秋の札幌 フェストより旨安ブランチ
食欲の秋。大通公園では今月２９日まで、恒例のグルメイベント「さっぽろオータムフェスト」が開かれています。コロナ禍が明けた昨年の来場者数は２３８万人と、雪まつりやビアガーデンに匹敵する一大イベントになりました。
それでも、です。オータムフェストってちょっと値段が高くないですか？ 礼文島から出店中の屋台で出している「ぜいたく２種食べ比べウニ飯」の価格は３５００円。店を回って食べ比べしようという気には、なかなかなれません。
そんな中、会場から数分歩くだけで、ワンコイン以下で美味しい食事を提供してくれている店が幾つかあります。今回は、午前１１時または１１時半の開店時に並べば、地元民も大満足のブランチをいただける店を紹介します。
まずは道外からの来客をもてなしたい時の海鮮丼から（店名クリックで食べログにアクセスします）。
札幌海鮮丼専門店 すしどんぶり
狸小路５丁目のからくさホテル札幌１階にある「すしどんぶり」では１１時半の開店時から、１日２種類、各１０食限定の通称「ＳＮＳ限定５００円丼」を提供しています。ルール上は１人で２種類注文するのもＯＫなので、１０番目以内に並んでおけば注文できると考えて良さそうです。
私が訪れた時のメニューは「バラちらし丼」と「サーモンの親子丼」。
写真を見ていただければ分かるように、どちらもイクラがたっぷり乗った逸品です。いずれも味噌汁が付いて通常料金１０００円（これでも安い！）なのですが、Ｇｏｏｇｌｅの口コミ、Ｉｎｓｔａｇｒａｍ、Ｘ（旧Ｔｗｉｔｔｅｒ）のいずれかへの投稿で半額になります。１杯でもけっこうボリュームありますが、２杯食べると「北海道バンザイ！」って叫びたくなります。
店の外に張り出されているメニューを見ると、どれもけっこうなお値段なので、５００円丼があることに気付かない人も多そうです。
海鮮も食べたいけどお肉も食べたい。そんな贅沢をかなえてくれる店が、すしどんぶりから徒歩１分のこちら。
豚と魚 藍（あい）カタ
基本、夜は居酒屋さんで、その食材を余すことなく生かしているのが、平日限定の「完全赤字 クマゴリラのきまぐれワンコイン定食」。提供時間は１１時の開店から３０分間のみ。店員さんによると、「毎日約２０人分を用意し、店内にお客さんが埋まったら売り切れ」という超人気メニューです。
ここの面白さは、開店直後の店に入ると、注文しなくてもこのメニューが出てくる（それ以外を注文するお客さんがいないため）のと、複数で訪れてもメンバーによって料理が違うことがある点。
例えば私に提供された日替わりメニューはこれでした。
カツオのたたき丼に本マグロ刺身、サンマ煮付けに加えて、卵でとじた豚かつ煮まで付く充実ぶり。
私より前に並んだお客さんにはカツオ丼の代わりにサンマの塩焼きが提供されていました。サラダと味噌汁が付き、ご飯の大盛りもサービスで５００円というのは確かに赤字なんじゃないかと心配します。
心配ながらも毎日でも通いたい店なのですが、準備が大変みたいで、平日のランチをお休みする日もしばしば。日程は店の入り口に張り出されているほか、Ｉｎｓｔａｇｒａｍでも発信しているので確認してから訪れるのをおすすめします。
最後に美味しいお肉の丼をいただきましょう。狸小路５丁目のすしどんぶり向かいにあるお店がこちら。
ＳＡＰＰＯＲＯ餃子製造所 狸小路店
１１時の開店直後になくなってしまう平日１日５食限定のメニューがＴＫＧ（一口ザンギがのった卵かけごはん）。具だくさんの豚汁がセットで、何とワンコインに満たない税込み４５０円です。すごっ！
そして、注文すると出てくるのがこちら。一口ザンギが丼をはみ出してる。すごっ！
ここの店、大ぶりの餃子とともに人気のメニューがザンギ。知らない方も多いと思いますので補足しますと、北海道では鶏の唐揚げのことを「ザンギ」と呼びます。鶏肉を醤油ベースの甘辛いタレに漬けこみ、しっかりした味を付けてから揚げるのが特徴です。
このザンギ、単品だと３個で５２０円しますし、ランチメニューでも９００円します。何で破格値で出しているのかというと、メニューの添え書きにもある通り、ザンギを仕込む際に出る小さなお肉を使った訳ありの逸品なのです。端材をうまく活用するなんて、ＳＤＧｓの概念にもマッチしています。
名物のザンギを、生卵、薬味のネギと混ぜ合わせれば北海道ならではのＴＫＧ丼が完成。これが４５０円だなんて正直、信じられないです。
こうして並べてみると、大通公園の南側、狸小路周辺に安くて美味しいブランチ（ランチでももちろんＯＫ）の店が集まっていることに気付きました。「さっぽろオータムフェスト」もいいけど、狸小路周辺での腹ごしらえをおすすめしたいと思います。
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