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しぬステは斬新な理由で2回見るのが面白い -舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」ネタバレなし紹介とバレあり感想-


8/24 追記


ロナルド役である鈴木裕樹さんを一文字違いの別の方(鈴木拡樹さん)と間違えると言うどうしようもないミスをしていたので訂正しました。
舞台のファンの方、鈴木裕樹さんのファンの方、鈴木拡樹さんのファンの方、本当に申し訳ありませんでした。

はじめに

 最近舞台『吸血鬼すぐ死ぬ』(以降、公式略称の"しぬステ"と表記。)を見たんですが、再現度は超高くて舞台ならではの演出も面白くて、ストーリーも「いい着眼点だな~」と唸らされる展開あり…とめちゃくちゃ面白かったので感想を書きました。
 そしてある斬新な理由でしぬステは見終わった後もう一度見返したくなる。その斬新さも紹介したいんですが舞台の面白さの核な部分もある…ので

  1. 原作は見てるけどしぬステは見てない人向け、無ネタバレ紹介

  2. ストーリー展開等に触れるわけではないけど一応ネタバレでもあるので大丈夫な人向け、半ネタバレ紹介

  3. 既にしぬステ見た人向け、ネタバレしかない全ネタバレあり感想

 でお送りします。


どうでもいい視聴経緯

 チャンピオンクロスで漫画版の全話無料やっていて見る(この期間で見切れるわけねぇだろ!で単行本買って最後まで見た)
→面白かったのでアニメを見る(1期2期共に全部見た)
→舞台版の存在を知る
"ロナルド役の鈴木拡樹さんってスーパーダンガンロンパ2 THE STAGE 〜さよなら絶望学園〜2017の狛枝凪斗役の方じゃん!!"をきっかけにDVD注文
8/24 追記
ロナルド役は鈴木拡樹さんではありません。しかしこの間違いがきっかけなのはアホすぎる事実であり実際注文した当時から感想を書くまで抱いていました。
本当に申し訳ありません。

→面白かった!!!!!!!
 とりあえず原作は全部見ましたがファンブックとかは見てません。よろしくお願いします。


見る方法

 しぬステは配信が存在しないのでAmazonとかでDVDを買いましょう。1万円ぐらいするけど後悔しないぐらい面白いよ。




ネタバレなし紹介

舞台上にあの人気キャラ達が大集合!

 吸血鬼すぐ死ぬと言えば"吸血鬼Y談おじさん"だの"吸血鬼ゼンラニウム"だのといったもう名前からして濃すぎるキャラ達。そのキャラ達がとにかく入れ替わり立ち替わりで出てきます!どんどん!次から次へと!
 DVDパッケージやキービジュアルにはロナルド・ドラルクとその仲間達…の16人しか映っていませんが、蓋を開けてみれば「え!?こいつ舞台セーフなの!!??」というヤバい吸血鬼まで出てきます。お楽しみに。
 とりあえずY談おじさんとゼンラニウムは出てきます。この2人が許されてるのでマジで大体セーフです。


再現度も当然完璧!

 いくら原作の人気キャラ達が出てくると言っても、肝心の再現度が高くないと台無し。そこはもう当然完璧です。舞台を見るたびに思うんですが最近の舞台の原作再現度は凄い。
 ロナルド役の鈴木裕樹さんは何よりも顔の演技が完璧。黙っているときはただのイケメンなのに、セロリに泣いたりドラルクにブチ切れる時は一瞬で魂の変顔に早変わり。この表情の豊富さがロナルドって感じです。顔の演技が強すぎて変顔一つ一つが"イケメンが変顔すると面白い"というギャグにすらなってます。そしてツッコミも常に全力で、とにかく魂張りまくりの演技を見せてくれます。
 ヒナイチ役の其原有沙さんは声がアニメ版とそっくり!顔の雰囲気で似せに来ているロナルドとはまた違った形の再現度。クッキー食べてるとことかかわいい。一人だけアドリブに対して笑いをこらえるのが超下手だったり、かわいさという点で再現度が高いです。
 フクマ役の寿里さんは"迫力"という点での再現度が凄まじい。実写にすると自分の背丈の斧を持っているというのがあまりにも異質で怖すぎる!そしてそれを引きずるカラーン…カラーン…という音がこれまた怖い!そしてその斧を振り回してくるものだから怖いなんてものじゃない!迫力に関してはもはや原作を超えたと言ってもいいぐらいの恐ろしさでした。
 そんな感じで主役から脇を固める仲間達までしっかりと演技派が勢ぞろい。しぬステの再現度は凄いぞ!


とにかく舞台ならではの面白さが盛りだくさん!

 個人的に舞台を見る上で一番の評価基準になっているのが、"舞台ならでは"な要素。例えば舞台ダンガンロンパは原作がアドベンチャーなので、立ち絵だけだったキャラが常に動いてる時点で感動。会話シーンの横でスポットライトが当たってないキャラが他のキャラと話していたり一人で何かやっていたり…そういう舞台でしか見れないシーンや描写が何よりも大好きです。
 そしてギャグが原作のしぬステには、舞台だからこそのギャグがふんだんに盛り込まれてます。今作のドラウス役の今拓哉さんは元劇団四季、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でメインキャストを担当していたというあまりにもガチガチのミュージカル俳優。
 この配役からもわかるようにしぬステ、頻繁に歌います。ドラウスはその美声でオペラな曲を歌い上げるし、ドラルクも負けじとすごい歌唱力で何回も歌う。
 しかしそこはギャグ漫画原作。場違いな場面で歌う登場人物に対して「え…この人急に歌いだした…」というメタツッコミあり、そもそもドラルクがめちゃくちゃ歌上手かったり急に歌いだすだけで面白いというギャップあり。ちょくちょく挟まる歌は作品の雰囲気を崩すということもなく、舞台ならではのギャグ要素に仕上がっています。

