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東洋医学的1日の理想的な過ごし方


東洋医学では、それぞれの臓器に感情が宿るとされています。

例えば、肝が病むと怒りの感情が湧きやすくなり、

心が病むと不安が出やすくなる、

と言うように、

西洋医学とも理論的に通じるところもあります。



また、東洋医学では「臓腑の時間」という考えがあります。

これは、1日24時間のうちそれぞれの時間帯に

それぞれの臓腑が活発に動く時間がある、という考えで

「子午流中(しごるちゅう)と言います。



その説明の前に、まずは「臓腑」と何か?

についてお話します。

よく「五臓六腑」と言いますが、

東洋医学ではじつは「六臓六腑」

の考えを採用しています。

具体的に六臓とは「肝・心・脾・肺・腎・心包」

六腑とは「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」を指します。



では、東洋医学的な24時間の理想的な過ごし方を

解説していきます。

全て完璧にこなそう、というよりも

自分の生活リズムに合わせて

心地よく感じる過ごし方を少しずつ取り入れて

いってみてください✨ 



【胆の時間:23時〜1時】

細胞の生まれ変わりやお肌や内臓などの修復をする作用もある成長ホルモンの分泌が多い時間です。この時間はぐっすり眠るのが○。

脂肪やタンパク質を分解する胆汁の生成・分泌も盛んな時間帯ですので、

同じ食事をしていてもこの時間に起きていると消化不良による湿の停滞や肥満を招きます。

東洋医学では胆は勇気や決断力を主ると言われています。

重要な決断をするポジションの方や、優柔不断の方はこの時間に熟睡するよう

心がけてみましょう。



【肝の時間:1〜3時】

肝のはたらきである「解毒」を行ったり

カラダがその日に食べたものを消化吸収し栄養を取り出し

血を作る時間帯です。

この時間はぐっすり眠り「肝」のはたらきを促進する必要があります。

この時間に起きていると汚れた血液による「瘀血」ができやすくなったり

「肝」の働きの一つである気を巡らせるという働きが上手くいかなくなり、

イライラしやすくなったり頭痛や自律神経の乱れを招きます。
生理不順や生理痛、肌荒れや肌のくすみ、目の症状、
婦人科系疾患にもつながるため注意が必要です。



【肺の時間:3〜5時】

徐々に深い眠りから浅い眠りへと変わり、

カラダの中に陰の気から陽の気が増えていく時間です。

肝の時間に浄化・生成された血を

呼吸の気とともに全身に行き渡らせ、カラダを目覚めさせていきます。

肺は免疫力やアトピーなどの肌トラブル全般、咳や喘息などに大きく関係しています。

早く起きた場合は、瞑想やヨガなど呼吸に集中できることをするのも

おすすめです。


【大腸の時間:5〜7時】

きちんと夜の間に消化活動をできている場合はこの時間に

排泄があります。白湯を飲んだり、ヨガやストレッチをするなど

リラックスして過ごすことで、大腸の蠕動運動を促進します。


【胃の時間:7〜9時】

大腸の時間に排泄のない方は、朝一番に胃に食べ物を入れることで

「胃〜大腸反射」が起こり、排泄が促されます。

胃を温めて消化の良い食事を心がけます。

消化力の落ちている方は特に、温かいお粥や雑炊、玄米よりも白米がおすすめです。

1日の初めに食事による「特異動的作用」により体温を上げることで、

その日1日の基礎体温を高く保ち、代謝を上げることができます。個人差がありますが、朝食をとることにより体温が約0.3度上昇すると言われています。



【脾の時間:9〜11 時】

「脾」とは東洋医学では消化機能全般のことを指します。

この時間は消化活動が活発に行われ、栄養や潤いが全身や脳に行き渡る時間です。

気血が養われるので、企画やアイディアをねるなど頭を使うクリエイティブな

作業や運動に向いています。冷たい飲み物などの取り過ぎに気をつけます。



【心の時間:11〜13時】

この時間は心のよく働く時間なので、心に負担をかけないように

激しい運動や階段を走って上るなども避けましょう。ゆっくりとリラックスして

楽しい気持ちで昼食をとり、「お昼寝」も少しできるといいです。ぐっすり寝てしまうと消化力が下がるため、15分程度横になったり目を瞑って五感の刺激をシャットアウトして

カラダと精神を休ませてあげるといいでしょう。



【小腸の時間:13〜15時】

小腸には「清濁の泌別」といって、食べたものから栄養分を取り出し、固形分と水分に分離して尿と便を作ったり、栄養や水分を各機関に送り届けます。ですので、この時間も激しく動くと自律神経の交感神経が優位になり栄養の吸収がうまくいかなくなってしまうため、ゆったりと過ごすのがおすすめです。また、適度な水分をとり、血がドロドロになるのを防ぎましょう。



【膀胱の時間:15〜17時】

1日のうちで最も体力が充実する時間なので、運動にはおすすめの時間帯です。

体温や血圧も高まる時間帯なので、高血圧の方や心臓病をお持ちの方は注意しながら行いましょう。暑い日も血がドロドロになりやすいので、注意が必要です。

こもった熱を外に出すためにも、この時間は尿をガマンせずこまめにトイレにいきましょう。



【腎の時間:17〜19時】

腎は東洋医学では「生命力」となる精を蓄える臓です。

老廃物の排出や水分代謝を主るため、むくみや冷えの気になる方はこの時間は特に

腎臓のある腰回りや、腎の大切なツボのある足首周りを冷やさないように気をつけましょう。

西洋医学の腎臓の働きに加えて、ホルモンバランスや内分泌系、アンチエイジング、不妊にも大きく関わってきますので、できるだけこの時間に栄養のある温かい夕食をよく噛んで食べることが大切です。腎の働きを高めたい方は、ひじきや海苔、椎茸、ゴボウなど「黒い食材」を心がけて食べましょう。



【心包の時間:19〜21時】

「心包」とは心臓を包む膜のことを意味します。西洋医学でも心臓は「心膜」で包まれています。東洋医学でも「心」はすべての臓を統括する重要なポジションとみるため、心に直接邪気が入るのを防ぐために心包がワンクッション置いて心を守っています。

この時間は、感情の高ぶりを防ぐため出来るだけリラックスして過ごすよう心がけます。刺激の強いテレビや深刻な話し合いは避け、家族と談笑したりぬるめのお風呂にゆっくりと浸かり、1日の疲れを癒しましょう。心機能を高める軽いウォーキングも良いですよ。


【三焦の時間:21〜23時】

三焦とは東洋医学独特の臓腑の1つで、「リンパや免疫などを総合したもの」「水分代謝を主る」というとわかりやすいでしょうか。1日活発に頑張ってはたらいてくれたカラダを鎮静させ、就寝に向けて臓器や神経を鎮めていく時間です。そのため、水分以外は口にいれず、ゆっくりストレッチをしたり好きな香りを楽しんで、質の良い睡眠を作っていきましょう。


まとめ

自然の流れに合わせた子午流中のリズムに沿って、日々の生活を送ることは現代の私たちには難しいケースも多いと思います。ですが、こうして「各時間に働く臓腑」や「過ごし方」を知っているのといないのでは、無意識での過ごし方にも差が出てきます。これを10年、20年と続けていけば、意識している人としていない人ではさらに体調や感情の変動、思考にも違いが出てきます。


まずはできることから少しずつ毎日の生活に取り入れてみてください。

楽しんでやってくださいね!


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