
第一原理思考(First Principle Reasoning)
Elon Musk氏が2013年のTEDトークで、話したFirst Principle Reasoning。2018年に、英語の授業で、Entrepreneurを扱い、PayPalを創業した起業家と、YouTubeを作った3人を扱った。その中で、特に好きだったのがElon Musk。彼が、教育において参考になる考え方を尋ねられた時に答えたのが「Physics(物理学)」だった。
そして、なぜ物理学なのかというと、First Principle Reasoning(第一原理思考)であった。
やり取りの抜粋。
CA: You bet your fortune on it, and you seem to have done that multiple times. I mean, almost no one can do that. Is that -- could we have some of that secret sauce? Can we put it into our education system? Can someone learn from you? It is truly amazing what you've done.
EM: Well, thanks. Thank you.
Well, I do think there's a good framework for thinking.
It is physics. You know, the sort of first principles reasoning.
Generally I think there are -- what I mean by that is,
boil things down to their fundamental truths and reason up from there, as opposed to reasoning by analogy. Through most of our life, we get through life by reasoning by analogy, which essentially means copying what other people do with slight variations. And you have to do that. Otherwise, mentally, you wouldn't be able to get through the day. But when you want to do something new, you have to apply the physics approach. Physics is really figuring out how to discover new things that are counterintuitive, like quantum mechanics.
It's really counterintuitive.
物理学を勉強して、この考え方を身につけたことが役立ったと言っていた。
ずーっと頭の片隅にあったこの言葉がやっと腹落ちしそうなところまでやってきた。
人文系は基本的にアナロジーが多い。経営学もそう。ビジネス本の95%は、アナロジー。つまり、他の人がこれまでやってきたことをちょっと変えただけ。
Elonが述べている通り、我々の日常を第一原理思考でやっていくのは、難しいが、何か新しいことを始める時には良いアプローチになる。
なぜなら、第一原理に基づいた考え方ができれば、常識にとらわれず、より広い視野で物事を考えることができるからだ。
私が大好きなデカルトも『方法序説』の中で次のように述べている。
「人文学」を全く放棄してしまった。
また、何か物事を決める際に次の4つの規則に従って決定すると述べている。
第一は、私が明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意ぶかく即断と偏見を避けるこ、そして疑いをさしはさむ余地の全くないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何もわたしの判断のなかに含めないこと。
第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。
第三は、わたしの思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。
そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、何も見落とさなかったと確信すること。
おそらく、考え方というのは一つではなく、我々が、いくつかの方法を手持ちとして持っていて、場面に応じて使い分けれられるはずだ。
備えあれば憂いなし。第一原理思考という方法も手持ちとして持っておきたい。