世襲カルトと #もやウィン
■【炎上】「 #もやウィン 」は、なぜこんな状態になったのか
自民党が「正しさを軽視」しすぎる党になったのはなぜか。
文化環境要因について、このnoteに並べておきます。
※ 2020年6月→2021年3月改稿
※ この稿の一部を🔗 復元増補したロングバージョンもあります 🔗。
▶起
強い党派が選挙制度を支配し「富裕層(政治家の子)」が当選しやすくなった
▶承
政界が、実力より上げ底された世襲議員だらけになった
▶転
政治家先生の子としてちやほやされ、学究を怠ってただ「偉いこと」でのしあがってきた世襲議員は、「学究では自分はかなわない」心理から【反知性主義化】しやすい
▶結
論理や説得のスキルがない関係で、「偉さ」に服従して忖度してくれる者を贔屓し続けるしか道がなかった結果、似非進化心理学な自己啓発系カルトと、🔗 まっとうな学術の言説の区別さえ見分けがついてない🔗政府広報を流してしまうほどにまで【反知性主義】が熟成した
■起: 「裕福なご家庭出身者」が当選しやすい選挙制度になっている
■【金持ちだけの政治】
強い党派が選挙制度を支配し「富裕層(政治家の子)」が当選しやすくなった
🗳 🔗 2014年、全衆院議員のほぼ4人に1人が世襲議員!政治家の子!
🗳 🔗 解散前(第三次?)の安倍内閣では、閣僚19人中8人が世襲
🗳 2017年秋の衆議院選挙、小選挙区当選した🔗 自民党議員の3人に1人が世襲、🔗 安倍内閣の閣僚の半分も世襲議員
🗳 🔗 2018年1月安倍内閣、6割!が世襲議員
そして、日本の選挙供託金は世界一高額!
💰 🔗 世界一高い選挙供託金の日本(選挙区300万円・比例区600万円)
💰 選挙運動費用も考えあわせると、政治家になれる人間は、数千万〜億を動かせる超お金持ちだけ!
国民のツッコミパワー(なんでやねん!)が乏しい状態が続くと、選挙制度を作れる立場の人たちは、どんどん自分たちにとって都合の良い選挙制度に改変していきます。
■承: 世襲議員が異常に増えた
■【家業は代々政治家です】🏘️
2017年自民党議員の3割が、政治家の子
他党も含め🔗 歴代首相も10人中8人が政治家の子!
トップほど世襲率が高く、殿様身分が固定化していく政界
世襲が世襲を呼び、世間一般からはかけ離れた階層が固定化していきます。
有権者も、日本の文化風土(因習)「お上(お殿様)にまかせる」感もあるからか、「政治は政治家にまかせておけば」と、軽々しく政治家の子に投票してしまいやすい。
■転: 世襲議員は反知性主義化しやすい
政治家先生の子としてちやほやされ、努力せずとものしあがれてきた世襲議員は、「実力では自分はかなわない」心理から【反知性主義化】しやすい
🎓 安泰な上層民は上昇するために勉強する必要がない
↑ この点はほんとにびっくりなんですが、安倍晋三氏と安倍昭恵さんは、「周りの大人や家庭教師が代わりに宿題や論文(卒論)を処理してくれていた」と聞き及んでいます。
これは単なる風説なのかもしれませんが、実は一時期ええとこの子だったほかならぬ私自身が、夏休みの宿題などを周りの大人がやってくれていてそれが普通だったので、かなり実感としてリアルです。
その周りの大人の忖度は、幼心に
「自分は特別で、勉強しなければならないような人間とは違う」
という🔗 感情マップを植え付けます。
彼らは社会に出てからも、
「こんな(努力や勉強をしなきゃならないような)人たちとは違うから」
と、努力や勉強に対して軽視し続けがちです。
しかし、現実の世の中は、実力がない人間がのし上がっていけるほど甘くはない。
そこで、彼らは自然と「(実力に欠ける)自分の自負心が満たされる場所、自分が特別にちやほやされるポジション」に惹きつけられていく。
政界なら、「わかってくれる」世襲議員だらけ。
実力がなくても、威張れば忖度されて無問題。
🗳 ゆえに、青年は、政界を目指す。
実力がアゲゾコになっている世襲政治家や議員(上流階級の子、政治家の子、金持ちの子)が増えてくると、彼らは自然に実力(「知識能力」基準のヒエラルキー)とは違う種類の「我々はスゴイ」信念を共有し始めるようになります。
■【反知性主義者は、仲間に識者を選ばない】
>『反知性主義』とは、「客観性、実証性を軽視もしくは無視して自分が欲するように理解する態度」
〜 📖 『知の操縦法』佐藤優 著
生まれながらにして上層であることを誇るような人々は、勉学面で自信がない場合、知性(知識量や勉学の素養)基準で値踏みされることに怒りを覚える(「こんな人たちとは違う!」的に)。
