生成AIで客観的評価

12月20日に初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議の第7回が開催され、初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(案)が提示されました。
そろそろ各学校への通達も迫ってきたでしょうか?
案を見る限り、生成AIの今後の活用を見越して、また「保護者に同意書とかを書かせるように」、なんて現場に求められるのかもしれません。

 さて、生成AIの教育活動での利用ですが、パイロット校での実践を見てみても、どうもAIに提案してもらうことや、危険性について学ぶことに偏っているような気がします。生成AIの活用は提案を求めることのみならず、機械的な客観評価をさせたり、単純作業の効率化を図ったりというところにも、大いに期待できるはずです。また、そういった実践の方がすぐに取り入れやすいと思われるので、思いついた者が積み重ねて、紹介していきたいところです。

というわけで、1つ実践方法を紹介します。
「生成AIに分かってもらえる?文章表現から画像を出力させてみよう!」の実践

 国語の書くことに関する指導での活用です。
 学習活動として児童に「長期休みや休日の思い出を日記の文にして、様子を詳しく伝えよう」と提案し、文を書かせます。
 画像生成AI「MyEdit」を用いて児童の文から画像を生成させ、児童にその画像を見せ、自分の思い出の様子にどれだけ近いかを考えさせます。

 「MyEdit」の使用については教師が行います。また、生成させる文から個人名など、個人情報を除いたうえで生成させるように留意します。プロンプトは「次の日記の文章に合う画像を生成してください『・・・』」という文章で指示するとよいでしょう。

 この実践は私が昨年度実際に行ったものです。
 児童は生成された画像から、「場所はこんなんじゃなかった」「人数が違う」と面白がりながら、自分が文章で正確に表現していなかった部分があることに気付いていました。
 また、場合によっては人物の腕の本数が多いなどの、おかしな表現が入ることがあり、その際には、「ほらね、AIっていろいろ凄いって言われて、実際いろいろ凄いこともできるけど、人間の腕は2本しかないっていう、みんなにとっては当たり前のことも分かってないんだよ。だから、使い方に気を付けないといけないんだよ。」と声掛けをしました。これにより、AIの特性や、出力されたものの正確性や使用上の注意についても喚起できたかと思います。
 もちろん、AIに命令するための文章と日記の文章では、目的も趣も違うし、数や大きさが数値的に厳密に表現された日記なんてのもおかしいので、その辺りは「変にAIに合わせて書く必要はないよ」などと補足が必要です。
 でも、なかなか面白い実践でした。

 まだまだ可能性の塊の生成AI活用。恐れすぎることなく、リスクのない範囲でいろいろ試すことはできそうです。ガイドラインや法令遵守に気を付けたうえで、思い切ってやってみてはいかがでしょう?

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