 他にも舞台ならではのギャグ演出が盛りだくさん。実写でどう表現するんだ?筆頭のドラルクの死に方はまさかの完全アナログ。ドラルクの頭上から”ドッキリの落とし穴に詰め込まれてるちっちゃな発泡スチロール"が大量に降ってきて砂になるのはあまりにも力技。それ以外にも様々なアナログ砂のなり方があって、死に方ひとつにすら見てる人を楽しませる工夫が詰まってます。
 そしてスナァ…がアナログなら、それ以外の何もかもも完全アナログ。ジョンは後ろで黒子が操ってるし、ゼンラニウムのツタもアクションシーンで人を引っ張り上げるやつも全て人力。
 プロジェクションマッピングとかで済ませてもいいところをあえて人力でやることで"舞台ならでは感"が生まれるし、いい意味でチープな演出だから(アナログでやる手間を考えると全くチープではない。絶対デジタルの方が楽。)吸血鬼すぐ死ぬの雰囲気にも凄くマッチしている。常に観客を楽しませようとしてるんだな~と思う凄く好きな演出です。
 そういう感じで130分ギャグ盛りだくさん。原作のノリをしっかりと舞台に昇華した見ていて飽きることのないハイテンポ舞台。それがしぬステ。見てないなら見よう!!!見ろ!!!



↓ここより下から半ネタバレ紹介です。ネタバレ注意。



半ネタバレ紹介

(うっかりネタバレを見ないための空白始まり)












(うっかりネタバレを見ないための空白終わり)

超斬新!〇〇〇〇〇〇〇が〇〇〇〇

 このしぬステは、メインキャストがサブキャラはもちろんナレーション、ジョンの声、そしてなんと黒子まで、とにかく全てを兼役しています。
 
どういうことかわからないと思うので説明すると、ゼンラニウムみたいな登場人物の欄に書いてないサブキャラの方たち…というかメインキャラ以外の全てのキャラはメインキャストの誰かが兼役しています。ゼンラニウムが舞台上にいるときその人が演じている他のキャラは舞台上にいません。
 そしてドラルクにタライで”ドッキリの落とし穴に詰め込まれてるちっちゃな発泡スチロール"をふりかける黒子も、その時舞台上にいないメインキャストが兼役。アクションシーンでキャストを持ち上げる黒子もメインキャストが兼役。ジョンを動かしている黒子もメインキャスト、具体的に言うとコユキ役の知念紗耶さんが兼役。そんな感じでしぬステにはアンサンブル(※アンサンブル:役名がないキャラを演じる人。)が存在せず、16人だけで全てが完結しています。
 キャラが50人以上登場する舞台を16人で回してるんですよ!?まずその事実がアナログすぎて面白い。どれだけ早着替えしてるんだろうと思うと面白い以上に凄い。そして何より、一人の俳優さんが他のキャラも兼役しちゃうというのがあまりにも舞台ならではなギャグすぎて面白い。
 原作の再現度が高いからこそ、「あのヒナイチくんが早着替えして吸血鬼になったり黒子になったりしている…!?」というギャップの面白さが自然に生まれてくる。しかもそれが全員分。そういう構造を作ったこと自体が凄いと思います。

 こういう舞台って好きなキャラの再現度は高くあってくれ!と思うのが普通じゃないですか。でもそれとは別にせっかくの別媒体なんだから「好きなキャラの新たな一面も見たい〜!」という思いもあるんですよ。でもキャラを変えすぎちゃうと再現出来てない!と思っちゃう。なんてわがままなんだ俺は。
 そこを「じゃあ同じ役者に別のキャラをやらせよう!」で解決したのが凄い。もうシンプルに好き。斬新。役者さんのファンも役者さんの別の一面が見られて嬉しい。(ぼくは舞台はほぼほぼ舞台ダンロンから入ったのでこういう前例があるよとか言われても知らぬ!通じぬ!)そういう訳でしぬステで一番衝撃的だった演出(演出?)でした。

 それを踏まえてまず最初は「こんなに次から次にキャラ出てくるけどキャストは16人」ということだけ頭に入れておき「このキャラもしかしてあの人か?」とか考えながら楽しみ、
 後でキャスト表を見て「このキャラ半田役の人だからここで半田退場したんだ…」とか考えて見返すと楽しいんじゃないかと思います!誰が誰を演じてるか把握する作業すら面白いの凄い。

 ちなみになんですが、当時舞台を見た人はパンフレットに兼役の情報が全て書いてあったのでそれで見る前から兼役がいっぱいあるというのを知れたらしいです。
 こっちはDVDで見たからパンフレットなんて無いよ!アルティメットノー情報だよ!



↓ここより下から全ネタバレ感想です。改めてネタバレ注意。




ネタバレ感想(メインキャスト中心)


ドラルク(演:山本一慶)

兼役…なし。

 普段の声は原作よりも渋くて畏怖感バリバリ、かと思えばスナァ…する時やギャグシーンでは原作っぽくなる。ヒナイチくんやジョンとのアドリブも軽快にこなし笑いを取る。いちいちハケる黒子にありがとうねとか言ってるのはギャグでもありドラルク本来の紳士さの表現にもなっててうまい。
 そして何より歌が上手い。「舞台版の私は歌えるんだよ」というセリフの通り、舞台版のドラルクはとにかく芸の幅が豊富。もう流石W主演。

