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#飛行機

サメ肌塗装で低燃費飛行

サメ肌塗装で低燃費飛行

サメのウロコ1枚には、小さな溝が3本ほど並んだリブレットという構造がある。この構造が、泳いでいる時に体のまわりの水から受ける抵抗を小さくする効果があり、泳ぐために使うエネルギーを減らす事ができる。

JAL、JAXA、オーウエルは、世界で初めてボーイング787-9型機の機体胴体の大部分にリブレット形状の塗膜を施した。さらに、2025年1月中旬リブレット形状塗膜を施した機体を国際線として世界で初めて

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木材で飛行機をつくる

木材で飛行機をつくる

20世紀初頭に生まれた、飛行機のような高度な機械なら最初から金属素材が使われていたはずだと思われるかもしれない。

しかし、エンジンの出力が低かった初期の飛行機において、機体に何よりも求められたのは、軽量であることだった。木材は重量比で見ると金属と同じくらいの剛性を持っているため、初期の飛行機には、木材が大量に使われていた。
 
木材は木目に沿った方向とそれに垂直な方向とで性質が大きく異なる。成形

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飛行機ジェットエンジンの進化

飛行機ジェットエンジンの進化

飛行機のジェットエンジンの目的の一つは、機体の推進力を得ることです。
初期のエンジンはダグラスDC-8のように、エンジンの口径が小さく、少しの空気を速い速度で押し出すことで推進力を得ていました。

現代の旅客機のジェットエンジンはどうなっているかというと、口径が大きくなっています。たくさんの空気をゆっくり押し出す構造になっています。この方が、騒音も小さく、燃費も節約できます。
 

『参考資料』

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(飛行機)ウイングアンチアイス

(飛行機)ウイングアンチアイス

飛行機は高高度を飛行するため気温が低い状態で降雨、降雪時や氷点下の雲の中を飛行します。主翼の前縁に少しずつ氷の層ができ、主翼の形状が変わってしまいます。

主翼は飛ぶための揚力を作り出す重要な部分です。着氷を防ぐためには、ヒーターを設置するなど対策が必要ですが、部品点数が増えると重量も重くなり非効率です。

そのため、エンジンからの高温高圧の圧縮空気を内側から吹き付け、主翼前縁への着氷を防止してい

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防氷装置

防氷装置

飛行機は他の乗り物にくらべて非常に厳しい環境にさらされます。氷点下の雲の中やマイナス80℃にもなる1万メートル以上の高度になると着氷が起こりやすいため、防氷装置が装備されています。
ウィンドヒートは車の後部窓ガラスにもついていますが、構造と目的が異なります。
【車の窓】
電熱線ヒーターが内蔵されていて内側のくもり止めをします。
【飛行機】
窓の全面をほぼ透明な伝熱ヒーター層でおおい、主に外側のガラ

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マンボウからヒントを得る

マンボウからヒントを得る

JAXAが構想中の飛行機は150人乗りで幅55メートル、全長29メートル。胴体と翼が一体のユニークな形にすることで、空気抵抗が大幅に減り、燃料は従来の半分ですむ。

飛行機の構造は筒状の胴体に長い翼がつく形が数十年間ほぼ変わっていない。開発中の「全翼機」と呼ぶ機体は特殊な戦闘機で実現しているが、旅客機に取り入れるにはコストがかかりすぎる。機体の骨組みが複雑になるからだ。

そこで、注目したのがマン

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旧陸軍「赤とんぼ」を最新技術で再生

旧陸軍「赤とんぼ」を最新技術で再生

旧日本陸軍の「九五式一型練習機」を復刻製作する「『赤とんぼ』復元プロジェクト」が進んでいる。かつて同機を製造していた「立川飛行機」の後身に当たる立飛ホールディングスが、創業90年となる2014年に記念事業として開始。3機を製作して飛行させる計画だ。

九五式一型練習機(キ9)は1934年に初飛行して1935年に旧陸軍に制式採用され、初歩課程を終えた練習生が次に乗る中間練習機として、数多くの操縦員を

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