人の話を聞いて文章を書くことについて、紫原明子さんと考える
newQメンバーによるPodcast「ニューQ」を配信しています。
瀬尾、今井、難波、永井を中心に、ときにデザイナーや音楽ライター、哲学研究者と様々なゲストを迎え、日常会話の延長にある「問い」について考えます。
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こんなことについて考えている
Podcast「ニューQ」では、日常会話の延長にある「問い」について、くだらないことから真面目なことまで、カジュアルかつ真剣に考えています。
たとえば、過去にはこんな対話をしています。
「人の話を聞く」ってどういうこと?
今回は、紫原明子さん(@akitect)をゲストにお迎えしました。もぐら会を主催されている紫原さんと、哲学対話をもとにエッセイを書いている永井(@nagainagainagai)による「人の話を聞く」ことについてまずは考えています。
Apr 20, 2021 人の話を聞いて文章を書くことについて
紫原さんの主催されている「もぐら会」は、おはなし会という会を軸に集まっているコミュニティ。そこでは、月に一回おはなし会に集まり、ひとりひとりその日の体調や最近あったこと、前のひとの話を聞いて何と無く思ったことなど、何でもいいので話す場だそうです。
興味深いのは、そこが話しっぱなしの場であるということ。
それは、自分が話したことが相手に「はいはい分かる分かる」と軽く共感されてしまうということへの不信感という経験が関係しているとのこと。
それに対し、哲学対話という、ある問いについてひとびとと考えを深める場では「どうしてそう思うの?」「それはどういうこと?」と、相手の言ったことを「きく」ことによって掘り下げていきます。
どちらも話すことの心理的安全性について考えている場ですが、どのような違いと共有点があるのでしょうか。
それぞれにそれぞれの地獄がある
おはなし会に参加されたひとの感想に「それぞれにそれぞれの地獄があることがわかるからいい」というものがあったと紫原さん。
一方で「ちゃんとバラバラになれること」が哲学対話の醍醐味だと言う永井。
安心感がありながら、バラバラであることも確認できる。でもそれだけで終わらないような、対話の場とはどのようなものなのでしょうか。
世界を適切に保存したい
対話の場では、ひとびとはおかしなことや、日常の断片、そのひとにしかわからないようなことが飛び交います。
でもそれを聞くととても安心するという紫原さん。なぜ安心するのかについても考えました。
瀬尾「深夜のタクシーの運転手さんの変わった語りを聞いたときにも安心する」
今井「その人を通して見た世界というのを見せてもらえた気がして愛おしいのかも」
紫原「このひとままならないんだろうな、って思う。そういうひとをみると、自分も救われる」
永井「世界や他者がめちゃくちゃであることをふとした瞬間に見つけると、安心する。その瞬間の世界を適切に保存したい」
対話は、そうした断片をどのようにしたら「保存」できるのかについて、うつっていきます。
どのような対話がかわされたのか、ぜひPodcastを再生してお聞きください。
また次回をお楽しみに!
書いたひと:永井玲衣