 結構歌が多いしぬステ、その中でもドラルクとドラウスとY談おじさんの吸血鬼三人が特に歌がうまかったんですが、ドラルクの役割は明るめな曲担当。ミュージカルライオンキングのイノシシの歌みたいなああいう感じ。ああいう感じの大きめな身振りと抑揚で歌うアレ。
 コミックソングでいいんでしょうか、とにかくああいう朗らかな歌い方が吸血鬼すぐ死ぬの世界に合っていて、え歌うの?しぬステって歌うの?と困惑していた俺を困惑から引き戻してくれました。
 W主役なだけあって書けることがありすぎて書ききれなくなるので残りは省略しますが、とにかく吸血鬼すぐ死ぬの舞台のW主役という大役を任されるだけある名演でした。
 好きなシーン…城が燃えた後に、黒子が用意してくれた発泡スチロールを自分から被るやつ。間を活かした笑い。


ロナルド(演:鈴木裕樹)

兼役…なし。

 ツッコミが常に全力。常に起こりまくるボケを声を張って拾いまくる。2時間ずっと。歌いまくり体動かしまくりで絶対体力ヤバい中で。それだけでなんというか流石W主役という感じ。
 フクマさんとの電話中とか、アップになるとめちゃくちゃ汗かいてるのがわかる場面が何回かあったんですよ、最初は「舞台裏で顔に霧飛ばしたのかな?」と思ってたんですがあれだけ全力だったらそりゃ汗もかくわ。ドラルクが喉を張るならロナルドは体を張る。また違った形で主役らしい名演でした。
 そしてツッコミ力も凄いんですが何よりも顔の力が凄い。あの目を見開いた例の顔。舞台スーパーダンガンロンパ2で一番有名であろう例の狛枝のあの顔。あのパワーのありすぎる顔が何回も出てきて、舞台スーダンファンとしても大満足。ロナルドにこの顔をさせたいが為のキャスティングだと勝手に思ってます。

8/24 追記
ロナルド役は鈴木拡樹さんではありません。鈴木裕樹さんは「獣拳戦隊ゲキレンジャー」のゲキレッド役、「初代テニミュ」の2代目大石秀一郎役などで有名な別の俳優です。
この部分は完全に鈴木拡樹さんと思い込んで書いた感想なので訂正のしようがありません。戒めとしてこの文を残しておきます。本当に申し訳ありません。

 そんな訳で全編に渡って大活躍なロナルドなんですが、中でも印象的だったのは"マイクロビキニになってから舞台上で生着替えして元の恰好に戻る場面"。文字にすると謎すぎる。
 舞台で着替えるという謎ーな間も面白かったんですが、笑いの後に「その肉襦袢下に着てたの!?舞台始まってから今まで!?でこれからも着るの!?」という驚きがやってきて二重に凄いシーン。
 サテツが服の下に肌色のなんか着てるなー…って見える場面があったんですがまさかあれがマイクロビキニだとは…。ギャグとしてだけでなく、衝撃のネタバラシとしても機能してて印象的でした。
 好きなシーン…裸にはカーディガン派。


ドラウス(演:今拓哉)

兼役…冒頭のナレーション、へんな動物(声)

 とにかくいい声。この人が歌いだすだけで空気が変わるぐらいの本気のオペラ、ミュージカル。独唱だけでも声の張りが凄まじいんですが、ドラルクも加わっての合唱はもうとにかくハーモニーが美しすぎる。本物のミュージカル顔負けなクオリティ。

 ドラウスが新横の街にドラルクを探しに行く話が好きなのでそこをやってくれたの嬉しかったです。あれとお祭りの屋台の話が特に好き。好きな話なだけに歌まで入って演出が大幅にパワーアップしていて大満足。城にいたころのドラルクの回想も、短いながらドラルクの幸薄そうな感じとかドラウスとの距離感とかが表現されてていい。ギャグだらけなしぬステにいい歌やしんみりするテイストを加えてくれた名キャストだったと思います。
 かと思えば「おっぱいの匂いはいい匂い」だとか原作通りのギャグはちゃんと拾ってくれるしそもそもへんな動物の声と兼役なのでそこはやっぱりギャグ作品の人間(人間ではない)。しかもへんな動物の声ちゃんと似てたし。しかもへんな動物で歌ってるし。
 最終的にはしぬステの鉄板ギャグである"いい感じの曲調だけど歌詞はバカ"もやってくれるしギャグ部分でも目立ちまくり。原作以上の畏怖さがありながらちゃんとギャグもやってくれる。さすが古き血の吸血鬼って感じでした。
 好きなシーン…ロナルドがうだうだ言ってる間にロナルドウォー戦記を読んでるとこ。ああいう"誰かが喋ってる間に喋ってない人が横でなんかリアクション取ってる"って舞台ならではで好きだしその後わざとらしく煽るのもいい。こういう地味な所にも原作以上の畏怖さが詰め込まれてます。
 ただこのシーンもいいけどポール君の歌のシーンも捨てがたい…。絶対ロナルド笑ってるし。


ヒナイチ(演:其原有沙)

兼役…クソガキ、セロリダンサーズ1吸血鬼マナー違反のグール1

 ただただかわいい。声が似ててかわいいし、アドリブに弱くて(アドリブをするのがではなく、他人のアドリブで笑いをこらえるのが苦手という意味。こういうの舞台ならではで好き。)ドラルクやゼンラニウムや加藤新一に毎回笑わされてるのがかわいい。
 ドラルクと初対面の時凄い慌ててるのかわいい。他のセロリダンサーズが着替えて黒子服な中、一人だけヒナイチくんのままでセロリ振り回してるのもかわいい。冷静になると何やってんだ。
 ちゃんと床下から出てくるのもかわいいし出てきたらクッキー貰って食べきれず困ってるのもかわいいし次の舞台からコーヒー持ち込んで優雅にコーヒーブレイクしてるのもかわいい。ちんちん。
 兼役に関してはヒナイチくんで出ずっぱりだったのもあって少なめ。クソガキ兼役だとは全く気づきませんでした。この舞台実は16人だけなんだよとかわかるか!こっちはパンフレットすらなく完全ノー前情報で見たんだ!
 そして兼役で出てる時ですらかわいい。側転出来てなかったけどかわいいからオッケー!
 好きなシーン…Y談、Y談、ちんちん、ちんちん。


