の黒色の混ぜ物に偶然、火がつきました。すると、この混ぜ物が火を噴き、大きな音とともに爆発しました。
850年ごろに書かれた道教の経典には、「硫黄、硫化ヒ素、硝石、蜜蝋を混ぜたところ、やけどにとどまらず家を焼いた者がいる」という逸話が記録されている。この火薬は木炭を含むので黒色の粉末になり、黒色火薬と呼ばれています。
プロパンガスやガソリンが爆発するには空気中の酸素が必要ですが、黒色火薬の爆発は火薬の成分どうしの化学反応なので、空気に依存しません。
日本に鉄砲伝来でもたらされた火縄銃も、黒色火薬を用いていました。