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地の利、水の利を訪ねる旅 第二話

久々に東海道を歩き始めた。

今回のルートでメインイベントだった桶狭間は、旅の最初に終わってしまった。

次の目的地は、今日のゴールである、東海道の路上のルートが途切れる船着場だ。


左下の船着場跡がゴール。
北に昔の道で行くと真っ直ぐに、本殿へ。

東海道は、この先、熱田神宮の正門に向かって進んでいく。

何も道中に期待せずに歩いていると、雰囲気がガラッと変わった。

私の叔父にあたる人は桶狭間の近くに住んでいて、奥さんは鳴海という東海道の宿場町出身だった。

その近くまで行くと、懐かしい布がいくつもの家の前、店の前に飾られていた。

絞り、という布の一部を絞って染める技法で有名で、私の母も、叔父の奥さんからたくさんプレゼントされていた。


ありまつは地名です
久しぶりに、そして思いがけず立派な街道筋に出会えて気持ちが上がった。
電線がないのもいい。
昔は空が広かった。
粋ですね

名古屋エリアも楽しいなぁ、と思いながら歩いた。

旧東海道もそれなりに残っていて、途中立ち寄ったラーメン屋で残りの距離を測ると2キロ。

もう終わりか〜、と歩くと進行方向右側がざわざわしてきて、ものものしくなり、そこが熱田神宮だと分かった。

熱田神宮正門を背にしてまっすぐ歩くと今日のゴール、七里の渡し跡に着いた。


空はどんより鉛色
船はここから出発する。
さようなら、行ってらっしゃい。
坂本龍馬もいたはず。

さて、今日は終わりだ。熱田神宮は名所ではあるが人混みの多さに行くのは辞める。

来た道を十分ほど戻り地下鉄で、予約したビジネスホテルへ。

ホテルから数キロ歩けばどの方向も繁華街に囲まれつつも、高速道路の下で、中層のビルとコンビニしかない、夜は淋しい場所だった。

外は日が暮れてからめっきり寒い。

チェーン店居酒屋で夕飯でも良いが、それすらないどうしようとGoogleマップを見ていたら、なんと1キロ先の高架下に、「世界の山ちゃん金山総本店」の文字。

東京でも見かけるようになった、手羽先で有名な店だ。

ここしかないだろう、と寒さに震えながら行って、ほどほどに飲んで帰ってきた。

総本店は周りにほとんど店のない、高架下でした。
ホテルへの帰り際、公園を横切ったらあれっ?
この遊具は「えびふりゃー」?

ホテル横のコンビニで、部屋での反省会用のお酒とつまみを仕込み、戻る。

疲れて、カップラーメンは食べずにザックの中へ。

年末の疲れもあり、すぐに寝てしまったが、朝は月曜日と勘違いして、仕事だからと目が覚めてしまった。

これもまた良し。

第二話尾張です。