半田(演:吉高志音)

兼役…吸血鬼デカい蚊、吸血鬼野球拳大好き 

 黙ってれば仕事が出来るのにロナルドへの嫌がらせに関してだけは空回りしまくる男。その空回りっぷりが自らの歌パートで見事に再現されてました。
 いかにも悲劇的な過去を歌いますよーって曲調なのに歌ってる内容が「お母さんがお前の本のファンになったからセロリを振り回す」って。しかもやっぱりいい声で。それになんかセロリ振り回してるし…。というかよく聞くとこの歌無限ループじゃね?
 歌がある系の舞台だからこそ出来るギャグでもう笑いっぱなしでした。あと真面目な曲調だからこそ半田本人は真面目にやってるのが表現出来ててよかったですね。
 そしてその半田(役の吉高志音さん…まで書くべきだと思いますがわかりやすさを優先して以降はキャラ名のみで表記します)が兼役していたのはまさかの吸血鬼野球拳大好き。どこか千葉繁さんを感じさせる高い声とそれ以上にめちゃ高いテンション。
 半田と同じ方とはわからなかったぐらい別物の演技で「演じ分け凄いな~」とかも思ったんですが、なんというか物販グッズのペンライトを使うのが野球拳大好きとかいう変な人が出てきて観客参加型野球拳ライブをするシーンでしかもそのシーンがめちゃくちゃ盛り上がるのってこの舞台だけだと思います。本当にくだらなすぎて大好き。ただ個人的には「野球するなら~」から始めて欲しかった。でもそれぐらいしか不満がないぐらい半田も野球拳大好きも良かったです。
 そんな感じで素晴らしいバカを残していった野球拳大好きなんですが、まさか再登場するとは思ってませんでした。あの2人の活躍はY談おじさんの部分で。
 好きなシーン…窓落ち。え、あのシーンやるの?あのシーンやるの!?やったーーーーー!!!??大好き。


サテツ(演:重松直樹)

兼役…ケイ・カンタロウ、吸血鬼ゼンラニウム(2回目)

 まず体格がちゃんと大きい!みんなと並んだ時にちゃんと背は高いのがわかる。大きいキャラはちゃんと体格が大きい俳優さんを起用する…というのは基本だとは思うんですが、それでもちゃんとやられると嬉しい。そしてその巨体でありながら、いや巨体だからこそより動きがダイナミックになってキレキレに見えるのか。Y談おじさんの歌のバックダンサーで踊ってる時のキレが凄い。
 演技も細かいところまでサテツっぽかったと思います。何かある度にみんなの横でひっそりと謝ったりとか頭下げたりとか、そういう"誰かが話してる横で周りがリアクションしてる"、いわば見られてない時の演技までちゃんとそれっぽいのが良かったです。こういう時の反応にキャラの個性が出るの大好き。
 2回ぐらい流れるサテツのテーマ曲?がギターソロなのまでなんかそれっぽかったです。確かにギターソロ感ある。

 兼役のケイ・カンタロウも要所要所で目立ってました。この人に関しては、あの「あります!」という喋り方で登場するだけでわかる人には"あ!この人原作の!"とわかる演出になってるのが憎い!あとナギリに斬られた時の悲鳴があまりにも迫真すぎる。吸血鬼すぐ死ぬで出してはいけないぐらいの全力の痛がり方。
 ところで舞台の世界線だとナギリが捕まってるので彼が吸対に入ることもないと思うんですが…続編出たらどうなるんでしょうか?まあ続編出たら「前作とは別の世界線なんだよ」だけで終わらせて弱体化したナギリも吸対に入ったカンタロウも出そうな作品ではある。
 好きなシーン…ゼンラニウムで登場した時、絶対台本には書いてないであろうダンスしまくりな退場をしたらヒナイチくんに「欲しがるなよー!」とツッコまれたとこ。


ショット(演:二葉要)

兼役…第一話の民衆(モブ)、ゼンラニウムのツタ2、ブブオ(1回目・2回目)

 流石に漫画的な目の影はありませんでしたがそれでもメイクでちゃんと(現実的な)影がある。ちゃんとムダ毛の話もしてくれるし"俺がバカだった失恋話"もしてくれる。しかもバカだった話は日替わりネタで何パターンもあるというファンサービス具合。お前アンチクリスマス会とかやってるようなやつだろ…!そんな悲しいエピソードあるのかよ…しかも何個も…!
 そういえばショットさんといえばロナルドとつるんでバカやってる印象なんですが、尺の都合でそういうシーンがなかったのが寂しい。まあそこは次回作あるならぜひという感じで。あと吸対のみんなも。あとヨモツザカさんも。…次回作ありますよね!?