だからこそ、彼らは反知性主義者になる。
なろうと思ってなってるわけではなくて、
❗「勉学の実力の世界では、自分は不幸になる」❗
と直感的に感じて行動しているのです。
それがゆえに…
🔗 社会の上を極めるために頑張って勉強してきた専門家や知識人からの指摘や進言を、軽視したり排除したりするようになる。
自分たちにとって理解できない正しさから発せられるツッコミを避けようとするあまり、識者を選ばなさすぎて、仲間うちが反知性主義者で固まってしまう… 😱
自民党の国会議員のうち、閣僚になって政策に携わる人材は1割ぐらいしかいない。🔗 ほかの有象無象の議員は、選挙運動については知っていても、政策については世間話程度しか把握していない。
彼らは政策要員ではなく、議員数そろえ用に集められた「陣笠」でしかないからだ。
政治に都合の良い人材ではなく、世襲身分に都合の良い人選。
その結果が、このたびの #もやウィン 問題であり、日本会議や各種カルトへの親和性などとして、21世紀初頭の自民党中枢部に顕現しているのです。
■結: 似非進化心理学な自己啓発系カルトのトレンドを鵜呑みにした
論理や説得のスキルがないのに、偉くあり続けようとすればどうなるか。
実力のないまま偉くあろうとした彼らには、政治家という「身分の偉さ」を掲げるだけで都合よく忖度してくれる手下を贔屓し続けるしか、道はなかった。
その結果、似非進化心理学な自己啓発系カルトと、🔗 まっとうな学術の言説の区別さえ見分けがついてない政府広報を出すほどに、日本の政界は【反知性主義】に傾いた。
■ もとより、🔗 新興宗教や代替**、疑似科学、スピリチュアルなどの傍系文化類は、
「社会の主流たる基準では救われない・成功できないと感じている人々」
が、主流のヒエラルキーとは別の種類の階層基準に避難して、おのれの安心感を高めようとする営み。
例えば裏社会。
例えば新興宗教。
例えば自己啓発集団。
主流の学術から距離を置きたがる世襲政治家の反知性主義と、とても親和性が高い。
■【進化心理学を乱用した自己啓発カルト】
ホリエモンのライブドア事件に象徴された時代(ゲーム規範の秘技・裏技発揮)以降、「What can be done will be done.」的な、ゲーム的「合理性」を極めた行動規範に親和的な層が台頭してきた。
その極端な表れとして、いまどきは、ほぼ半グレ同様な自己啓発無法集団みたいな盛り上がりがあちこちの巷やSNSで観測されるようになってるんだけど、残念ながら、その連中は「進化論」や「進化心理学」を無茶苦茶な解釈で自己啓発に乱用していることが多々ある。
んで、たぶんその方面から、問題の
🔗 「唯一生き残ることができるのは変化できる者である 〜ダーウィン」
という妄言を真に受けている人材が、自民党首脳部に親和なさってしまうほど、日本政治の中枢が知的劣化を極めている気配。
世襲政治家が、これこそがあるべき道だと感じる「道理にこだわらず、忖度スキルが高い者だけが仲間として選抜(人為淘汰)されていく」作法。
まさに、そんな忖度作法にふさわしいキラーワードとして、もやウィンの決めゼリフ
❗「変化できる者だけが生き残る」❗
があったわけだ。
これらの根深さがある限り、自民党のもやウィン界隈は懲りないのだ…
■ 再まとめ
起: 「裕福なご家庭出身者」が当選しやすい選挙制度になっている
承: そのため親の七光り世襲議員が異常に増えた
転: 心理的に世襲議員は反知性主義化する率が高め
結: 似非進化心理学な自己啓発系言説に抵抗感が皆無なほどなのだ
✍
※2021年3月
✔「読みづらい」という苦情をいただいた関係で、ツイート表示を削除するなど改稿しました。
┗ 復元増補したロングバージョンを別に置きました 。↓
✔ 本稿の後半においていた
【格差が広がると自民党支持者が増える仕組み】
は、別稿に移しました。 ↓
📚『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その1』
📚『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その2』
📚『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その3』
📚『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その4』
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