鳥取の「砂場」(1)―「何もないだと?」
私も砂場で遊んでいた時の話を書いてみようw
今年2018年の8月に山陰に旅行していた。
「鳥取には日本一の砂場がある」と言ったのは、平井伸治鳥取県知事だが、2018年8月7日の14時半頃、私は鳥取砂丘に来ていた。
砂丘の近くにある砂の美術館を見に行くことが主目的だったのだが、やっぱりここまで来たら、砂丘も行かねばと思ったのだ。
鳥取砂丘中心部には3列の砂丘列、つまり山のようになった大きな砂の丘があり、「馬の背」と呼ばれている第2砂丘列が一番有名だ。
これは高さが50メートル近くあって、なかなか登るのが大変だ。どうしようか迷っていた私に聞こえてきた、親子連れの会話があった。
父親が子どもにこんなふうに語りかけていたのだ。
「あそこの山みたいなのに登ってみようか」「あの上には何があると思う?」
(私の心の声:ふむふむ、子どもに語りかけて、興味を引き出そうとしているのかな)
「実は何もないんだけどね」「でも登ってみようか」
(おいおい、何もないのに登るんかい!?)
なんかほのぼのとしたよい会話だなと思いながら、私は聞いていた。
どうしようか迷っていると、その親子連れは第2砂丘列に向かって歩き出した。
何もないと言えば、私は『はじめ人間ギャートルズ』のエンディングテーマである...
なんにもない なんにもない
まったく なんにもない
生まれた 生まれた なにが生まれた
星がひとつ 暗い宇宙に
なんて歌を思い出すのだけど。
砂丘に星は生まれないだろう、宇宙じゃないんだから、でも「宇宙」という単語には、「小宇宙」のようにそれだけで秩序ある統一体としての世界を刺す意味もある。
砂丘も考えてみれば、1つの秩序ある統一体だよね。
では、第2砂丘列の頂上でも、父親が言っている「何もない」から何かが生まれているのではないか。
そんなくだらないようにも思える疑問を感じながら、何か行かなければその親子連れに負けているような気がして、私は第2砂丘列を登り始めた。(続く)
P.S. そういえば「ギャートルズ肉」(「マンガ肉」)って、池袋のnicocafeで昔食べられると聞いた記憶があるんだけど、なくなったのかな?