 次回作のことは置いておいて、しぬステのショットさんを語るとなると兼役のブブオを欠かすわけにはいかないでしょう。
 一言で言えばアドリブの鬼。まず原作通りにエリちゃんを人質に取って登場し、エアギターと共にアドリブを披露。吸血鬼の砂とか物販で売ってたんだ…。そして2回目の登場シーンでは幕も降りている中、まさかのブブオ一人喋りっぱなしのブブオ劇場。
 ここでの喋りがとにかく軽快すぎるし、ブブオらしくちゃんとバカ。「俺と付き合ってもいいって人いたら手を~」のネタって、本来はブブオのキャラ的に誰も上げない方が笑いにしやすいと思うんです。観客としても緊張して上げにくいし、上げないの時の返しを想定してるはず。そこを「いるー!いや~ブブラーが最近増えてて~」でブブオっぽく(バカっぽく)笑いに出来るの凄い。
 そして何人か上げてるのが続いた後、よりにもよって大千穐楽でやった時はゼロ人!それを「最後の最後でゼロ!?」と笑いに出来るのがやっぱり凄い!そしてこの喋りが全てアドリブで毎日変わるというあまりにも凄いファンサービス!
 最初見た時は「ブブオが出てくるだけで笑いが起きるの何なの!?」と思ってたんですが、このナイスアドリブが何公演も続いた後、ついに大千穐楽で(収録されてるのは大千穐楽の公演です)待望の登場!となればそりゃ拍手も笑いも起きるよなと今にして思えば納得。
 3回目の登場シーンではもうこっちも出てくるだけで爆笑。まさにしぬステのバカさ加減を象徴するキャラだったと思います。まあ3回目のブブオは別人(ショットが舞台上にいるのでメドキ役の大見洋太さんが兼役)なんですが…。
 好きなシーン…
"女の子がのびをしたときにチラッと見える脇のそり残し"が落ちてくるとこ。"女の子がのびをしたときにチラッと見える脇のそり残し"が落ちてくる何?


ボボオ(演:ウラシマ)

兼役…クソガキの残像1、メビヤツ隊1、吸血鬼ゼンラニウム(1回目・3回目・4回目)バカに力を(後半) 

 見る前は「え…?ボボオがメインビジュアルなの?」と思ってたんですが…いやだって他にもイケメンとかいる中でボボオだぜ?と思ってたんですが、見ているとボボオがロナルドの事務所に駆け込んでくるだけで「ああ、舞台だろうといつもの吸血鬼すぐ死ぬだな~」と安心する。
 ドラルクがドアに挟まれるやつもちゃんとやってくれるし、特にY談おじさんパートに入る前に言ってた「全裸の女に何か着せるとしたら~」はいわばY談おじさん確定演出。この一言だけで観客が少し湧いたのがしぬステでのボボオの活躍の象徴だと思います。
 舞台版はどのエピソード拾ってくるのかな?とワクワクしている観客に対して、ボボオが事務所に入るなりの一言で"次に出てくる吸血鬼はあいつだ!"とネタバラシをすると同時に更なるワクワクを煽る。そして「全裸の女に~」だけでY談おじさんだ!とわかるのは原作ファンだけなのでファンサービスにもなってる。
 そして常にそれを持ち込んでくるボボオは新横の日常の象徴であり吸血鬼すぐ死ぬのバカさの象徴。そういう訳でしぬステには欠かせない存在なのかな~と思いました。ちょっと強引かもしれない。

 そしてボボオの兼役も全力でバカやってます。クソガキの残像は"1人だけ妙にデカい残像がいるぞ!"という舞台ならではのギャグであり、こんなに早く舞台移動できるわけないよな一人妙にデカいの出てきたし…この舞台何か変…と観客に思わせる先駆け的存在。(俺は最後まで16人しかいないのには気が付かなかったけど!)
 ゼンラニウムはまあ原作での出演量を考えれば当然の出演なんですが裸OKなんだ!?という驚きが先に来る。「植物を操る吸血鬼」ってゼンラニウム確定演出を聞いた時はびっくりしました。キャスターで転がりながらサイコクラッシャー突進してくるのとかバカすぎる。
 3回目の出番の去り際には日替わりアドリブで大爆笑を搔っ攫っていくし(イエベとブルベって何?と俺がピンとこなかったのは秘密。)、4回目の出番ではナギリから子供たちを守るというかっこいい一面も披露。まあこいつ常に全裸なだけでかなり善良側だからそりゃ守るよなと。見た目のインパクトだけではなく話術でも笑いを取るしかっこいい一面も見せるという大活躍でした。
 好きなシーン…3回目の出番の日替わりアドリブでツボにハマる人が日によって違うところ。


Y談おじさん(演:OH-SE)

兼役…舞台振付(実質兼役なし。)

 原作と同じぐらい、もしかしたらいや原作以上に渋くてカッコいいわ歌はうまいわドラルク達と共同戦線で敵を倒すという激アツのオリジナル協力展開があるわ、出番は後半だけなのに目立ちまくり活躍しまくり。Y談おじさん確定演出だけでちょっと湧くのもわかるぐらいの活躍っぷりでした。

 Y談おじさんが出ると知った時に一番気になったのが"どうやってY談するのか?"なんですが、(自分は日替わりY談とかありそうだな~と予想してました)、Y談おじさんまで歌うのは完全に予想外でした。考えてみれば歌詞だけで笑いが生まれるし渋いおじさんというおいしいキャラだしでY談おじさんほど歌うのが映えるキャラはいない。その発想を予想できなかったのが悔しい!
 あといい感じに"強敵に立ち向かおうとする主人公にアドバイスをくれる敵でも味方でもないポジ"になってるのも悔しい!カッコいいのが悔しい!考えてみれば古き血の吸血鬼なんだからそのぐらい達観してる奴ではある。
 そして問題のY談結界のシーン。ここでこのシーン回収してくるか!回収の仕方がうまいな!という驚きだとか原作だと暴れるためだけにやってたアレをロナルド達の手助けに使うなんて…という感動だとかY談おじさんとロナルドが手を組むなんて…という熱さだとかで泣きました。吸血鬼すぐ死ぬで泣くとは思ってませんでした。
 シリアスな戦いなんてやってられるか!吸血鬼すぐ死ぬはバカをやるんだよ!という展開が本当に良くて…それでいてY談結界なんてバカそのものだし…でなんというか色々と来るものがありました。俺はY談おじさんに泣かされた男。
 好きなシーン…ドラウスのソロ歌を横取りしてY談歌にするとこ。生きてるだけでラッキーさ。ラッキースケベさ。って歌詞バカバカしすぎて大好き。


