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グリーフケア

12年前(2012年5月)に母を自死で亡くしてから今まで、私は母の死にちゃんと向き合えていませんでした。母の死に向き合うことが怖くて、ずっと逃げてきました。しかし、このままでは今後もっと苦しくなっていくかもしれないと思い、今年の母の命日に、これからは母の死にしっかりと向き合おうと決めました。

「母の死に向き合うと言っても何をすればいいんだろう?」
今まで向き合うことから散々逃げてきた私はそんな風に思っていました。そんなある時、「グリーフ」という言葉を思い出し、この言葉から何か手掛かりになりそうなことはないか調べてみました。この「グリーフ」という言葉を知ったのも、ちょっと記憶が曖昧なのですが、おそらく以前に、「自殺で家族を亡くした人達ってどうしてるんだろう」と思い、自死遺族について調べていた時に知った言葉なのだと思います。調べたのは随分前のことだと思います。その時もどうにかしようとしていたのだと思いますが、調べているだけで辛くなってしまい、途中で止めてしまったのを覚えています。

グリーフ(悲嘆)とは、深い悲しみのことです。大切な人や大切なペットとの死別により深い悲しみの中にいる人のケアやサポートをすることをグリーフケアと言います。また、グリーフは死別だけでなく、離別、病気やケガ、体の一部の喪失、環境の変化による喪失、自己肯定感やアイデンティティ・自尊心の喪失など、自分が大切にしているものを失くしたことによって生じた深い悲しみも含まれますが、グリーフケアというと一般的には死別を経験した遺族や大切な人を亡くして深い悲しみの中にいる人が立ち直れるように支援することのようです。そして、グリーフケアについて調べていくと、グリーフカウンセリング、グリーフケアワーク/ワークショップ、グリーフケアに関する本などの情報が出てきました。

「グリーフカウンセリングを受けてみようかな。それとも、グリーフケアワークショップに参加してみようかな」とも思いましたが、「私、話せるかな?」とか「例えばワークショップに参加して、他の人の話を聞いているうちに自分の経験と重なったり、色々なことを思い出して取り乱したりしないだろうか・・・」などと考えてしまい、結局、参加できないままでいます。誰かに話すこと、誰かと分かち合うことの重要性は頭では分かっているものの、何だか気が乗りません。あまり話したくないというのが正直なところです。たぶん、これは私の性格に大いに関係していると思うのですが、12年経った今でもまだ人に話すという段階に来ていないのだと思います。自分の考えや意見を人に伝えることは出来ます。でも、あまり人に自分の感情や気持ちを伝えることが出来ません。子供の頃から自分の感情(特にネガティブな感情)は見せないようにしてきたので、母の死について誰かに話すというのは、私にはハードルが高いことなんだと思います。ただ、母のことについて、親しい人に話すよりは、あまり知らない人に話す方が気が楽です。無理にカウンセリングを受けたり、ワークショップに参加せずに、いつか出来る時に、必要だったらすればいい。とは言っても、このまま放置してしまっては何も変わらずにずっと苦しいままなので、「グリーフケアって自分で出来ないのかな?」とまた調べてみることにしました。とりあえず、本を1冊買ってみました。

その本に書いてあるワークの中でグリーフレターというものがありました。私は母が亡くなってから、罪悪感からか、母に語りかけたことがありませんでした。母に語りかけるのが怖かったのです。しかし、手紙だったら書けるかもしれないと思い、グリーフレターをやってみることにしました。最初は自分の中だけでやるつもりでしたが、一向に進みませんでした。このままだとサボってしまう、あるいは、また逃げてしまう可能性すらあるので、「どうしたら手紙書けるのかな?」と色々と考えてみたところ、noteに書いてみるという結論に至りました。「投稿する」という行為が、向き合おうという気にさせてくれると期待して・・・!

すでに「Dear ママ」というタイトルで2つ記事を投稿させていただきましたが、これらはグリーフレターのつもりです。グリーフレターにもきっと書き方があると思いますので、これもまた完全な自己流になってしまっているのですが、母に話したいことを母と話している感じで書いてみようと思い、その時その時に思いついたことや母に話したいことを書いています。そもそもグリーフレターって何通も書いて良いものなのか・・・?何だかよく分からずにやっています(^^; 12年間、母に話しかけられなかったため、母に話したいことがたくさんあります。何通書いて良いのか分かりませんが、当面の間は書くと思います。仮に母にそんなに話すことがなくなってきたとしても、自分のグリーフが落ち着くまで、そして母にもっと直接話かけられるようになるまでは書き続けると思います。



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