美味しい紅茶の入れ方。普段使い版、丁寧版。
初期に知りたかった紅茶の入れ方の話。いろんな流儀がありますが、試してみていい感じだった方法を書き留めます。普段使い版は茶葉で入れる版とティーバック版と書いてます。丁寧版は細部にこだわって楽しむ場合です。
■普段使い版 紅茶をいれる手順
1.茶葉から入れる場合
・お湯を電気ケトルで沸かす (浄水器を通した水道水)
・茶葉を選ぶ
・茶器(ティーポッド)を温める
・茶葉をいれる(ティースプーンでざっくりで計量)
・沸かしたてのお湯(約90度)を注ぐ
・1分〜3分くらい待つ
・カップに移す
これだけです。
お湯については、よく沸かしたてを使うと言われます。これはざっくり90度くらいになります。沸騰してると100度ではと思われるかもしれませんが、これはこういうからくりです。
1.ケトルで沸かしたて:約100度
2.ティーポットに移したタイミング:約90度
温度計で測ってみるとわかりますが、注ぎかえるたびにざっくり10度くらい温度が下がるのです。(容器が熱をうばうため)
(余談ですが、緑茶のように低温でいれたいタイプのお茶は、沸騰させたお湯を湯冷ましに移して、といった工程をふむと適温のお湯を作ることができます)
ティーポットを予熱する意味
お湯の温度が下がると抽出に影響するからです。実際、温度を変えて実験してみました。色が濃いほうが90度くらい、薄いほうが80度くらい。水色がこれくらい変わります。味も濃いほうが美味しいと感じました。
もちろん使ってる茶葉は同じですが、これだけ差が出ます。なのでティーポットを予熱したり、さらにティーポットに布カバーをつけて熱を逃がさないようにしたりする方法が知られているのです。
蒸らす時間(待つ時間)について
だいたい1分~3分くらいのものが多いと思います。よくある紅茶屋さんの包装は数分蒸らし推奨みたいに書いてあることがわりとあります。まずはパッケージに書いてある時間通りでやってみるとよいでしょう。
カフェ等だと、砂時計を一緒に提供して、砂が落ちたらお召し上がりください、というオペレーションをするお店もあります。これは「3分たったらお召し上がりください」とだけ伝えるオペレーションよりは親切でいいと思います。
最適な蒸らし時間がわからない場合
この場合は、ちょこちょこ味見してください。最初は1分待って、少しだけ味見して、ちょうどよければ1分。薄ければ、さらに2分待って、味見。みたいに、自分で検証つつ時間を確かめることをオススメします。
茶葉から入れる場合「好みの濃さで飲めれば正解」なので、自分がおいしいと感じられる濃さになれば大丈夫です。
お湯をおかわりして二回目以降をいれるか
基本的に2回目、3回目、と楽しめる茶葉も多いと思いますので、時間の許す限りは何度もお代わりしてよいと思います。
何回まで楽しめるかは、自分の求めるものと茶葉のタイプによるので、「味や香りがなくなったら終わり」くらいに思っておくとよいと思います。
これは人によってやるやらないが分かれるようで。Twitter(X)でお茶好きと思われるフォロワーさんに向けてアンケートとってみたらこうなりました。
お湯を足して二回目以上行く人が、40%、そうでない人が60%なので、2:3くらいの比率ですね。
2.ティーバッグを使う場合
・お湯を電気ケトルで沸かす (浄水器を通した水道水)
・お茶を選ぶ
・カップを一度あたためる (面倒に感じる場合は省略)
・カップに茶葉をいれる
・沸かしたてのお湯(約90度)を注ぐ
・1分〜3分くらい待つ
蒸らし時間(待ち時間)
ティーバッグでは箱などに参考時間が記載があるものもわりとあると思いますので、そちらを目安としてご利用ください。
ティーバッグは手軽さを重視して短時間で抽出できるように茶葉がセットされていることが多いので、1分くらいで出るものもわりとある印象です。
ティーバッグは2杯目はいけるのか?
個体差はあると思いますが、基本的には非推奨だと思います。紅茶のティーバックの二煎目は味も香りもしないただの色のついた水になることが多い印象です。
水色ひとつとっても、1杯目と2杯目でこれくらい違いました。
煎茶や烏龍茶は何度も飲めるものが多いですが、紅茶のティーバックの場合はたいてい2杯目は非推奨です。
もしかしたら「ティーバック=廉価版の安かろうまずかろうが多い」という印象を持っている人もいるかもしれませんが、ティーバックにも「高級品~激安品」までいろいろあります。
手早く入れる必要がある場合はティーバックは便利ですので、カフェやホテルなど、飲食店にとってもティーバックは使いやすいことは多いと思います。
■丁寧版 紅茶をいれる手順
1.茶葉で入れる場合
・お湯をガスでホーローの鍋で沸かす (浄水器を通した水道水)
・茶葉を選ぶ
・ティーカップを選ぶ(茶葉にあわせて、あるいは、気分にあわせて)
・お茶にあうデザートや軽食を用意する(お好みで)
・茶器(ティーポッド)を温める
・茶葉をいれる(計りでグラムではかる)
・沸かしたてのお湯(約90度)を注ぐ
・1分〜3分くらい待つ
・ティーカップもあたためる
・ティーカップにお茶を移す
やかんではなくホーローの鍋にする意味
お湯に金属の匂いがつくのをさけるため。ホーローは金属の表面にガラスコーティングをした素材のことです。
ティーカップを温める意味
非日常感が出せるというのもありますが、一番は保温効果だと私は考えてます。
※猫舌なことが分かってる相手に出すなら温めないほうがよいでしょう。
ミルクティーの場合
ミルクを常温に戻すなり温めるなりしてから、最後にいれることをおすすめします。
ミルクティーで「紅茶が先かミルクが先か」というのはイギリスではよく論争になるテーマだそうです。紅茶が主役と考えるならミルクはあくまでおまけなので、後からミルクがおすすめです。
お水に関して
美味しく飲みたい場合は、浄水器を通した水道水が推奨です。水道水の塩素は抜いておいたほうが美味しいと思います。
普段飲んでいるお水の味は当たり前になってしまっているので「こんなものだろう」と思いがちです。ただ、浄水器を通すだけで「専門店で飲むように美味しい」になる可能性はそこそこあると思います。
少しマニアックに楽しみたい人へ
お茶の楽しみ方を考えた場合、主なパラメータとして
・茶葉の種類
・茶葉の形状(葉の状態か、細かく刻まれた状態か)
・お水の性質
・ポット(急須)の材質、保温性
・カップ(ゆのみ)の材質
・お湯に対する茶葉の量
・お湯の温度
・蒸らし時間
・ミルクの種類
・甘味料の種類
・直前に食べる他の食べ物
・気温と湿度
・空間の雰囲気
・ティーカップの見た目
・インテリアやテーブルウェア
などが考えられます。気になったものを1つづつ変更して実験してみると面白いかもしれません。
お湯を電気ケトルで沸かすか、ガス火でホーローでわかすか、これは実際やってみたらだいぶ印象が変わりました。
マニアの中には茶釜で沸かすという人もいらっしゃるようです。丁寧にいれる時は、お湯の沸かし方で工夫をしてみるのも楽しいかもしれません。