フクマ(演:寿里)

兼役…ゴウセツ(マスター)、加藤新一(新横浜少年退治人隊の一番大きいの)、セロリダンサーズ3、吸血鬼下半身透明、辻斬りナギリ

 間違いなくしぬステ影のMVPな男、それがフクマさんです。フクマさん本人は最序盤と最終盤2回だけの出番ながら、その2回だけで強烈なインパクトを与えてきてもう忘れられない存在。
 とにかく迫力が圧倒的。既にネタバレなし紹介で書いたんですが自分の背丈の斧を引きずってるのが怖すぎる。それを引きずるカラーン…カラーン…という音も怖い。それを振り回してくるから怖すぎる。そういえばゴウセツさんも長い得物振り回してたな。(大体ネタバレなし紹介の流用。)この迫力は実写ならではだったと思います。凄い再現度でした。

 そして兼役も印象的なキャラが勢ぞろいです。加藤新一(新横浜少年退治人隊)は大きい子供というわかりやすいギャグ。これも兼役ならでは舞台ならではのネタで好き。
 吸血鬼下半身透明の「下半身透明って言うけどあんまり透明じゃない」ってネタも好きです。実写だからね…。実写だと透明なんて無理だもんね…。下半身透明は対人間靴下コレクションのおとり役や三兄弟のライブの進行役で活躍…三兄弟のライブってなんだよ冷静に考えると。
 ゴウセツさんはメインビジュアルにいなかったから娘さんは出るのに本人出ないの?って不安だったけど出られてよかったね…。吸血鬼退治人の歌の時の声かっこよかったです。

 そして一番驚きだったのがナギリさん。まさかの登場でまさかの大活躍。舞台化するにしてもどうやってオチつけるのかな?どの話オチに持ってくるのかな?と思ってたんですがここでIF展開をやってくるとは!カメ谷の語りも引き込ませてくるしで膝を打つ展開でした。
 確かにあそこで人形を持ってかなければあり得るよな~という納得のいく展開だし、何より原作でつねにやつれてるナギリさんを見慣れているからこそ全力時のナギリのギャップが凄い!怖い!狂気的!そして何より強すぎる!!
 半田とヒナイチくんどころか吸対+退治人ほぼ全員を同時に相手にして勝ててるの強すぎませんか!?そしてそんなに強いのに、結局はバカ空間とY談結界の前にやられてしまう。どんなにシリアスでも最後はバカの前に倒されるのがすごく吸血鬼すぐ死ぬっぽくて最高。
 考えてみれば吸血鬼すぐ死ぬの世界にシリアスな空気を入れられて、かつシンプルに悪役をやってくれるのはナギリさんぐらい。もうナギリをラスボスにしよう!と思いついたのが凄い。
 "原作が完結してない作品の舞台、どこでオチつけるんだ?"問題を見事に解決してくれた、しぬステ影のMVPにして最高のラスボスでした。
 好きなシーン…最後のシーンで降参って書いた紙を掲げて降参してるとこ。実はこの紙、冒頭のドラルク城のシーンでドラルクが見逃してくださいって掲げてる紙を再利用してるんです!2回目見て気づきました。


メドキ(演:大見洋太)

兼役…第一話の民衆(モブ)、メビヤツ隊2、カメ谷ミカヅキ、ゼンラニウムのツタ3、セロリダンサーズ4、ブブオ(後半)

 フクマさんがしぬステ影のMVPなら、メドキはしぬステ影の功労者と言っても過言ではないと思います。シンプルに兼役が多すぎる。その大量の兼役の中でカメ谷とミカヅキ君というしぬステ2大サブキャラを両方とも演じているのが凄い。早着替えの頻度もヤバイだろうしまさに死ぬほど頑張ってたことでしょう。

 カメ谷に関しては「カメ谷ってこんな便利なキャラだったんだ…」と思いました。尺も限られてる中、"簡素にロナルドがどういう退治人でロナルドウォー戦記って小説を書いてて~という説明をしてくれるマスメディア"って立ち位置があまりにも便利すぎる。原作を知らない人にもわかりやすい。
 そして単なる作中設定解説役だけではなく、ifストーリーの始まりを告げる案内人的役割も担っているというあまりの大抜擢。明確に第四の壁を超えてくるキャラはもう大抜擢なんてものじゃないですよ。
 「新横の街を覆う畏怖!しかし新横に訪れたのはこっちの方の"IF"だったのです…」って入りカッコ良すぎませんか???今までは原作の話だったけど遂に舞台版オリジナルの展開が…ってワクワクもそうなんですが原作にでてきたワードの畏怖とIFをかけてるのがうますぎてマジで痺れました。
 そして"吸血鬼はいいカメラで頑張れば映る(ドラウスが頑張ってない)"って事前に語られた設定を拾ってくる活躍もまた憎い。もう全体的にオイシすぎる最高の立ち位置のサブキャラでした。
 物凄く個人的なことだとダンガンロンパ2で一番好きなキャラが"超高校級の写真家"なので同じ写真家が活躍して嬉しかったです。

