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vol.1「台湾出身。国籍、女性、偏見、言葉、文化、世代の6つの壁を超えた先に見たものは」(宋 庭萱さん)

ヤフー株式会社にてリーダー人材を育成する企業内大学「Yahoo!アカデミア 女性リーダークラス」。その参加者から、時代を映すような象徴的なプレゼンをされた4名の女性リーダーの声を、一人ずつ紹介していきます。
今回は、台湾出身の宋 庭萱さんです。


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プロフィール:宋 庭萱さん
ヤフー株式会社 Y!ショッピング食品カテゴリリーダー
1人暮らし。
ヤフー歴:2014年入社(7年目)


——「Yahoo!アカデミア 女性リーダークラス」に参加したいと思ったきっかけは?

私は台湾出身です。10年前に、カバン一つで台湾から日本に来ました。
知り合いもいなくて、日本に向かう飛行機で号泣したことを覚えています。
日本に来てからも、毎日壁だらけでした。

言葉の壁、国籍の壁、偏見の壁、女性の壁、文化の壁、世代の壁……と、たくさんの壁にぶつかり、毎日打ちのめされていました。


でも、この壁を超えなければ明日が来ないんです。だから、生きるために超えるしかなかった。一つ一つ、超えていきました。
言葉を必死に覚え、文化を学び理解し、仕事を覚え、関わる人々と信頼関係を築き……。
気がついたら、全ての壁を超えていました。

数社を経て、2014年にヤフーで契約社員として働き始めます。働きぶりが評価され、2016年には正社員に、1年前より現職の管理職に任命されました。

しかし部下を育成するにあたり、今までに超えた壁とは異なる新たな壁が見えたような気がしたのです。そこで、他の女性リーダーがどのように他人と協働しているのか、どうやって困難に対処しているのか、対話によって気づきを得たいと思ったことも参加のきっかけでした。


——参加中、心が動いた特徴的なエピソードは?


「壁はいつも自分」(ファクトリエ 山田 敏夫さんの登壇内容より)という言葉に、はっとする瞬間がありました。
いくつもの壁を超えたけれど、その壁は自分の中にあったんだなと。


——参加して気がついたことは?


リーダーになって、これは大変だなと思ったのが「他人」です。
私自身、さまざまな壁を乗り越えてきたことが強みですが、チームメンバーは同じ経験をしていません。
自分との経験や価値観の違いをお互い受け入れられず、新しい課題が生まれ、また新たな壁ができていくという事実を、この女性リーダークラスに参加し、受講者やメンターの方々と対話することでようやく俯瞰できるようになりました。
自分だけでなく、他者の価値観を理解していくことが大切なんだと理解できました。


——「女性リーダー」という言葉がなくなるほど当たり前になるには、まずあなた自身がどんな行動を起こしますか?


今までも多くの壁を超えてきましたが、「壁は自分」と知ることもできました。これからも壁がある限り、挑戦し続けたい。そして、結果を出していきたい。
また、壁を超えたものの使命として、目の前の壁を乗り越えようとする仲間に共感し、手を差し伸べていきたいと思います。

チームで働いていくためには、より他者を観察し、他者の価値観を理解しなければいけません。
疑問と違和感を大切にしつつも、柔軟に物事に対応し、不要な自尊心を持たず、自分の視点を複数持つことで、世界はより広がることを信じています。

※メイン画像は最終プレゼン資料から抜粋

台湾のデジタル担当大臣である唐鳳(オードリータン)さんを彷彿とさせる、強い意志と、聡明さと、やさしさを合わせ持つ宋さん。
「多様性のある組織は強い」と言われていますが、壁を乗り越えてきた宋さんだからこそ、さらなる壁を越え、人にやさしくできる。そんな宋さんにも「あたらしいリーダー像」を見た気がしました。

vol.2 「続く人を増やすために、自分自身がキラキラしていたい」(小林 真希さん)

vol.3 「ロボットみたい」と言われた人生。出産で人間の感情が生まれた(河野 ひとみさん)

vol.4 「その人らしさ」を保ったまま活躍できる社会を信じて(矢吹 淳子さん)

vol.5 「女性リーダー」という言葉がなくなるまで(谷口 美明さん)

vol.0 この、あたらしい時代に「女性」がリーダーになるということ-「Yahoo!アカデミア 女性リーダークラス」の挑戦- 

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