山田直の小さな幸せノートvol.1「冬至」
昼の時間がもっとも短い「冬至」に入りました。
太陽の力が一番弱いということから「死」を連想させ、西洋では「悪魔がうろつく日」とも言われるそうです。でもこの日を境に少しずつ、でも着実に太陽が力を取り戻し、その復活の狼煙を上げていきます。そのことを「一陽来復」と言いますが、そんな「確実なきざし」があればこそ、これから本格的に来る寒さ中でも我慢強く、必ず来る春を待ち続けることができるのでしょうね。
「待つ」といえば冬至に食べるカボチャ。
夏に収穫を迎えるその野菜は、貯蔵され追熟され、冬至まで待ってから2度目の旬を迎えます。その間にデンプンが糖に代わって甘味が増し、免疫力を上げるビタミンが増加する。厳しい冬を乗り越える力を得るためには、それなりに時の洗礼を受ける必要があるようです。
冬至に入ると良いといわれる「ゆず湯」も、ゆずは実がなるまで時間がかかるため、「長年の苦労が実りますように」という願いを込める意味もあるとか。
今日は湯船に肩まで浸かり、時の洗礼を受けたゆずの爽やかな香りを鼻先で感じながら、今年一年、それなりに苦労した私を労ってあげたいです。
庭先をうろつく、可愛い悪魔を尻目に見ながら。
(文責:山田直)