 そしてミカヅキ君。最初は「正統派な美形だし舞台で映えるだろうな」ぐらいで驚いたけどまあ納得の出演…ぐらいの印象だったんですよ。あと吸血鬼三兄弟のライブ中に一人だけ直立不動でペンライト振ってなかったのが面白かった。
 とにかく2回目!2回目のバカ空間の中で助っ人に駆けつけてくるシーンがカッコ良すぎる!もうあまりにも最高のタイミング。原作の「退治人とは羞恥心に勝つことと見つけたり」のセリフはそのままに、バカほど強い空間だからここでバカやるのがロナルドへの援護射撃になってる!という原作とは違った意味が加わってるのが良い。
 ミカヅキ君が出てたのはこの時のためだったのか…!と思いました。まさにしぬステ影の功労者。
 メドキさんは…ナギリにスプレーかけてましたね。効いてなかったけど。
 好きなシーン…ミカヅキ君が来ていたマイクロビキニが何故か一人だけ色付きだったとこ。

 

マリア(演:明音亜弥)

兼役…第一話の民衆(クソガキ母)、メビヤツ隊3、セロリダンサーズ5、人間靴下コレクション

 マリアさんはとにかく声が似てました。声の再現度に関してはヒナイチくんと並んでツートップ。声のドスの効き方が凄い!女なのに男前!この声だけで100点付けていいぐらいの再現度でした。
 動きとかも"普段は銃で戦うけどここぞという時は拳で戦う"って戦闘スタイルなのがマリアさんっぽくていい。そして銃で戦うといっても実際は銃を振り回して殴ってるのがあまりにも男らしい。

 マリアさんの兼役で特に印象に残ったのは靴下コレクション。そもそも出るのかとびっくり、匂い嗅いだ…嗅いだ!?で2回びっくり。匂いを嗅ぐという行動が生まれることで靴下コレクションの変態性が更に増してたと思います。
 後はただ単に"変態だから"で登場したんじゃなくて、"吸血鬼と人間の共存"という舞台の縦軸になるテーマがあるから、その共存を脅かす存在として登場しました…というちゃんとした理由があるのもいい。「吸血鬼と人間がいがみあってどうする!」をロナルドから引き出した時点で役目をちゃんと果たしたと思ってます。でもせめてY談おじさんみたいに殴って退場させてあげて…。
 好き?なシーン…古き強大な吸血鬼ことヴェントルー・ブルーブラッドさんが出番丸々カットされていたという事実。ロナルドのお兄さん(ヒヨシ)は一応声だけは登場したのに…。

 

ター・チャン(演:田崎礼奈)

兼役…クソガキの残像2、メビヤツ隊4、金久祖エリ(ブブオの人質)、新横浜少年退治人

 一言で言うとブブオ(と兼役だったショットさん)と並んでのアドリブ王。というか物理的に並んでました。
 普段は原作みたいに辛辣な発言…かと思えばブブオとのアドリブ時には「お前、今日は千穐楽だな…お前毎回違うネタやって頑張ってたな…」と気遣う原作では見れない優しい一面を披露。ついでにブブオの真面目な一面も披露してブブオの株も上がる。そして最後には「うっせバーカ」と辛辣な態度に戻って爆笑を掻っ攫う。そしてこれが日替わりネタで毎日。
 どの日のネタもブブオとの軽快な掛け合いが面白く、アドリブという要素でしぬステを支えてたと思います。

 そして印象的だった兼役はやはり金久祖エリちゃん。原作通り1エピソードのみの登場でしたがここでも日替わり彼氏で笑いを持ってってました。仕事が遣隋使…?
 そういえば思い返すとター・チャン(兼役も含む)は妙にブブオとの絡みが多い。原作のショットさんとター・チャンの絡みの要素を(兼役のブブオだけど)回収したんでしょうか?
 まああれ好きだから嬉しいんですが…何故ブブオで…?
 好きなシーン…ナギリ登場後に1人新横浜少年退治人として出るシーンでの「他の子は全員別の役で出てる」とぶっちゃけたセリフ。
 
でかい子(演:フクマさん)は当然ナギリで出てるし、もう一人の子(演:コユキ)は吸血鬼バカに力をの出番がすぐなので黒子で待機中。冷静に把握してみるとター・チャンしか空いてない場面なのがわかります。


シーニャ(演:鈴木凌平)

兼役…第一話の民衆(クソガキ父)、ゼンラニウムのツタ1、吸血鬼バカに力を(声担当)、セロリダンサーズ2、クマ、吸血鬼マイクロビキニ

 しぬステのダンス担当。メイン役のシーニャさんは出ずっぱりではないながらも、退治人達の歌では一人だけ曲調が変わるパートを貰うという目立ち具合。色気ある歌い方と身のこなしでシーニャさんをしっかり表現してました。
 おっ!と思ったのが、カーテンコールで一人だけ"手を振り上げてから胸の下に振り下ろすタイプのお辞儀"、シーニャさんがやりそうなお辞儀をしていたところ。そうそうそうそうカーテンコールでまでそのキャラに忠実でいられるとめちゃくちゃぐっと来るんですよ。でも高慢でいけすかないキャラがカーテンコールではそのキャラが絶対にやらなそうな、役者さんの素で130度のお辞儀してるのとかもすごい好きだし結論としてはどっちも好きカーテンコール最高。
 そういえばしぬステだと自分の服をドラルク達に着せようとするあれがない。あれがないと凄く常識人っぽく見える。(元から常識人ではある。)

 兼役では"ゼンラニウムのツタ"という半分黒子な役ながら、そのキレキレすぎる動きでドラルクに「一人だけ栄養が行き渡ってるツタがいるぞ!?」と拾われるという、半分ネームドキャラのような活躍を披露。こういうネタも舞台ならでは…というかメインキャストが黒子までやるしぬステでしか出来ないネタな気がする。
 もう一つの兼役の吸血鬼マイクロビキニは、そもそもこいつが出てくるというインパクトが凄すぎました。今まで色々出てきたけどマイクロビキニは無理だろ…舞台でマイクロビキニ着るなんて…出てきちゃったよ!?
 流石に衣装は肉襦袢マイクロビキニでしたがそれでも"しぬステはマイクロビキニオッケー"という事実はそれだけで凄いインパクト。そしてその運動神経を活かしてキレキレなマイクロビキニ回転ダンスを披露するものだから、なんというか…夢としか思えない光景でした。野球拳大好きが見たことないダンスと言うだけある。

