【五十肩の施術に悩む治療家、セラピスト必見!】五十肩(凍結肩)の病態鑑別で大切な3つのポイント
こんにちは。元原誠吾です。
セラピスト診断学研究所の運営をしたり、
オンラインフィットネスサービス、ウチトレの開発をしたりしております。
今日の記事は、「五十肩(凍結肩)の病態鑑別で大切な3つのポイント」というテーマで投稿させていただきます。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
本日のテーマ、「五十肩(凍結肩)の病態鑑別で大切なポイント」について
わかりやすく、3つのポイントでお伝えします。
①他動での関節可動域
②夜間痛の種類
③結帯動作痛の有無
肩関節の治療することが多い理学療法士や柔道整復師はもちろんのこと、
整体師やマッサージ師の方でも、五十肩の悩みを抱える患者さんと触れ合う機会は多いと思います。
『五十肩』というのはものすごく広い意味での病名で、
病院などの医療機関では、保険請求をする上での正式な病名ではありません。
病院では主に『肩関節周囲炎』と表現されることが多いです。
腱板損傷や肩峰下滑液包炎、二頭筋長頭腱炎なども、広い意味で五十肩に含まれます。
なぜかと言うと、「だいたい50歳ぐらいで肩の痛みが多くなるので、その人達をまとめて五十肩と呼んだ」ことがきっかけだそうです。
いわゆる五十肩の中でも、今日は凍結肩に焦点を当ててお話ししたいと思います。
①他動での関節可動域
患者さんの訴えの中でよくある悩みが、
「肩が痛くてあげられないんです、、」
というものです。
これは凍結肩に限らず、腱板損傷やインピンジメント症候群でも頻繁に見られる症状の一つです。
ただ、凍結肩というのは肩関節を構成している関節包が硬く柔軟性が乏しくなるので、本当に上がらなくなります。
・痛みの為に上がらないのか
・構造上上がらなくなっているのか
を確かめるには、他動の関節可動域をチェックすることが必要です。
例えばインピンジメント症候群であれば、患者さんの腕をしっかり支えてあげて挙上させれば普通に上がります。
ではなぜ患者さんは、
「腕が上がらない」と訴えるのかというと、
『これ以上挙げると痛みが出るから挙げたくない』という心理からそのような表現をします。
凍結肩が進行し拘縮が強くなると、何をやっても劇的に改善することはないんです。
「1回の施術で五十肩が治った」というのは、狭義の凍結肩ではないんですね。。
手術をせずに凍結肩を一発で動くようにするには、麻酔で肩の神経を麻痺させて、固くなってる肩関節包を思いっきり剥ぐ
『サイレントマニピュレーション』という手段を取る以外に難しいです。
凍結肩とその他肩の痛みを見分けるためには、他動の関節可動域をチェックしてみてください。
②夜間痛の種類
「寝ている時に肩が痛むんです、、」という訴えも割と多くありますが、その痛みの発現の仕方にもいくつか種類があります。
凍結肩以外での夜間痛の出現の仕方は、
・寝返りをすると痛い
このことを患者さんは「夜寝ていると痛い」と表現します。
対して、凍結肩の夜間痛の出現の仕方は、
・寝返り関係なく寝ているだけで痛い
んです。
特に、仰向けで寝ているとひどく痛みます。
これは、関節腔または上腕骨頭内の圧力が高まるために、うずくような痛みを発現します。
ですので、夜寝ていると痛むと訴えをする患者さんにも、
「寝ているだけで痛いですか?それとも寝返りをすると痛みますか?」という問いかけをしてみてください。
③結帯動作痛の有無
凍結肩で一番障害される動きは、腕を背中に回してエプロンのひもを結ぶ動作です。
この結帯動作ができなくなる理由は、凍結肩の発生機序にあります。
諸説ありますが、最近の整形外科医学会で有力視されているのが、『腱板疎部周辺で起こる機械的なダメージ』です。
腱板疎部を中心に肩関節内に炎症が波及するため、上腕骨頭を前方に変位させる結帯動作に明らかな障害が起きます。
ですので肩関節の痛みを訴える患者さんには、結帯動作の有無を確認してみてください。
凍結肩にも、
・炎症期
・拘縮期
・解凍期
と3つのシーズンがあり、拘縮期から解凍期はひどく動きに制限がありますが、
炎症期ではまだ比較的肩関節が動きやすい状態が保たれています。
ですので、凍結肩の炎症期とその他肩関節疾患を詳しく鑑別するための方法は、またの機会にお話しさせていただきます。
お分かりいただけましたでしょうか。
本日のテーマ、「五十肩(凍結肩)の病態鑑別で大切な3つのポイント」について まとめてみました。
セラピスト診断学研究所では、治療家やセラピストに役立つ診断学のコラムを読めたり、判断に困っている症例について相談し、ディスカッションしたりしながら、メンバー全員でレベルアップのために日夜研究をしております。
ご興味のある方は、一度YouTubeの動画をご覧になってからご参加ください。それでは、今日も張り切っていきましょう。
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