vol.4 「その人らしさ」を保ったまま活躍できる社会を信じて(矢吹 淳子さん)
ヤフー株式会社にてリーダー人材を育成する企業内大学「Yahoo!アカデミア 女性リーダークラス」。その参加者から、時代を映すような象徴的なプレゼンをされた4名の女性リーダーの声を、一人ずつ紹介していきます。
今回は、バイアスを変えるために声を上げる、矢吹 淳子さんです。
プロフィール:矢吹 淳子さん
ヤフー株式会社 データソリューション マーコム担当
お子さん2人と夫との4人暮らし。
ヤフー歴:2019年入社(2年目)
——「Yahoo!アカデミア 女性リーダークラス」に参加したいと思ったきっかけは?
男性しかいない経営層の写真を見て、違和感を感じていましたが、自分らしさを封印してまでそこに入りたいとも思えませんでした。
誰もが、「その人らしさ」を保ったまま活躍するにはどうすればいいか。その答えを探すために参加しました。
私は保守的なファッションが苦手です。働いてきたどの企業でも、好きなファッションを押し通してきましたが、快く思わなかった方は大かたです。
かつて勤めていた2社では、私の入社によってビジネスカジュアル規程が導入されてしまいました。
男性ばかりの役員、周囲から浮かないファッション、行動をしばる規程など……。
古いルール上で、自分を殺してがんばるような働き方はしたくない。
スーツの男性に受け入れられるファッションではなく、着たい服を着て、成果を出す。どんな人でも活躍できる、そんな世界が当たり前になっていくと信じています。
——参加中、心が動いた特徴的なエピソードは?
メンターの方と登壇者の方が、それぞれ「今まで(自分を)女性と意識したことがない」と発言されていたことです。
私は転職してからも、男性メンバーとの関係性で悩んだりと、自分自身が女性でマイノリティであることを改めて認識していたこともあり、ものの見方の違いに驚きました。
同じ性別でもいろいろな視点を持つ人がいるという状況は、興味深かったです。
——参加して気がついたことは?
好きなファッションに身を包むことや、「その人らしく」生き、活躍することは、おかしいことや甘えではないと気づけたこと。
「変わっている」と言われることが多く、周囲に溶け込む方法を考えてばかりでしたが、どうしても変えられなかったのがファッションでした。全共闘世代は髪を切って就職しましたが、今も組織に自分を合わせる方は多いです。自分だけ好き勝手しているという罪悪感が、セッションを通じて「社会の進歩に貢献しているんだ」という肯定感に変わりました。
以前、職場で「車輪の再発明」のような仕事のやり方に異意を唱え、干されたこともあります。
それでも、同調圧力を変えたい。風穴を開けたい。このままではプロコトルにしたがわないと仕事ができない、オペレーショナルな人材ばかりになってしまう危機感があります。
——「女性リーダー」という言葉がなくなるほど当たり前になるには、まずあなた自身がどんな行動を起こしますか?
一人では変えられないことも、女性が複数で挑戦することで乗り越えられると信じています。
バイアスは変わっていきます。変えられると信じています。そのためには、まずは声をあげて行きたいと思います。声をあげないと誰にも気がつかれないから。
そして、声を上げ続けていこうと思います。
※メイン画像は最終プレゼン資料から抜粋
好きなファッションの話から始まり「その人らしく人が活躍する世界」を強く願う矢吹さん。
おそらく矢吹さんはこれからも、既存のルールに染まることなく自ら声を上げ続けるのでしょう。
ここにもまた「あたらしいリーダー像」を見た気がしました。
vol.5 「女性リーダー」という言葉がなくなるまで(谷口 美明さん)
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