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【初見】およそ800年前から今日まで続く、鶴来の「ほうらい祭り」に行ってきた
*歴史考証や間違い探しをしにきた人はwikipediaでもご覧ください。
2022年、令和のこの時代に、800年以上も前に始まったお祭りがあると聞き、特に地元の人向けの色が濃い昼に伺ってきました。
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もともとは加賀の国司(国から派遣された行政官)に不満を持った僧兵たちが自分達の主張をするために神輿を担いで国司を比叡山延暦寺まで追い回した歴史に端を発します。
その際、朝廷の鎮圧で引き揚げをやむなくされた神輿の中で、金劔宮の神輿のみが無事帰還したため、縁起を担ぎ、現在は五穀豊穣と来る年の無事を祈るお祭りとして現在までも残るお祭りです。
*出典:石川県白山市が発行しているフライヤー
神輿で滋賀まで追い回すとか、渋谷から新潟までラジカセ担いだパリピに追い回されるみたいなもんです。怖すぎ。
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コロナウィルスの兼ね合いもあってか、普段だとお家の中に参加者を招き入れる「よばれ」という振る舞いが、どのお家もガレージや軒先で飲食物を提供しているスタイルで実施されていました。
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私も知人の義理の実家についたそばからお酒と定番の笹寿司を振る舞われ、はずみをつけて祭りの会場へ参加しました。ちなみに、普段は各家それぞれの料理を振る舞い、あの家はあればおいしい!みたいなことが毎年起こるらしいです。
1時間ほど町内会の襷をかけた知人のお義父さんに話を聞き、造り物の上に乗る「団長」がどうやって選ばれて、その中から神輿の奉納をする人をどう決めていくかというレアな話を伺い、相当面白い時間を過ごしました。
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祭りの主なコンテンツは、町内の人々が「造り物」と呼ばれるさまざまな意匠の大きなオブジェを艶やかな法被を着て担ぐ町内会対抗戦、初老会と呼ばれる40,41歳の人々が白い袴を着て神輿を担ぎ神社に奉納する御神輿、獅子を倒すことがメインの、「棒振り」と呼ばれる3種類です。
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祭りのひと月前から町内総出で作られる造り物は、ガチで気合が入ったものばかりで、意匠はさまざまですが、圧がとんでもないです。
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40.41の厄年の人々が神輿を担ぎ、神社に奉納する御神輿はマイルドになりつつもこの日ばかりは目に光を宿すダンディたちに溢れます。すごい飲んでます。基本。
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鶴来ではよく見る獅子舞が40倍巨大で、胴体の中でお囃子を鳴らし、巨大な頭をたくましい男が右手にはめるトランスフォーマースタイルです。その上、獅子舞は主役ではなく、その獅子を倒す「棒振り」と呼ばれる連獅子のようなかつらをかぶる、槍、太刀、鎖鎌(尺八なんかもあるらしい)を持った若い衆が怒声を上げながら舞うのがメインです。怖いです。
そのほかにも「バクメン」と呼ばれる、「なまはげ」のような、とにかく子供を泣かすことに特化した鬼が一斗缶をひきづりながら歩いていたり、出店でも賑わうとにかく情報量の多いお祭りです。
参加しただけでも相当楽しかったお祭りですが、何よりも地元の人々の気合が相当なもの。
たとえば、「造り物」は10時間かけて街を一周する中でお店やお家を周り、花(ご祝儀)をもらって周り、その花はそのまま町内会費として翌日(毎年必ず祝日)の慰労に使われるのでみんな真剣。花をもらう度に述べる「口上」という語りもめちゃくちゃ気合が入ってて緊張感があります。
そんな「ほうらい祭り」ですが、過去は町内単位で若者が集う娯楽の期間(棒振りを練習したり、飲んだり、造り物を作ったり、飲んだり)するエキサイティングな1ヶ月としても、お母さんたちは「よばれ」の振る舞いをすごい量作ったりする育みの期間としても、地元のコミュニティをうなるほど活性化するイベントだったという側面もあります。
だいたいマンションに住んで生きてきたので、地域交流や貢献は縁遠いものでしたが、自分が触れなかった世界線の熱狂の1日を体験できました。
来年は夜も楽しめるといいな!