モクテル専門バー「mocktail bar FAKE」への思い
初めてnoteに綴らせて頂きます。
断酒を決意したのは、2018年9月28日のことだった。身体を壊したわけでもなく、アルコール依存症だったわけでもない。ただ、「適度に呑むこと」ができなかったからだ。
よくある話かもしれないが、何度失敗を繰り返しても正すことができない自分に対して、情けなくて仕方がなかった。
「ええ感じに呑めばいいやん」
それが、僕にはできなかった。
現在も断酒は継続できているけど、僕にとって断酒は想像以上に苦しかった。
お酒を呑むようになってから以降、人付き合いの場には常に「お酒」が介在し、「お酒」を媒体にすることでコミュニケーションを取ってきた僕にとって、それを取り除くことは大きな脅威であったからだ。
次第にこれまで頻繁に会っていた友人とも連絡を取らず疎遠になり、会社と家の往復が続く日々…
会社からの帰路。バーに寄ってみようかなと思った。お酒を呑みたい訳ではない。人との出会いや繋がり、会話が欲しかった。しかし、店内にはお酒好きの人たちが心地よく酔っているのか。そう思うとその敷居は高かった。
"ノンアルコール専門のバーがあったらな…"
その頃からだった。断酒してる人たちが集まって、辛さを分かり合える駆け込み寺があったらな。と思い始めたのは…
しかし、そのようなバーはほとんど無かった。
"自分でつくる?できるか?人は集まるのか?"
思い悩んでいたそんな時、家にこもってばかりだった僕を、友人が飲み会の場に連れ出してくれた。思い切って伝えてみた。ノンアル専門バーをやってみたいと。
バーなのに呑めないのは「無い」。と否定する友人。
当然だと思う。
しかし中には、「呑まない」のは断酒や一時的に禁酒してる人だけじゃない。妊婦さんや運転する人、未成年、また病気や体質的に「呑めない」人もいるんでは?と言う友人も…
ハッとした。
これだけの呑めない、呑まない人が集まれば、ただの駆け込み寺というよりも、バーのような社交性を持つ新たな空間になるのではないか。
人との繋がりや会話から、自分の思いを形にできる可能性を感じた瞬間だった。
"ノンアルコール専門バーをやろう"
そう決意した。同時に、呑まないという「選択」をして良かったと思った。選択をしたことで、忘れかけていた大切なことに気付くことができたからだ。
このバーを通じて僕が大切にしたいのは、生きる上で行うあらゆる「選択」に対して、尊重するということ。
お酒は「悪」だからやめましょう!みんなノンアルにしよう!なんて、言いたいわけじゃない。
お酒を「呑む」という選択、「呑まない」という選択をそれぞれがしているんだということ。それを互いに尊重することを大切にしたい。
進路という選択、仕事を選ぶ、辞めるという選択、都会に住む、地元に住む、家を買わない、マンションを買う、結婚しない、子どもを作る、家族を愛する、異性、同性を愛する選択…
それぞれが「選んで」いるということを尊重し、自分で「選んで」いるんだと自信を持てる社会となるように。その一助になれる空間をつくりたい。
そんな思いの詰まったノンアルコール専門バー
「mocktail bar FAKE」
「呑まない」人も、「呑めない」人も、「呑む」人も。モクテル片手に出会い、語り、繋がって欲しい。(モクテルとは、擬似という意味の「mock」と「cocktail」を掛け合わせた造語「mocktail」です。)
僕は「呑まない」選択をすることで、「バーをやる」と決めることができました。
皆さんは、どんな選択をしますか?
"2020年夏、僕たちは「FAKE」を仕掛ける"
P.S. 2020/2/13現在
モクテル専門屋台Bar「mocktail bar FAKE」として、5月にイベントへの出店を目指しております。
P.S. 2020/04/01現在
上記、5月に出店を予定していたイベントはコロナウイルスによる影響の為、中止となりました。
今後の出店については見合わせており、新たなカタチを模索中です。
mocktail bar FAKE/TOMOhiro
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