理科主任の仕事
慣れてない人がいきなりやらされがちなのに、専門性高めな分掌に理科主任があります。
今日は理科主任の仕事について話をします。
最近は教科担任制の広がりや、担任の負担軽減のため、担任外で理科専科の先生を設ける場合が増えているようです。
でもだからと言って、担任が理科を担当する機会がなくなる、あるいは理科主任を受け持つことがなくなるということはまだまだ言い切れません。
慣れていないところで理科を受け持ったり、理科主任をやったりすると、指導中の事故に結びつきます。
たとえ機会が少なくとも、苦手意識があっても、ある程度、理科指導や理科主任の仕事について知っておくことが大事だと思います。
地域により細かな違いはあるかと思いますが、私が考える理科主任の主な仕事は
・理科室備品・消耗品の管理
・薬品管理
・理科の実験や準備等の相談受付、サポート
・理科自由研究の受付、応募とりまとめ
というところです。
それぞれこまごまとしたことを書いていこうと思います。
・理科室備品、消耗品の管理
理科室には大小さまざまな備品・消耗品があります。はじめて理科主任になった時にはまず、大量の物品がどこにどの程度あるのか把握する必要があります。
前任者がしっかりしていれば、台帳にまとめられていると思いますが、なければ余裕のある時に作成しておくと、後々の担当者が楽になるだけでなく、他の理科担当者が実験等する際の、準備の効率化につながります。
理科室内のものの配置も理科主任のセンスと気遣いの見せ所です。
実験用具を学習分野の系統ごとにまとめるか、学年の内容ごとにまとめるかなど、所属校の実態をふまえてデザインできるといいですね。
まあ、実際そこまで手を入れることって忙しくてできないことがほとんどですが。
消耗品については、各学年でどの時期に何をよく使うかを考えて、計画的に購入します。
特に気体検知管や気体缶、カセットガス、炭酸水や、ミョウバン、食塩、ろ紙なんかは、気づかないうちに残量が少なくなっていがちなものですね。
学年費で購入するようになっているのか、理科予算で購入するようになっているのか、学校や自治体でもわかれるところなので、確認しておく必要があります。
理科予算で購入するけど、使う学年は限られるというような品物は、学年の方で前もっていつ購入するべきかを理科主任に伝えてもらうよう連絡しておくとよいでしょう。
楽に、漏れなく仕事するための仕組みは、所属校に合わせて調整していきましょう。
あ、百葉箱の管理も忘れずに。
外においてあるため、環境によっては劣化しやすいので定期的なペンキの塗りなおしなどが必要です。
・薬品管理
理科主任は実験で使用する薬品も管理します。
多くの場合、自治体ごとに薬品の管理マニュアルが定められているはずです。それに従い管理します。
基本は、鍵のかかる場所での保管、使用分の補充、年に何回かの数量点検などです。
理科で使う薬品には劇薬も含まれ、悪用しようと思えばできてしまいます。
相応の責任感をもって管理することが大事です。
特に危険性のある塩酸やアンモニア水などの薬品については、使用上の注意を子供にもわかるように理科室に掲示しておくとよいでしょう。
・理科の実験や準備等の相談受付、サポート
理科主任というだけで、他の教員から理科のことについて相談されます。
実験のやり方等で相談されて困ったら、デジタル教科書が便利です。
多くの会社のデジタル教科書で、実験の方法、安全管理上の注意などを伝える動画が組み込まれています。
頭を悩ますのは、各学年で使用した実験用具の片づけをしっかり最後までやってもらえないことが多いこと。
これもルール作りですね。
忙しい中でも、各担当者が守らざるを得ないようなルールや仕組みをいかに作れるかがポイントです。
何年か続けて担当することができるときには、そもそも片付けられてなくても困らないよう用具・器具の数を増やすという手もあります。
・理科自由研究の受付、応募とりまとめ
理科自由研究については地域によってルールや要項が異なるようですね。
しかし、多くの場合、理科主任が取りまとめを担当することが多いようです。
私の所属する自治体では、自治体の理科教科研究会が要項の作成、審査、表彰状の発行までを行っており、理科主任が学校での窓口になっています。
要項が複雑だったり、用紙が指定されている場合はその準備が必要です。
なるべく質の高い研究ができるように、研究の手引き的なものを子供に配布することもあります。
あまりに理科主任の負担が大きいという場合は、他の教員にも振り分けてお願いしたり、仕事の手数を減らすために、主催組織に改革を訴えたりということが必要かもしれません。
つらつら書いてきましたが、はじめに書いたように専科教員が増えている関係もあり、理科主任を取り巻く状況ってすごく多様化していそうです。
状況に合わせて、関係する職員が働きやすいように調整したり、子供が安全に取り組み、且つ理科が好きになるように工夫したりする必要があるという点で、マネジメント力の必要な分掌だと思います。
担当すると、自分の幅が広がるので、初めて担当したというときには、嫌がらずに思い切って取り組んでほしいなと思います。