ままならないから私とあなた
僕の中にいる2人の自分が討論していた。
「自動化と人間」について。そこから生まれる「人間らしさ」「自分にしかないもの」というものが一体何なのかについて。それを真剣に考えて、何とか心の中のモヤモヤを言葉にして伝えようとしている。ただそれらについて、互いにうまく言葉にできず、伝えそびれていることがたくさんあるままでいる。
この作品は、そんな、今ここにいる1人の自分がなかなか整理できていなかったものを確実に言葉にして、文章にして、小説にして、表現されたものでした。
「ままならない」
この言葉がこんなにもしっくり来たことはなかった。
僕たち人間って、ままならない。
本屋でこの本と出会い、心が揺れた。
そしてこの小説を読み終えて本を閉じた時、改めてタイトルに感銘を受けた。
ままならないから私とあなた。