vol.5 「女性リーダー」という言葉が消えるその日まで」(谷口 美明さん)
谷口さんは、Yahoo!アカデミア事務局でリーダーをつとめる、いわば本取り組みの運営ディレクター的な立ち位置にいる。男女混合のYahoo!アカデミアを数多く運営してきた中、今回のような「女性リーダー」に特化した内容は初のため、当初は講座の参加者を性別でくくることが正しいのか、メンバー一同かなり逡巡したそうだ。
しかし、谷口さん自身の経験からも、「女性リーダーならではの共通する悩みがあるはず」と周りを説得し、実現への後押しをしていった。
プロフィール:谷口 美明さん
ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア事務局リーダー
1人暮らし。
ヤフー歴:2007年新卒入社(13年目)
始めたときは、どうなるかわからんけど、とりあえずやってみよう!のテンションでした
谷口さんはヤフーに新卒で入社後、CS(カスタマーサービス)地方拠点の立ち上げのために高知や九州など、地方を渡り歩いた。そこで働く現地スタッフに、わかりやすく業務のレクチャーをする機会が増え、人に教えることの重要性と人材育成の面白みを体感していった。
その後Yahoo!プレミアムなどの企画職を経て、自ら受講生としてアカデミアに参加した際に、学長の伊藤らに声をかけられ、運営側に異動するという、一風変わった経歴を持つ。
新卒で人材育成部門にてリーダー職を担う谷口さん自身が、ナナメ・横のつながりや対話を必要としていたこと。部署を超えたコミュニティ、そして仲間が必要だと思っていたこと。そんな受講生の悩みに寄り添い共感できることも強い原動力となった。
いざ始めてみたら、世の中の風向きや全社的な優先度の中で、急に女性!女性だ!と追い風が吹き始め、運営チームが一つになって組み上げた第一回女性リーダー研修は成功を納める。
これでもかというぐらい「自分らしさ」を深堀りし「脱皮」する参加者たち
ユニークなのは、このベースキャンプのような取り組みの中でも、明確な答えはなく、ロールモデルの数も価値観の数も一つではない、ということを、全編通して腹落ちできるようになっていることだ。
「自分らしく」がどういうことかを、これでもかと深掘りしていく内容で、「ありたい」自分になることを阻む社会の壁はもちろん、自分の中にも無意識の壁があることを理解していく工程は、決してたやすいものではありません。」
「だからこそ、社内外のメンターの話や受講者同士での対話から気づきを得て、もがきつつ解決策を出していくその様は「脱皮」に近いのです。」
リーダーが育つための良質なきっかけや対話の場によって、受講生の中にはヤフーという枠を出て活躍していく方もいるのでは? と聞いたところ、
「もちろんいます。もともとYahoo!アカデミアの設計方針として「自分の人生だから好きにすればいい。外に出て活躍する人にもおめでとうと伝えよう」という素敵な考え方があります」とのこと。
いつか必ず来る「女性リーダー」という言葉がなくなる日まで
「Free, Flat, Fun」の理念があるYahoo!アカデミア。「いつか真にフラットな状態が実現できたとき「なんで、わざわざ「女性」リーダーって言うんだっけ?」と思う瞬間が必ずやってくるはず」と谷口さん。
受講者たちはこの機会を経て、今までのあたりまえを疑い、あたらしい未来を切り拓くはず。行動する人が増えることで、社会や環境は変わると信じている。
彼女たちの伴走者として、谷口さんたちは挑戦し続ける。
「女性リーダー」という言葉が消えるその日まで。
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