格差が広がると自民党支持者が増える?
国民の知識教養や生活水準を低下させると、現政権の支持者が増えます。
それってほんと?
■貧困層の4割は、政治を変えるより自己責任論で納得したがる
🏚️ 2017年9月 貧しいほど独裁求める?英研究チームが発表
┗ 失業者が多く貧しい地方は、独裁的な政治家を好む住人が増えがち
■ 階層が下の人間ほど、現政権を支持し、自己責任論を喜ぶ
これは、社会心理学や社会調査などで再々確認されている、かなりヤバいヒト性質なので、よく覚えておいてほしい。
裕福層より貧困層のほうが、社会を変えたがる率が低め。📉
自分では思い通りにならない苦しい生活が続く場合、
「この困窮は政治や社会が悪いからだ」
と考えるより、
「自分の努力が足りないから困窮しているだけなんだ・自分はやればできるんだ」
と考えるほうが、幸福感や満足感が高めになり癒やされるからだ。
※ 『格差と序列の心理学』池上知子
格差が広がり、「世の中を変える力なんか自分らにはない」と無力感を感じる下層が増えると、彼らは強引で太刀打ちできないリーダーをありがたがり、困窮する人々を自己責任だからと切り捨てはじめてしまう。
慢性的な「自分ではどうにもならない」現実が延々続くと、多くのヒトは、「自分はやればできる」「夢があるはず」という幻想で希望の無さを糊塗しはじめる。そのほうが、ぶっちゃけ、死なない率が高いし、繁殖成功度も高めになる。
ヒトは日々、自分のありようを肯定する屁理屈を編み出して生きながらえている。
生活が苦しい人々が多い地域では、
「やればできなくはない、夢も道もあるはず」
↓
「なら自己責任だよな、本人の選択のせいだよな」
という状況解釈を、住人が互いに共有し補強しはじめることになる。
状況解釈。つまり合理化であり、こじつけであり、認知の歪みでもある。
ヒトは解釈を歪ませて、心の命脈をつないでいる。
■ 「自己責任論」は社会を壊す劇薬
「自己責任論」は困窮者のしんどさを、麻酔のように麻痺させてくれる。
そんな甘さの裏には、残念ながら、社会の劣化を引き起こす毒の効果が存在してる。 (…なんか麻薬っぽいぞ)
【自己責任論】とは、
「制度」が悪いんじゃなくて、「個人」の選択が悪いんだ
というみなしのことだ。
こんな目に遭っているのは、システム設計のまずさのせいじゃなくて、プレイヤーが下手だからなんだと。
つまり、政治(人間行動の調整をする立場)に縁のない、制度を適切に調整・設計できない地位・能力にある人間が、自己効力感を求めて逃げ込む心理的安全地帯が、
【自己責任論】なんだ。
そして、政治(人間行動の調整設計)が失敗すればするほど、下手くそな支配者を支持しながら自己責任論を喜ぶ困窮者が増えていく。
■ 割れ鍋と綴じ蓋が支配する世界
【貧困がもたらすいびつな独裁者待望論】
本当に困ったことに、貧しい人々の生活を苦しくさせておくほうが、長期政権が安泰になるのだ。
本当に困ったことに、貧しい人々の生活を苦しくさせておくほうが、政府の責任が追求されなくなるのだ。
このコンボはまだとうぶん世界を揺さぶっていくだろう。
悪循環を加速させている当事者である政権側にも、政権を支持する民衆側にも、このコンボは好ましいものとして見えている。
世界は変わる。
もう江戸時代は帰ってこないし、平成にも戻れない。
そして昨今の社会を動かしているのは、中間層でも知識層でもなく、
科学的正しさなど意に介さない世襲政権と、
上昇の見込みのない大量の無教養底辺層。
今はたまたま、ほんとに科学的正しさを使わないとやってけない疫病禍が襲い来ている関係で少し「気付け薬」が効いてる状態だけど、疫病が収束したら、再びしばらくは、上記の相性抜群なタッグが時代の性格を彩り続けるんだろう。
(この稿は一連のセットの中の一つです)
※ 世襲政治家の多さが格差を拡大させるお話についてはこちら ↓
※ 自己責任論以上に、若者は自民党に逆らわない話 ↓
※ なぜ高齢政治家はオリンピックに目を輝かせていたのか ↓
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