 そして吸血鬼バカに力をはアニメにまだ出てないのにまさかの超大活躍。最初はまあブブオと一緒にスポット登場かなと思ってたんですが、まさか前半での登場自体が後半の伏線になっていたとは…。
 これは既にナギリの欄で言ったんですが、吸血鬼すぐ死ぬでシリアスなんてやるな!バカパワーだ!という展開がやっぱりいい。そしてそういう展開なら必要なのは吸血鬼バカに力をだ!という発想に行きついたのが凄い。後半のあの展開を生み出したというだけで大活躍中の大活躍と言っていいでしょう。
 あとバカに力を人形が出てきてる時、マイクロビキニも舞台上にいるのでこっそりマイクロビキニが腹話術で声を当ててるというのは指摘されるまで全く気が付きませんでした。見返してみると確かに腹話術だわこれ。
 好きなシーン…ナギリに対してマイクロビキニで反撃するとこ。こんなやつでも子供(それも人間の)が襲われそうになったらちゃんと守るというのがいい。


コユキ(演:知念紗耶)

兼役…第一話の民衆(モブ)、メビヤツ、ジョン(黒子+声)、新横浜少年退治人隊、半田あけ美、吸血鬼マナー違反のグール2、吸血鬼バカに力を(黒子担当)

 しぬステ影の功労者2。とにかく兼役の数が多くて、印象的だった兼役も多かったです。
 コユキちゃんは料理下手ネタやらないのかな?と思ってたら最後の最後にやってくれて満足。そういえば吸血鬼退治人の歌で料理食べてくださいって言ってたね。吸血鬼野球拳大好きとの絡みもドラウスの歌の裏でこっそりやってくれて満足。でもやっぱり次回作でがっつり野球拳大好きと野球拳するパートも見たい!野球拳ライブは定番ネタになりそう感あるので期待値かなり高いと思ってます。

 兼役に関してはやはりジョン担当なのが特筆すべき点。そもそもジョンの出番が多いのでコユキちゃんもジョン担当で出ずっぱり。完全に黒子なので(黒子で演じてるということを知らないと)目立ちこそしないものの、吸血鬼すぐ死ぬのマスコットキャラのジョン担当という時点で凄まじい大役のはず。その責務に負けない素晴らしいジョンだったと思います。
 中でもコユキちゃんのジョンの良かった点は、ドラルクとのアドリブの掛け合いの軽妙さ。ジョンを動かしてるのも声を当てているのも同じ人で、かつメインキャストが黒子までやっているからこそ、ジョンが即座にアドリブに対応できるしドラルクも黒子の存在までイジったアドリブが出来る。アンサンブルが存在しないことで生まれる呼吸がジョンとドラルクの仲の良さをバッチリ描いてました。あとハケる時とかにジョンをロナルドに投げ渡すのがいい。
 細かいところだと、黒子での出番が多いので黒子の時も下半身はコユキちゃんのスーツを着たままなのがいい。元から黒いスーツなのでいちいち着替える必要がないというアイデア賞。

 そして最後に半田あけ美さん。回想?歌?内だけでの登場ながら、しっかりとロナルドに浮かれていて可愛かったです。
 …当然のように登場してましたがチャンピオン読者ママキャラ好きよなマジで。
 好きなシーン…吸血鬼マナー違反のグール役で登場してる時、くるくる側転してるの。あと吸血鬼バカに力をの黒子で退場する時とかも側転してます。コユキちゃん側転得意なんだね。


ホームランバッター(演:千賀翔太)

兼役…第一話の民衆(モブ)、録音(カメ谷の隣)、ゼンラニウムのツタ4、セロリダンサーズ6、吸血鬼マナー違反

 色々な意味でインパクト賞。そもそも前情報の時点でホームランバッターさんメインキャラなの!?(原作に出てたの数回じゃないっけ!?)という驚きもあったし、実写でも目元完全に隠れてる…という驚きもあり、そもそも実写で見ると完全にただの野球選手だな…という驚きもあり。
 そして一番驚いたのが特典映像に収録されている、カーテンコールでの挨拶。公演中に20歳になったって。若すぎる。
 言われてみれば兼役の吸血鬼マナー違反はまだまだ声も高くて若さに溢れる演技ではあった。でも20歳って。

 とにかくその若さがホームランバッターさんの元気さ…原作のホームランバッターさんがどれくらい元気なのかはともかく。普段から野球選手の恰好してるんだからまあ元気なんでしょう。に合ってました。さわやかなスポーツ選手って感じでよかったです。
 かと思えば吸血鬼マナー違反はクソ生意気~!って感じの演技で演技の幅があってまたよし。
  好きなシーン…ドラウスの歌にY談おじさんが割り込んできた時、マナー違反がY談おじさんを見る"なんだこいつ…"って感じの表情。これが素じゃなくて演技で出した表情だったらあまりにも将来有望。素だったらそれはそれで面白い。



おわりに

 吸対のみんなとかヨモツザカとかノースディンさんというか古き血の吸血鬼全員とかとにかく出てこなかった人がいっぱい出てくる舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」2待ってます!!!!!!!!!
 あとしぬステ生で見に行ったからこの感想見たけどDVDは買ってないよーって人もDVD買おう!!DVDが売れれば続編の可能性も増えるし特典映像で日替わりネタ全日程分収録されてるしメイキング映像は初日の台本読み合わせから大千穐楽の舞台裏まで収録の超大容量!買ってください買え!!!!!

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